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トップ > 世界遺産を旅する [Vol.13] 大いなる水と貴重な動植物が共存する イグアス国立公園
写真:gettyimages
ブラジル側からは滝の全体像を見渡せる。滝壺に近づけるボートツアーも人気
ブラジルとアルゼンチンにまたがる世界自然遺産「イグアス国立公園」は、東京都とほぼ同程度の広さに、イグアスの滝と呼ばれる大小300近い数の滝が点在する。先住民の言葉であるイグアスは、「大いなる水」という意味だ。北アメリカのナイアガラの滝、アフリカのヴィクトリアの滝と合わせて世界三大瀑布とされ、滝全体の幅は約4キロにも及ぶ。
数ある滝の8割はアルゼンチン側に、2割はブラジル側にある。滝全体を見るのなら、ブラジル側からアルゼンチン側を見るのがお薦めだ。滝を巡るために整備された約1.2キロの遊歩道が、平坦で歩きやすいのもうれしい。最寄りのフォス・ド・イグアス空港から国立公園の入口までは車で約30分、遊歩道を歩き出すと、滝が集まる場所が近づくにつれゴオーという音が次第に大きくなる。
その最も奥に位置する「悪魔ののど笛」と名付けられた滝を前にすれば、轟音と水量に誰しもが圧倒されるに違いない。幅約150メートル、落差約80メートルは、イグアスの滝最大の水しぶきでずぶ濡れになるが、まぶしい日差しが描く美しい虹にも魅せられ、離れがたい想いにかられるだろう。
滝を取り巻くのは濃密な熱帯雨林だ。絶滅危惧種も多い貴重な生態系は、世界遺産登録の際、力強い絶景とともに評価された。滝に別れを告げた後は、色鮮やかな蝶や鳥、数十種類もあるというランなど、動植物の姿も胸に刻みたい。
散策を楽しんだら、牛や羊の肉を串刺しにして焼いたシュラスコで空腹を満たしてはいかがだろう。串付きのままテーブルに運ばれた肉の塊をナイフで切り分けるスタイル、口中にあふれる肉汁は、イグアスの滝と同様にダイナミックだ。
※新型コロナウイルスの感染拡大にともなう渡航・外出制限など、事前に最新情報をご確認ください。
毎週日曜午後6時よりTBS系列にて放送中の「世界遺産」。最高水準の映像技術によって世界遺産を記録し、未来に引き継いでいくことを目指しています。キヤノンはその理念に共感し、映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」をはじめとした機材協力も行っています。時には最新の4K/8Kカメラで撮影した映像をお届けする回も。最高の映像でお届けする「世界遺産」をぜひご覧ください。www.tbs.co.jp/heritage/