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  • 2021.12.01

[Vol.15] 縄文時代の日本独自の精神文化を伝える 北海道・北東北の縄文遺跡群

画像: 雪に覆われた三内丸山遺跡。写真:PIXTA
雪に覆われた三内丸山遺跡。かつては今よりも温暖な気候だったという

画像: 函館市「大船遺跡」の住居跡 写真:PIXTA
深さ2メートルを超える竪穴が特徴的な函館市「大船遺跡」の住居跡。「函館市縄文文化交流センター」にも近い
画像: 北国の海の幸 写真:PIXTA
北国の海の幸はこれからの季節、寒さで脂が乗っておいしさもひとしお

2021年夏に世界文化遺産への登録が決定した「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道南部、青森県、秋田県、岩手県に点在する17の縄文遺跡から構成されている。評価の理由は農耕や牧畜ではなく狩猟、採集、漁労による世界に類を見ない定住生活や、その営みが1万年以上続いたことなどで、津軽海峡を挟む南北の地域に限定したのは、一帯が一つの文化圏であったとみなされたからだ。

見応えある展示施設を併設した遺跡も多く、各地を巡れば草創期から晩期まで縄文文化の変遷が追える。中でもまず訪れたいのが最大規模を誇る青森市の「三内丸山遺跡」だ。縄文時代と聞いて思い浮かぶのは、食料を求めてさまよい歩く原始的な様子かもしれない。実際かつての歴史の教科書にはそのように紹介されていた。だが、定説を覆したのが1994年に発見されたこの遺跡だった。

三内丸山遺跡で圧倒されるのが、直径約1メートルの巨大な栗の木6本からなる大型掘立柱建物だ。大小の竪穴建物や高床倉庫がまとまって立つ様子には、計画的に集落が形成されたであろう過去へと思いを巡らすことができるだろう。

展示館では多数の土器や土偶の細かな細工に加え、腕輪や耳飾りのような装飾品、樹皮を編んだかごなどが並び、文化の高さがうかがい知れる。遠隔地産のヒスイや黒曜石などの交易品も多数出土しており、広く他地域との交流が行われていたのも興味深い。

栗をはじめとする森の恵みやシカなどの動物、マグロやヒラメなども含む海川の魚介類と、食生活も実に豊かだ。当時の生活を美味で体感するなら街中の和食店や鮨店へ。新鮮な海の幸をいただけば、時空を超えて口福を共有できるだろう。

※新型コロナウイルスの感染拡大にともなう渡航・外出制限など、事前に最新情報をご確認ください。

キヤノン単独提供番組 「世界遺産」

毎週日曜午後6時よりTBS系列にて放送中の「世界遺産」。最高水準の映像技術によって世界遺産を記録し、未来に引き継いでいくことを目指しています。キヤノンはその理念に共感し、映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」をはじめとした機材協力も行っています。時には最新の4K/8Kカメラで撮影した映像をお届けする回も。最高の映像でお届けする「世界遺産」をぜひご覧ください。www.tbs.co.jp/heritage/

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