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トップ > シゴトの哲学 [Vol.21] タレント ユージさん
時折ジョークを交えた軽妙な語り口で、視聴者を引き付ける。その卓越したトーク力は折り紙付きだが、これまでタレントとしてだけでなく、モデルや俳優など多彩な顔を見せてきた。
「中学生でファッションモデルとして芸能界デビューしたころは、その道で成功したいと思っていたし、一年後に映画に出演したときは俳優として生きていこうと考えた。都度目標を掲げるけれど、いつも予想外の方向に進路が変わっていく。だから今は、目標通りに進むことにこだわらず、いただいたチャンスに全力で取り組むようにしています」
トークの仕事の面白さを知ったのは、20代前半でのドラマ出演時。ドラマの宣伝のために出演したバラエティ番組で、自分がイキイキとしていることに気付いたという。
「昔からクラスメイトを笑わせるのが好きで、話す仕事は自分の本質に一番合っているのかなと。だから、番宣出演後にバラエティや司会のオファーが増えたとき、断る理由はありませんでした」
本格的にバラエティの道に進む覚悟を持った後は、挫折も多く味わった。自分が口を挟むことで、盛り上がった場の空気が悪くなることを恐れ、収録中一言も話せなかったことも。楽屋で一人反省会をしながら「泣いた日もありましたね」と振り返る。
「しゃべらないで終わったら、収穫はゼロ。たとえ面白くなくても発言することで、その内容が良くなかったとか、タイミングを間違えたとか、成長につなげるための分析ができます。ホームランを打とうと考えるよりも、まずはバットを振らなきゃ当たらない。見逃し三振は絶対にダメだと痛感し、まずはがむしゃらに自分を出してみようと決めたら、しゃべることも怖くなくなっていったんです」
同時に、挫折することの大切さにも気付かされた。
「俳優の仕事でもたくさん挫折を味わいました。成果が出ないときは当然辛いのですが、乗り越えたら成長できるし、次のステージも見えてくる。そのためのチャンスをいただいたと考えるようになりました」
2021年春からは週に5日、朝の3時間、ラジオ番組のパーソナリティを務めている。扱うのは社会情勢からリスナーの悩み相談まで、硬軟織り交ぜた幅広い内容だ。新たな挑戦で不安だからこそ、放送終了後は毎回、録音した番組を聞いて反省点を振り返り、翌日の準備にも十分な時間をかける。
「チャンスは全ての人に毎日訪れていると、僕は思っているんです。それに気付けるかどうかは自分次第。日々のラジオにも、チャンスが眠っているはずですから、全力で挑んでいます」