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  • シゴトの哲学
  • 2022.03.01

[Vol.23] 宇賀なつみさん(フリーアナウンサー)

私にとって一番大事なのは自由であること

写真:宇賀なつみさん

テレビの情報番組やラジオ、エッセイなど、"伝え手"として活躍の幅を広げる宇賀なつみさん。幼いころから人に情報を伝えることが好きで、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。入社当日に「報道ステーション」の気象キャスターに抜てきされ、注目を集めた。

「当時、帯番組に新人が出演するのは稀なケースでした。いろいろな声もあったため、少しでも早く実力を付けたかったんです。まずは噛まないようにする。次は、自分なりの言葉で伝える工夫をしたり、自ら原稿を書いたりするなど、ステップを設定し超えていくことで、少しずつ認められるようになりました」

その後、スポーツキャスターや朝の情報番組も担当した。それぞれの立場で求められるスキルを得るために、できることを毎日積み重ねていった。

「スポーツキャスターになったとき、知識の薄さから自信を持って現場に立てませんでした。それを克服するために毎日スポーツ新聞6紙を読み込み、知らない言葉には赤線を引く。現場では自ら教えを乞うといったことを徹底していたら、少しずついい質問ができるようになりました。壁にぶつかっても解決の糸口は必ずある。それを探し出すようにしています」

そして、「自分らしい生き方を大切にしたい」と10年間勤めたテレビ朝日を辞め、個人で会社を設立した。

「経理もスケジュール管理も一人で行っていますが、事務作業が好きなので大変だとは思いません。フリーランスになって、毎日がとても楽しいですね。私にとって一番大事なのは、自由であることなんです。休日も、働く時間も、どんな仕事をするのかも全て自分で決めて、不自由なことを一つずつ取り除くようにしていたら、好きなことしか残らないようになりました」

なぜ「自由」でいられるのか。それは小学生のころから日記を書き続けるなど、常に自分と向き合い、自身をよく知っているからだという。

「嫌いなことや嫌なことがあったときは、自分は何が嫌なのかを分析し、解決してきました。だから今も大切なことや得意不得意は明確に見えています。一つのことを追求する人に憧れたときもありましたが、自分は多くのことを広く浅く経験する方が合っているし、幅広い知識を得れば伝え手としての強みになると、自分と向き合う中で気付きました」

あえて目標や夢は持たず、目の前のことに一生懸命取り組むというのが宇賀さん流だ。

「仕事をする上で、常に"伝え手でありたい"という軸はありますが、目標や夢を掲げていると、それにとらわれてしまう。先のことは誰にも分からないなら、今やりたいことを全力でやる。そうすれば、なりたい自分に近づけると信じています」

宇賀 なつみ(うが なつみ)
1986年、東京都生まれ。2009年立教大学社会学部を卒業し、テレビ朝日入社。「報道ステーション」気象キャスター、同番組スポーツキャスター、「グッド!モーニング」「羽鳥慎一モーニングショー」など、情報・バラエティ番組を幅広く担当。19年に同局を退社しフリーランスとなる。テレビ朝日「池上彰のニュースそうだったのか!!」などに出演中。「わたしには旅をさせよ」(朝日新聞デジタルマガジン&Travel)の連載や、自身のルームウエアブランド「sana me」のプロデュースなど幅広く活躍。

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