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トップ > ビジネスマナー [Vol.3] 渡すだけではない名刺交換の心得
「名刺」はその人自身を表すもの、丁寧に両手で扱うように。社員研修時にこう教えられた人は多いかもしれないが、“名刺”にとらわれ過ぎて、名刺の“持ち主”である相手への気遣いを忘れてしまったら本末転倒だ。
例えば、一方的に名乗り、そのまま両手を突き出すように名刺を渡す人がいる。目の前に差し出されたら受け取るほかなく、相手は自分が名乗るのを後回しにし、用意していた名刺はいったんしまうはずだ。つまり、相手の手を煩わせていることになる。名刺交換は、初対面の相手と互いの第一印象が決まる大切な瞬間。好印象を持ってもらうためにも、自分本意な行動は慎み、相手の動きに合わせて振る舞うよう心掛けよう。
イマドキ マナー作法
まず相手が名刺を手元に準備しているか、それを確認できてから近づくようにしたい。そして名乗るのは、目下、または訪問する側から(相手との関係によっては目上であっても自分から名乗ってもいい)。互いに名乗ったら、両手で持っていた名刺を片手に持ち替え、互いの名刺入れの上で同時に交換する。授受するときは片手で構わない。名乗るときは相手の顔を見ながら、社名とフルネームを伝えるのがマナー。名刺に気を取られると、顔が下を向いてしまうので気を付けたい。
複数の人と名刺交換する際は、相手を待たせないために、あらかじめ多めに名刺を取り出し、名刺入れの間に挟んでおこう(写真参照)。訪問する側もされる側も大人数のときは、序列に従って名刺交換を行うが、数人目からは社名と名前は省略し、名字だけを名乗ってもいい。
さて、受け取った名刺はしまうべきか否か。「名刺を相手より先にしまうのは失礼」と、机に置いたままの人も多いが、汚したり、落としたりすることも考えられる。複数の人と交換したときは、名前を間違えないよう机に並べておくのもいいが、相手が一人なら、タイミングを見計らい(資料を出すときなど)、名刺入れにしまうのが得策だ。
欧米諸国では日本のように名刺を重要視していないため、名刺にメモ書きするような人もたまに見かける。ただし、国内では、相手の目の前で名刺にメモ書きするのは、ご法度と心得よう。