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トップ > フォトなび [33] 場面に合わせて絞りを変える

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  • 2018.03.01

[33] 場面に合わせて絞りを変えるEOS学園講師:川合麻紀さん

最近はスマートフォン自体で、撮影した写真に「ボケ」の効果を適用できるようになっています。うまく使うとそれらしい写真に仕上がりますが、やはりカメラで撮影する"本物のボケ"にはかないません。

次の2枚の写真は、同じ被写体を絞り(F値)を変えて撮影したものです。1枚目の写真はF値を大きめに設定し、全体にピントが合うようにしました。これは、背景までしっかり見せたい状況(観光地での記念撮影など)での撮影に適しています。一方、2枚目の背景がボケている写真はピントの合った部分に視線を誘導することができます。こうすることで「私が見せたいものはこれ」と明確に伝えることもできます。

  • 写真:絞りの数値は「F16」 ▲ 「EF-M22mm F2 STM」のレンズを使用し、絞り優先モードで撮影。絞りの数値は「F16」。同じ大きさの白鳥2体を距離を離して撮影した
  • 写真:絞りの数値は「F2」 ▲ 1枚目の写真と同じレンズで同じ位置から撮影。絞りの数値は「F2」。後方の白鳥をボカすことで手前の白鳥とビオラが鮮やかになり、見せたい部分がはっきりした

では、ボケを表現するにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは三つのポイントを紹介します。一つは、前述した通り「F値をできるだけ小さく設定する」ことです。設定できる最小のF値はレンズによって異なりますので、小さな値を設定できるもの(=明るいレンズ)を選ぶのがお勧めです。「EOS M」シリーズには「F2」まで設定できるレンズ「EF-M22mm F2 STM」があります。カメラを「Av(絞り優先)」モードにして、F値を小さく設定しましょう。

これ以外の方法でボケのある写真を撮影するコツとして、「レンズは広角より望遠側を使う」「被写体とカメラの距離は短く、被写体と背景の距離は長く」というポイントが挙げられます。例えば標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3IS STM」。焦点距離を望遠側の45mm、F値を最も小さなF6.3に設定し、奥行きのある場所で被写体をできるだけ近くに置いて撮影すると、背景をボカすことができます。F値または被写体と背景の距離を変えると、ボケの程度をコントロールすることも可能です。

余分な所を隠したり
画面に色を添えられる

写真:前ボケを利用した写真 前ボケを利用して画面にない色を添えると、より華やかな写真に

メインの被写体の手前に別の被写体を配置して前景をボカす方法もあります。色のある前景をボカしてフレームのように使ったり、写したくないものを隠したりと、さまざまな利用法があります。ボケを活用する場合でも、メインの被写体にピントをしっかりと合わせることを忘れずに。

「楽しいフォトライフのためのEOS学園」
EOS学園は、多くの方に写真の楽しさを知ってもらい、表現の可能性を広げるための写真教室です。プロの写真家を講師に招き、講義と実習による講座を東京校、名古屋校、大阪校で開催。基礎コースから上級者向けコースまで、レベルに合わせて多彩な講座が選べます。「EOS Mシリーズ 使い方講座」なども同校で開講中。また、eラーニングシステムを利用した写真教室「EOS学園オンライン」も開講しています。
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