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トップ > 世界遺産を旅する [Vol.18] カラフルな建築群が青い海と空を彩る チンクエ・テッレ
写真:gettyimages
集落の美しさが際立つマナローラ。海沿いの遊歩道からの眺めは必見
イタリア北部リグーリア州の世界文化遺産「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」は州都ジェノヴァの東南、地中海に面したエリアに点在する。チンクエ・テッレは「5つの土地」を意味し、西北端からモンテロッソ・アル・マーレ、ヴェルナッツァ、コルニリア、 マナローラ、リオマッジョーレと続く5つの集落を指す。さらには、その先の集落ポルトヴェーネレと沖合の小島群が世界遺産に含まれる。
いずれの集落も、険しい崖と一体化した独特の景観が特徴的。その営みは11世紀に端を発するが、19世紀に鉄道が敷かれるまでは海路だけが頼りで陸の孤島と呼ばれていたという。現在はイタリア屈指のリゾート地として人気を博し、カラフルな建築群が青い海と空を彩る風景は、ため息が出るほど美しい。どの集落も1時間ほどで散策できる上、集落間は列車で移動可能なため、異なる趣を気軽に楽しめる。夏場は船も運航され、海からの絶景も必見だ。
平地がないこの地域では、崖を利用したぶどうの栽培とワインの醸造が生活の礎になってきた。急勾配(きゅうこうばい)の斜面には段々畑が築かれ、それを支える石垣の総延長は約6700kmに及ぶという。集落間にはトレッキングルートが整備され、ダイナミックに広がる畑を一望できる場所もある。時には急な坂道があるものの、長い歳月をかけて崖を切り拓いてきた人々の苦労に感慨を覚えることだろう。
散策後はぶどうの実りがもたらす、世界的にも評価の高いチンクエ・テッレ産のワインを味わいたい。リグーリア州はバジリコのペースト、ジェノベーゼの本場でもある。パスタを彩るグリーンは、景色同様の鮮やかな色彩の記憶として胸に刻まれることだろう。
毎週日曜午後6時よりTBS系列にて放送中の「世界遺産」。最高水準の映像技術によって世界遺産を記録し、未来に引き継いでいくことを目指しています。キヤノンの映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」等を活用した高精細な映像で世界遺産の魅力を伝えています。時には4K/8Kで撮影した映像をお届けする回も。最高の映像でお届けする「世界遺産」をぜひご覧ください。
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