カテゴリーを選択
トップ > フォトなび [46] 秋の色彩を美しく撮る
しっとりと落ち着いた秋の雰囲気を感じさせる写真を撮影するには、赤や黄、オレンジなど、秋ならではの色彩に意識を向けるのがポイントです。さらに、色彩がより引き立つアングルを探して撮影すると、ぐっと印象に残る一枚になります。
1枚目の写真は、鮮やかな赤色の彼岸花が群生する田んぼで撮影したものです。遠くから全体を写しても美しいのですが、望遠レンズを使用して花に近づくと、ふんわりとした赤い前ボケをつくることができ、夢の中にいるような、ひと味違った世界観を表現できます。
また、"子どもの目線"や"犬の目線"などといわれるように、アングルを低くすると見え方も変わってきます。1枚目の写真ではアングルを思いっ切り低くして、茎の間から向こうに咲く彼岸花を捉えました。奥に見える花にピントを合わせているため、奥行き感も演出できます。さらに茎の縦のラインを意識した構図にすることで、花の愛らしさだけではなく凛とした雰囲気も表現しました。バリアングル液晶モニターが搭載されている「EOS Kiss M2」なら、ローアングルでの撮影も簡単に行えます。
▲ あえて奥の花を主役にし、茎越しに撮影すると、茎の間から向こう側をのぞいているようなワクワク感も表現できる。
晴れた日の午前中に撮影したが、前日に降った雨のしずくや朝露が付いてキラリと輝き、より印象的に
秋を感じさせる被写体の一つとして、紅葉を思い浮かべる人も多いでしょう。紅葉もまた、ただ視界に入った木々を撮るのではなく、体を動かしてさまざまなアングルから撮影し、色彩がより印象的に感じられる場所を探してみましょう。
2枚目の写真は、お寺の御堂から紅葉を撮影したものです。葉の色付きがまだ十分ではなかったため、よい撮影場所を探したところ、御堂の黒い床に写り込む紅葉がとても美しかったので、外の紅葉と写り込みが一緒に入るように撮影しました。通常の撮影ではホワイトバランスを「太陽光モード」に設定するのがお薦めですが、紅葉の色味が少し物足りないと感じたときは「くもりモード」に設定すると、赤やオレンジが強調された色彩に仕上がります。
自宅で秋色の写真を撮影したいなら、テーブルフォトがお薦めです。花や食器、その下に敷くペーパーなどの小物の色を秋らしいトーンで統一すると、まとまりのある印象に。また、真上から撮影すると周囲の状況は入らないため、写したくないものなどを気にせずに、省スペースで撮影できます。