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トップ > フォトなび [33] 場面に合わせて絞りを変える
最近はスマートフォン自体で、撮影した写真に「ボケ」の効果を適用できるようになっています。うまく使うとそれらしい写真に仕上がりますが、やはりカメラで撮影する"本物のボケ"にはかないません。
次の2枚の写真は、同じ被写体を絞り(F値)を変えて撮影したものです。1枚目の写真はF値を大きめに設定し、全体にピントが合うようにしました。これは、背景までしっかり見せたい状況(観光地での記念撮影など)での撮影に適しています。一方、2枚目の背景がボケている写真はピントの合った部分に視線を誘導することができます。こうすることで「私が見せたいものはこれ」と明確に伝えることもできます。
では、ボケを表現するにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは三つのポイントを紹介します。一つは、前述した通り「F値をできるだけ小さく設定する」ことです。設定できる最小のF値はレンズによって異なりますので、小さな値を設定できるもの(=明るいレンズ)を選ぶのがお勧めです。「EOS M」シリーズには「F2」まで設定できるレンズ「EF-M22mm F2 STM」があります。カメラを「Av(絞り優先)」モードにして、F値を小さく設定しましょう。
これ以外の方法でボケのある写真を撮影するコツとして、「レンズは広角より望遠側を使う」「被写体とカメラの距離は短く、被写体と背景の距離は長く」というポイントが挙げられます。例えば標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3IS STM」。焦点距離を望遠側の45mm、F値を最も小さなF6.3に設定し、奥行きのある場所で被写体をできるだけ近くに置いて撮影すると、背景をボカすことができます。F値または被写体と背景の距離を変えると、ボケの程度をコントロールすることも可能です。
メインの被写体の手前に別の被写体を配置して前景をボカす方法もあります。色のある前景をボカしてフレームのように使ったり、写したくないものを隠したりと、さまざまな利用法があります。ボケを活用する場合でも、メインの被写体にピントをしっかりと合わせることを忘れずに。