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トップ > 世界遺産を旅する [Vol.3] 月夜に照らされたテムズ川沿いにロイヤルファミリーの歴史を訪ねる
現在のウェストミンスター宮殿は、1834年の火災の後に再建された
ウィリアム王子とキャサリン妃の第三子ルイ王子の誕生、ヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウエディングなど、イギリス王室の幸せなニュースが続いている。そんな王室の歴史に触れられるのが、イギリスが誇る約30もの世界遺産の中で最も広く知られたウェストミンスター宮殿……。といってもピンと来ないかもしれないが、実はロンドンの象徴的存在、時計台の「ビッグ・ベン」がある国会議事堂の正式名称だ。
テムズ川沿いのこの地は戦略上の要衝と見なされ、11世紀から16世紀にわたり王の住居だったという。1099年に建築されたウェストミンスターホールも見られる議事堂内の見学ツアー(要予約)に参加すれば、その歴史の重みを実感することができる。ゴシック調の荘厳な姿がライトアップで際立つ、夕刻以降の眺めも見逃せない。ディナーの時間でもまだ明るい夏場と比べ、秋は夜景を満喫する計画を立てやすいのが魅力。残念ながらここしばらくの間は時計台は改修工事中だが、それでもなお圧巻の景色に魅せられる。
ウェストミンスター宮殿を訪ねるなら、併せて世界遺産登録となった隣接するウェストミンスター大寺院と聖マーガレット教会へもぜひ。壮麗な空間に目を奪われるウェストミンスター大寺院は1066年以来、歴代の王、女王の戴冠式が行われてきたほか、彼らの多くが埋葬されている場所。2011年にここで挙式したウィリアム王子とキャサリン妃は、ご先祖さまが見守る中で愛を誓ったのかと思うと感慨深い。同じ敷地内にある聖マーガレット教会のステンドグラスもまた、こぢんまりとした造りながら、思わず見入ってしまう美しさだ。
せっかくならば同じテムズ川沿いに建つ世界遺産、ロンドン塔にも足を延ばしたい。11世紀末から要塞や宮殿として歴史を紡いできたこの建物だが、かつてはエリザベス1世ほか王侯貴族が幽閉された監獄でもあった。即位の際に使われる王冠や世界最大級のダイヤモンドといった輝くお宝の展示は、一見の価値がある。
散策中、疲れを癒やすなら、街のそこかしこで見掛けるパブへ。少々ぬるめのエールビールが喉を優しく潤してくれる幸せを堪能しつつ、19世紀、ビクトリア女王が後押しした禁酒運動がその存続に影響しなかったことに乾杯を。
毎週日曜午後6時よりTBS系列にて放送中の「世界遺産」。最高水準の映像技術によって世界遺産を記録し、未来に引き継いでいくことを目指しています。キヤノンはその理念に共感し、映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」をはじめとした機材協力も行っています。時には最新の4Kカメラで撮影した映像をお届けする回も。最高の映像でお届けする「世界遺産」をぜひご覧ください。www.tbs.co.jp/heritage/