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  • 研修では教えてくれない“イマドキ”ビジネスマナー
  • 2016.03.01

[Vol.1] Yシャツの下に下着を着るべきではない!?

季節や自分の体質に合わせ、応用を利かせることも、着こなしのマナー

Yシャツは、もともと丈が長く、下半身を隠すパンツの役割も担う“下着”だったといわれている。伝統的に見れば“下着”なのだから、Yシャツは素肌にまとうのが正解。そして、“下着=Yシャツ”を見せないためにも、“上着着用”が、正式なビジネスマナーだといえる。

とはいえ、現代のビジネスシーンで上着を脱ぐのは、よくあること。真夏の炎天下、会社訪問先で「どうぞ上着をお脱ぎください」と促されることもあるだろう。もしあなたが、流れるほどの汗をかいていたら、上着の下では、ぬれたYシャツが素肌にピタリと張り付いているはずだ。その状態で上着を脱げば、気まずい空気が流れることは容易に想像できる。

マナーとは相手あってこそのもの。相手を不快にさせたり、余計な気遣いをさせたりしないためには、伝統を重んじるばかりではなく、季節や気候、自分の体質に合わせて、応用を利かせることも必要だ。

イマドキ マナー作法

写真:アンダーウエア「SEEK」 グンゼ(株)のアンダーウエア「SEEK」 肌色なので透ける心配がないアンダーウエア。ネクタイを外しても見えないよう襟ぐりは広めの設計に。

では、Yシャツを着こなすにはどうしたらよいのだろうか。スマートなのは「周囲には着ていることが分からないアンダーウエアを着ること」。最近では、左の写真のように、襟ぐりや袖口のラインがアウターに響かない、薄手で肌色のアンダーウエアが登場している。これを1枚着ておけば汗対策にもなり、長袖なら冬場の防寒対策にもなる。ただし、Yシャツの袖口から“チラ見え”しないか、袖の長さのチェックはしておきたい。

ビジネスでは第一印象、つまり見た目ひとつで仕事ぶりを判断される場合がある。だからこそ、着こなしには、「人からどう見られるか」という視点が重要になる。ところが、中年以降の世代は特に“身だしなみ感度”が低く、人から見られることをあまり意識していない人も少なくない。例えば、Yシャツから白いTシャツやランニングシャツが透けて見えていることは分かっていても、“垢抜けない印象”を与えていることには気付かないのである。

ビジネスシーンでは、「人からどう見られるか」を意識して「美しく着る」ことに、とことんこだわるべきだろう。スマートに、かつ相手への気遣いを忘れない着こなし。それが、仕事に対する姿勢を伝えるひとつの手段であり、一緒に仕事をする相手への敬意につながるからである。そう考えれば、インナー選びの重要性も見えてくるはずだ。

森岡 弘 氏
株式会社グローブ代表取締役。ファッションディレタクター、スタイリスト。大手出版社にて、男性ファッション誌のファッションエディターとして活躍後、独立。芸能人や政治家などのスタイリングを行い、絶大なる信頼を得ている。アパレルブランド、ライフスタイルブランドのプロデュースや広告ビジュアル提案など多方面で活躍する。

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