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トップ > シゴトの哲学 [Vol.7] 俳優 矢本 悠馬さん

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  • シゴトの哲学
  • 2017.09.01

[Vol.7] 矢本 悠馬さん(俳優)

本気で芝居にぶつかっていったら、自分はもっとやれるって思うようになったんです

写真:矢本悠馬さん

役によって多彩な演技力を発揮する、注目の若手俳優。NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では、熱血漢の井伊家家臣・中野直之を瑞々(みずみず)しく演じ、ベテランに引けを取らない存在感を放っている。

初めて演技をしたのは、9歳の時。遊園地に行くといって、親に連れて行かれたのが映画『ぼくんち』のオーディション会場だった。嫌々受けたものの、見事合格し、期せずして映画デビューを果たす。しかし、親への反抗心からすぐに演じることを辞めるも、演技の専門学校に進学。その後、学校の卒業条件として仕方なく受けた「大人計画」のオーディションに合格し、またしても役者の道に引き戻されることになる。

「実は、2年くらい前まで、役者を辞めようかと悩んでいました。この道は自分で選んだ道ではないような気がしていて。でも、続けているうちに、周りの人たちに褒められるようになって、役者に向いているのかなって勘違いし始めちゃったんです(笑)」

転機となった作品が、2016年公開の映画『ちはやふる』。競技かるた部のメンバーとして主人公を支えるという大きな役を初めて経験したことで、芝居にきちんと向き合おうと思うようになったという。

「この作品に出合って、一度本気で芝居にぶつかってみよう、そうしなければ、これから自分は何に対しても本気になれないんじゃないか、と考えるようになりました。そういう気持ちで演じ続けているうちに、自分はもっとやれると思うようになって、芝居に挑戦する楽しさを感じ始めたんです」

役作りは、「もっと面白くするために、自分をどう料理し、役に個性を持たせていくか」を考えることから始めるという。最新作の映画『トリガール!』でも、鳥人間コンテストに挑戦するサークルをまとめる設計責任者というキャラクターを、独自の目線で昇華させ強烈なインパクトを与えた。

「自分の武器は、21歳から本格的に役者をスタートしたことだと思っています。もちろん子役から続けていれば、さまざまなことを吸収できたはずですが、その代わりに部活とか、恋愛とか、勉強とか、青春を思いっきり謳歌しました。学生時代に個性豊かな人たちとたくさん出会えたことは、演技の引き出しとして、自分の中に蓄積されていると思います。役に個性を持たせたくなるのも、その影響からかもしれません」

目指しているのは、"このままの自分"で売れること。

「年齢とは裏腹に幼く見られるし、小柄だし、イケメンでもない(笑)。こんな僕が役者として認められたら、自分には何もないと思っている人にも、夢を与えられるのかなと。僕を見て、一つでも熱中できることがあればいいんだって感じてもらえたら素敵ですよね」

矢本 悠馬(やもと ゆうま)
1990年、京都府生まれ。2003年デビュー、15年のドラマ『ブスと野獣』では初めて主演を務める。現在、大河ドラマ『おんな城主 直虎』、映画『君の膵臓をたべたい』、『トリガール!』に出演中。『ポンチョに夜明けの風はらませて』が10月公開予定。

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