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トップ > フォトなび [29] ズームレンズを使いこなす
ズームレンズといえば、広角側から望遠側まで焦点距離を変えられるため、1本で幅広い表現ができる便利なレンズです。ただし、広角側は広い空間を写真に収めたい時だけ、望遠側は遠くにある被写体を大きく写したい時だけに使うのでは、少々もったいない! 実はズームレンズには、それ以外にもさまざまな使い方があります。
次の写真2枚を見てみましょう。風景、被写体の立ち位置は同じですが、被写体からのカメラの距離を変え、「広角」の写真は広角側で、「望遠」の写真は望遠側で撮ったもの。同じ場所で撮影しても、背景の切り取られ方が大きく変わることが分かります。
それぞれの特性を生かして撮影したのが、下のお手本写真です。広角側を用いた「記念撮影には」の写真では、空間が広々と入って人物と風景が鮮明に写り、周囲の情景が伝わります。つまり広角側は、記念写真や記録写真のような撮影に最適。このとき人物が小さくなり過ぎないよう被写体に近づいて撮ると、バランスの良い構図になります。
一方、望遠側で撮影した「人物を印象的に」の写真は、背景が程よくボケて人物がくっきりと浮かび上がり、雰囲気のある1枚に。背景の印象的な部分だけをズームアップして切り取ったり、ごちゃごちゃとした背景をすっきりと整理したりしたいときにおすすめ。その際、主題となる被写体から距離を取り、理想的な背景になるよう、焦点距離を微調整しながら画角を決めるのがポイントです。
ズームレンズの特性を知ると、撮影の楽しさもアップ。シーンごとに焦点距離を使い分け、「撮れる写真のバリエーション」を増やしましょう。
取材協力:よみうりランド