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  • 2018.03.01

[Vol.1] 春の香りを探して、紀伊山地の霊場と参詣道の吉野山を歩く

夕刻に幻想的な絵を描く、吉野山の桜。ライトアップされた夜桜もまた、見逃せない

画像: 特産品の葛うどん 特産品の葛うどんは、旅の土産としてもお薦め。桜を愛でつつ食事ができる店も 画像: 熊野古道の大門坂 樹齢数百年の杉の古木と石段が続く、熊野古道の大門坂。入り口から熊野那智大社を経て那智大滝まで、約2.5キロ、約1時間

2004年に世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」は、和歌山、奈良、三重の三県にわたる広いエリアに見どころが点在している。吉野山の金峯山寺(きんぷせんじ)、熊野三山の熊野本宮大社、高野山の金剛峯寺といった寺社を駆け足で巡るだけでも実りは多いが、1000年以上もの昔から数え切れないほど多くの人々が踏みしめた道をたどれば、旅の思い出はいっそう鮮やかに刻まれる。

中でもお薦めなのは、「熊野古道」として知られる熊野参詣道の大門坂。長い石段が続く趣ある世界に浸れる上、短時間で気軽に歩けるのが魅力だ。石段の両脇には、数百年の歳月を経た大きな杉の木が続く。木々を見上げながら深呼吸すれば清々しい香りが体を包み、心がすうっと鎮まることだろう。目には見えない何かに見守られているかのような、不思議な感覚に駆られるかもしれない。

これからの季節なら、奈良県のほぼ中央に位置する吉野山を目指したい。4月上旬から中旬にかけて、シロヤマザクラを中心とする約3万本の桜が谷から稜線へと、山を優しいピンク色に染めていく。飛鳥時代、修験道の開祖・役行者に由来するというこの山の桜は、あちらこちらに句碑が立つ松尾芭蕉をはじめ数多くの人を魅了してきた。

かの豊臣秀吉は、なんと5000人ものお供を引き連れて花見に訪れたそうだ。ロープウエーから花に覆われた山を見下ろせば、ため息がこぼれるほどの絶景がそこにはある。上空からの眺めは、天下を取った秀吉ですら経験できなかった贅沢だ。

散策の合間には、この地域の特産品である葛を使ったうどんでひと息つこう。つるんと喉を気持ち良く過ぎ、心身をリフレッシュしてくれる。食後の葛餅はふんわりやわらかなおいしさだ。

散策路の一つ「万葉のみち」を行けば、エメラルドグリーンに輝く宮滝にたどり着く。かつて持統天皇も愛したというその景色は、言葉を失うほどの美しさ。兄・頼朝に追われて身を隠した源義経の切なさや、後醍醐天皇から始まる南朝三代の哀しみも、吉野山は優しく癒やしたのだろうか。過去を思うひとときを、はらはらと散る桜の花びらがドラマチックに彩る春の旅を満喫したい。

画像: 行き方 画像: 行き方

キヤノン単独提供番組 「世界遺産」

毎週日曜午後6時よりTBS系列にて放送中の「世界遺産」。最高水準の映像技術によって世界遺産を記録し、未来に引き継いでいくことを目指しています。キヤノンはその理念に共感し、映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」をはじめとした機材協力も行っています。時には最新の4Kカメラで撮影した映像をお届けする回も。最高の映像でお届けする「世界遺産」をぜひご覧ください。www.tbs.co.jp/heritage/

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