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  • 2019.12.01

[Vol.8] 建国の歴史と文化を伝える カナダのリドー運河

画像: リドー運河写真:iStock
オタワ市内を流れるリドー運河。左手、尖塔がある国会議事堂も観光名所の一つ

画像: プーティン 写真:iStock
カナダで広く愛されているプーティンは、ソースとチーズの濃厚なうまさにはまる
画像: 世界最長のスケートリンク 写真:iStock
全長約7.8kmのスケートリンクは世界最長。スケート靴のレンタルサービスがあり、観光客でも気軽にスケートを体験できる

全長約202km。カナダの世界遺産「リドー運河」は、首都オタワからオンタリオ湖畔、アメリカとの国境に位置するキングストンを結ぶ水の道だ。運河として北米では最も古い歴史を誇り、一帯がイギリス領だった1826~1832年に建設された。当時緊張関係にあったアメリカからの侵攻を防ぎ、輸送ルートを確保するのが目的だったという。運河とともに誕生した小さな村オタワは、やがて物流の拠点として栄えていく。リドー運河の存在はオタワの歴史の礎、といっても過言ではない。建設から180年近くたっても往時の姿を変えない北米最古の運河として2007年に世界遺産に登録された。

軍事目的として造られた運河は、幸いにも争いに巻き込まれることなく時代が過ぎ、現在は観光用のボートがゆっくりと行き交う。その眺めは、カナダ随一の大都市トロントとは異なり、首都とはいえ、どこかのどかな雰囲気が感じられるオタワの街と調和し、運河沿いの散策路を歩くだけでも、せわしない日常を忘れてのんびりと和む気分になる。

その際に注目したいのは、オタワ~キングストン間の標高差を解消するために設けられた、水位を調整する水門(ロック)。47カ所ある水門の一部には、夏場、ロックマスターと呼ばれる管理人が常駐し、ボートが通るたびに昔ながらの手作業で歯車を回す。水門がゆっくり、ゆっくりと開閉する様子から目が離せなくなることだろう。

オタワは、カナダでも有数の寒冷地。冬は日中でもマイナス10度前後までしか気温が上がらないが、実はこの時季も観光客でにぎわう。というのも運河が凍り、巨大な天然のスケートリンクになるからだ。地元の人にとっては、スケート靴で通勤・通学ができる氷の道。その中に混じり冷たい風をきって滑りだせば、最初は足もとがおぼつかなくても、だんだんと童心に返る楽しさを覚える。運動の後はカナダのソウルフード、フライドポテトにたっぷりのグレイビーソースとチーズをかけた「プーティン」でおなかに温もりを。

日程に余裕があるなら、オタワ~キングストンを数日かけて移動する客船に乗り、リドー運河を制覇するのもお薦め。春や夏は緑の木々が、秋には紅葉が彩る道中の街には、トレイルやサイクリングのコースも設けられており、カナダの美しい自然も堪能できる。

画像: 行き方 画像: 行き方

キヤノン単独提供番組 「世界遺産」

毎週日曜午後6時よりTBS系列にて放送中の「世界遺産」。最高水準の映像技術によって世界遺産を記録し、未来に引き継いでいくことを目指しています。キヤノンはその理念に共感し、映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」をはじめとした機材協力も行っています。時には最新の4Kカメラで撮影した映像をお届けする回も。最高の映像でお届けする「世界遺産」をぜひご覧ください。www.tbs.co.jp/heritage/

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