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  • 2017.03.01

[29] ズームレンズを使いこなすEOS学園講師:合地清晃さん

ズームレンズといえば、広角側から望遠側まで焦点距離を変えられるため、1本で幅広い表現ができる便利なレンズです。ただし、広角側は広い空間を写真に収めたい時だけ、望遠側は遠くにある被写体を大きく写したい時だけに使うのでは、少々もったいない! 実はズームレンズには、それ以外にもさまざまな使い方があります。

次の写真2枚を見てみましょう。風景、被写体の立ち位置は同じですが、被写体からのカメラの距離を変え、「広角」の写真は広角側で、「望遠」の写真は望遠側で撮ったもの。同じ場所で撮影しても、背景の切り取られ方が大きく変わることが分かります。

  • 広角 ▲ 焦点距離18mmで撮影。広い範囲の風景と人物がどちらもくっきりと写った
  • 望遠 ▲ 焦点距離150mmで撮影。背景の一部が切り取られ、人物との距離が縮まって写る

それぞれの特性を生かして撮影したのが、下のお手本写真です。広角側を用いた「記念撮影には」の写真では、空間が広々と入って人物と風景が鮮明に写り、周囲の情景が伝わります。つまり広角側は、記念写真や記録写真のような撮影に最適。このとき人物が小さくなり過ぎないよう被写体に近づいて撮ると、バランスの良い構図になります。

一方、望遠側で撮影した「人物を印象的に」の写真は、背景が程よくボケて人物がくっきりと浮かび上がり、雰囲気のある1枚に。背景の印象的な部分だけをズームアップして切り取ったり、ごちゃごちゃとした背景をすっきりと整理したりしたいときにおすすめ。その際、主題となる被写体から距離を取り、理想的な背景になるよう、焦点距離を微調整しながら画角を決めるのがポイントです。

ズームレンズの特性を知ると、撮影の楽しさもアップ。シーンごとに焦点距離を使い分け、「撮れる写真のバリエーション」を増やしましょう。

  • 記念撮影には ▲ 背景と人物をバランス良く入れるため、広角側(焦点距離18mm)で撮影。
    周囲の状況までよく分かる、記念写真のような1枚に
  • 人物を印象的に ▲ 人物が印象的に写るよう、望遠側(焦点距離150mm)で撮影。
    人物から距離を取ってシャッターを切り、背景のボケを生かした

取材協力:よみうりランド

「楽しいフォトライフのためのEOS学園」
EOS学園は、多くの方に写真の楽しさを知ってもらい、表現の可能性を広げるための写真教室です。プロの写真家を講師に招き、講義と実習による講座を東京校、名古屋校、大阪校で開催。基礎コースから上級者向けコースまで、レベルに合わせて多彩な講座が選べます。レンズ・ストロボの使い方などの「テーマ別講座」も同校で開講中。また、eラーニングシステムを利用した写真教室「EOS学園オンライン」も開講しています。
詳細はホームページまで。(※一部講座を除く)

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