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トップ > フォトなび [49] 月のある風景を撮影する

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  • 2022.09.01

[49] 月のある風景を撮影するEOS学園講師:中西アキオさん

天気が安定する秋から冬にかけては空気の透明度が高く、月が一段と輝いて見えます。この時期は月を撮影する絶好のタイミング。夜空に浮かぶ月のある風景(月景)を、カメラで捉えてみてはいかがでしょうか。

月景を撮影する際に、まず気を付けたいのが撮影する時間帯です。周囲が真っ暗では地上の風景がほとんど写らないため、太陽の残光が空に残る日没から1時間以内に撮影しましょう。"マジックアワー"といわれる日没後は地上付近に三日月や満月が現れるので、風景と一緒に撮影するのに最適です。さらに三日月より満月の方が光が強く、露出をあまり意識しなくても昼間と同じように撮影できるのでお薦めです。

  • 写真:サンシャイン60からの月 ▲ サンシャイン60は講師のお気に入りスポット。写真が傾いているとどうしても違和感を与えてしまうため、カメラや被写体が水平・垂直になるように心掛けて撮影しよう
  • 写真:東北東方向から昇る月と薬師寺 ▲ 東北東方向から昇る月と薬師寺を捉えた1枚。薄曇りの日の撮影だったため月の手前に薄雲が残り、この状態がかえって月の存在を際立たせる幻想的な写真になった

また、見晴らしが良い場所を選ぶのも、月景を撮影するときに必要な条件です。1枚目の写真は、サンシャイン60の展望台から撮影した一枚です。展望台は月景を撮影できる代表的なスポット。ガラス窓にぴったりとレンズを付けて撮影すればガラス窓の反射が写り込まず、空撮をしたかのような印象的な月景を撮影することができます。

周囲を探してみると、高い所でなくても見晴らしの良い場所があります。2枚目の作品は、薬師寺に面している池越しに満月が昇る様子を捉えたもので、この場所は有名な撮影スポットです。ただし、薬師寺の近くに満月が昇るのは秋から冬に限られるため、事前に下調べをしておかないと、思うような写真が撮れません。昇る時間や方角は、季節や月の満ち欠けの状態(月齢)、場所などによって変化します。撮影地点に月が昇る時間や方角を手軽に調べたいときは、天文シミュレーションソフトを利用すると良いでしょう。こうしたツールを活用しつつ、日頃から視界の良い場所を探しておくと美しい月景を撮影できる機会が増えます。ぜひ意識してみてください。

※ 天文シミュレーションソフト:デバイス上に再現されるプラネタリウム

スポット測光を活用して月そのものを鮮明に撮影する

写真:スポット測光で月を撮影したもの スポット測光で月だけに測光することで、適正露出に補正された

「EOS Kiss M2」の測光モードを「スポット測光」に設定すると、レンズキットの望遠ズームレンズでも月の表面のクレーターまで鮮明に写せます。また、月だけを撮るなら周囲の景色を気にする必要がなく、自宅でも撮影できます。2022年は11月8日に皆既月食がありますので、それまでに身近な場所で練習して、皆既月食の撮影に挑んでみてください。

「楽しいフォトライフのためのEOS学園」
EOS学園は、多くの方に写真の楽しさを知ってもらい、表現の可能性を広げるための写真教室です。講師は第一線で活躍するプロの写真家。入門コースから上級者向けコースまで、撮影スキルに応じた多彩な講座をご用意しています。受講は、東京校、名古屋校、大阪校の教室、またはオンラインで。最新の開講情報はホームページをご覧ください。(※一部講座を除く)

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