カテゴリーを選択

トップ > フォトなび [37] 「フルサイズ」と「APS-C」の違いを知る

  • Twitter
  • Facebook
  • フォトなび
  • 2019.03.01

[37] 「フルサイズ」と「APS-C」の違いを知るEOS学園講師:椎﨑義之さん

デジタルカメラには、レンズを通って入ってきた光や画像情報をデジタル信号に変換する「イメージセンサー」があります。これにはさまざまな規格があり、一般的なサイズでは最も大きな「フルサイズ」と、その40%ほどの大きさの「APS-Cサイズ」などがあります。キヤノンのミラーレスカメラでは、「EOS R」にはフルサイズ、「EOS Kiss M」にはAPS-Cサイズが搭載されています。

センサーサイズの違いは、大きく分けて三つ。一つ目は、画質です。センサーが大きいほど多くの光や画像情報を取り込めるので、より色の微妙な階調などを表現することができ、ノイズやざらつきの少ない滑らかな表現ができます。二つ目が、写る範囲の違いです。レンズの焦点距離を100mmに設定して撮影したビル群の風景写真を見比べると、フルサイズよりAPS-Cサイズの方が写る範囲が狭く、より望遠で撮ったような写真に。キヤノンのデジタルカメラでは約1.6倍望遠になります。空高く飛ぶ鳥や遠くの飛行機などを撮るなら、高価で大型の超望遠レンズを使わずに済むAPS-Cサイズが初心者の方には向いているでしょう。

  • フルサイズモデル「EOS R」 ▲ フルサイズモデル「EOS R」で、レンズの焦点距離を100mmに設定して撮影。広々とした範囲を切り取っている
  • APS-Cサイズモデル ▲ APS-Cサイズモデル「EOS Kiss M」で、レンズの焦点距離を100mmに設定して撮影。APS-Cサイズの方が、フルサイズより狭い範囲を写すことが分かる

三つ目の違いが、ボケ感です。コーヒーカップを撮影した作品では、ほぼ同様の画角で切り取るため、フルサイズモデルでは焦点距離を160mm、APS-Cサイズモデルでは焦点距離を100mmに設定。レンズが望遠側であるほど背景が大きくボケるという特性があるため、結果、フルサイズの方がAPS-Cサイズより背景が大きくボケて情感豊かな写真に仕上がりました。

被写体に合わせ、イメージセンサーを選択することもカメラ選びのコツです。

  • フルサイズモデル ▲ フルサイズモデルでレンズの焦点距離を160mmに設定して撮影。背景が大きくボケた
  • APS-Cモデル ▲ APS-Cモデルでレンズの焦点距離を100mmに設定して撮影。同じ絞り値でもピントは広範囲に合う

一眼レフとミラーレスの違いって?

写真:一眼とミラーレスの違い

一眼レフはレンズが捉えた景色を内蔵の鏡に反射させ、光学ファインダーを通して見ます。一方ミラーレスには鏡がなく、レンズから入った画像情報を映像に変換し、液晶モニターなどに投影。軽量でコンパクトなモデルが多いです。

「楽しいフォトライフのためのEOS学園」
EOS学園は、多くの方に写真の楽しさを知ってもらい、表現の可能性を広げるための写真教室です。プロの写真家を講師に招き、講義と実習による講座を東京校、名古屋校、大阪校で開催。基礎コースから上級者向けコースまで、レベルに合わせて多彩な講座が選べます。風景、マクロ表現などのジャンル別講座も同校で開講中。また、いつでもどこでも気軽に受講できる写真教室「EOS学園オンライン」も開講しています。
詳細はホームページまで。(※一部講座を除く)

C-magazine サイト トップページに戻る

PDFで閲覧する場合は、デジタルアーカイブスへ

このページのトップへ