カテゴリーを選択
トップ > フォトなび [38] 被写体の大きさと位置を変えて構図を試す
写真の中に調和をつくり出す画面構成のための方法論を「構図」といいます。構図には「日の丸」「三分割」など、さまざまな種類があります。構図の説明をするとき、このようなひな型を基に解説している例もありますが、実際には、その通りのシーンがいつも身近にあるわけではありません。せっかく撮りたいと思っても、構図を気にし過ぎてしまうと、なかなかシャッターを切れないこともあります。
ここで大切なのは、「被写体をどう表現したいか」を意識すること。被写体より構図を優先してしまうと、意図が伝わらない作品になりがちです。まずは「何を」「どのくらいの大きさで」「どこに」置くのか。これが構図を理解する第一歩です。
一般的には、画面の中心に被写体を配置する「日の丸」構図は、平凡な写真になるといわれています。しかし、それは無意識に被写体を真ん中に置いて撮影した場合のこと。例えば太陽の光を浴びて咲き誇る一輪の花に出合ったとき、その堂々とした様子を表現したいと思うなら、真ん中に大きく配置するのが効果的です。
▲ハスの花を画面の中心から外し、周囲の葉をぼかして撮影することで、
小さくても存在感のある写真に。美しさの中にもはかなさが感じられ、まるで絵画のように
これに対して、雰囲気のある写真を撮りたいなら、真ん中より少しずらして小さく撮ってみましょう。1枚目のお手本の写真のように、ハスの周りの緑の空間を生かして撮影すると、この花のかれんさが際立ち、印象的な作品に仕上がります。
では、被写体をどのくらいの大きさにすればよいのでしょうか。いくら小さく撮りたくても、引き過ぎると背景に余計なものが写っていることも。被写体と周囲の空間とのバランスを見ながら撮影場所を探してみましょう。「EOS Kiss M」なら、被写体を置く位置は、グリッド表示で画面を9分割して線が交わる場所を目安にするのもよいでしょう。
このように、いろいろ試してみると構図を理解しやすくなります。仕上がりにバリエーションが出てくると、"記録"から"作品"へと表現が広がります。
「EOS Kiss M」のバリアングル液晶モニターを活用すると、地面に近い位置から空まで見上げたローアングルな撮影も可能です。動植物の撮影や被写体を大きく見せたいシーンに効果が生まれ、構図のバリエーションも多彩になります。