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トップ > 大人のたしなみ [Vol.14] 自転車を楽しもう

社会人たるもの、たしなみがあってこそデキる大人と感じさせる。ビジネスシーンでも、さまざまな分野の豆知識があればコミュニケーションが深まり、より良い結果につながることもあるだろう。第14回は、自転車の魅力について、ライディングスクールを主宰する堂城 賢さんに話を聞いた。

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  • 大人のたしなみ
  • 2022.09.01

[Vol.14] 自転車を楽しもう

通勤通学の移動手段として利用したり、競技としてスピードや距離を追求したりするなど、さまざまな使い方ができる自転車ですが、体を動かしたい人や、運動不足を感じている人にもお薦めです。人間は年齢を重ねると膝関節や股関節を曲げにくくなりますが、自転車は膝と股の関節を深く曲げて何度も大きく動かさなくてはならないため、自然と関節の可動域が広がり、筋肉も鍛えられます。また、自転車に乗って風を感じたり、美しい景色を目にしたりすると、リフレッシュすることもできます。健康な体づくりに役立ち、メンタルにも好影響を及ぼす自転車は、生涯楽しめる趣味になるともいえるのです。

最も自転車の醍醐味(だいごみ)を感じられ、長く続けるためのポイントは、正しい乗り方をマスターし、楽しみながらのびのびと走ることです。ここでは、そのための自転車選びや楽しみ方を紹介します。

まずは、目的に応じて自転車を選ぶようにしましょう。例えば、長距離のサイクリングや自転車旅行には、ロードバイクやクロスバイクが適しています。一方、険しい山道など未舗装の道路を走るには、マウンテンバイクが適しています。これらの自転車は「スポーツバイク」と呼ばれていますが、中でも初心者にお薦めしたいのは、乗りやすさを重視したクロスバイクです。自転車を始める際の1台目としては、軽いタッチでしっかりブレーキをかけられて、ここ数年主流になりつつあるディスクブレーキを搭載しているタイプや、強度が高いアルミフレームのものを選べば、安全性と快適性を得られます。

行動範囲を広げてくれるスポーツバイクの種類

  • 写真:ロードバイク

    ロードバイク

    世界的なロードレースなどにも使用されるロードバイク。最大の特徴はドロップハンドルで、長距離走行に適している。15~30万円程度
  • 写真:クロスバイク

    クロスバイク

    ロードバイクよりも乗りやすいフラットバーハンドルのため、スポーツバイク初心者でもスムーズかつ快適に走行できる。7~15万円程度
  • 写真:マウンテンバイク

    マウンテンバイク

    タイヤが太く山道や岩場などオフロードも軽快に走れる。ペダルを回すスキルが必要で、操作感を味わえる。15~30万円程度
  • 写真:E-BIKE

    E-BIKE

    スポーツバイクに電動アシスト機能をプラス。坂道や長距離も電動アシストなら楽しくラクに走れる。40~50万円程度
  • 写真:丘を巡り絶景に出合えるサイクリング天国

    丘を巡り絶景に出合えるサイクリング天国

    国内にはモデルルート以外にも自転車旅行に適した場所が数多くある。その代表格、北海道・美瑛町では美しい田園風景の中、波状丘陵(はじょうきゅうりょう)のアップダウンを心地よく走行できる。美瑛町観光協会のホームページで「びえいロードマップ」のダウンロードが可能。
  • お役立ちアイテムで自転車ライフが快適に

    画像:お役立ちアイテムで自転車ライフが快適に ケータイマグ・工具・シューズ

自転車を選ぶ際に最も重要なのは、試乗してみることです。試乗可能なショップやイベントも増えていますので、インターネットなどで調べて足を運んでみましょう。実際に乗ってブレーキや変速機の操作性を試したり、乗り心地を体験したりすれば、納得できる自転車と出合えるはずです。

そして、お気に入りの1台を手に入れたら、自転車でのんびり散歩するように走る「ポタリング」に出掛けてみましょう。美術館巡りをしたり、少し遠くのカフェに行ってみたり……。カメラを持ってフォトスポットを探しながら走ってみるのも良いでしょう。

自転車アクティビティの中でも特にお薦めなのは、非日常を体感できる自転車旅行です。現在は、サイクリング環境が整備されたモデルルート(国土交通省選定)が全国に設定され、インターネットで情報収集できます。その中からコースを選び、周辺の地元グルメや温泉などの立ち寄りスポット、宿などをプランニングすると楽しさが倍増します。近年は、自治体のレンタサイクルが充実しています。また、自転車の配送業者もあるので、手ぶらでの自転車旅行も可能です。もしパンクした場合には自転車を搬送するロードサービス付きの自転車保険もあり、加入しておけばトラブル時も安心です。こうした便利なサービスを上手に活用して、気軽に自転車旅行に出掛けてみてください。

  • 写真:海峡を横断する天空の回廊

    海峡を横断する天空の回廊

    モデルルートの中から日本を代表するナショナルサイクルルートとして選定されている「しまなみ海道」(広島県・愛媛県)。橋の上では、海の上を走っているような爽快感あふれるライドを体感できる。レンタサイクルターミナルや休憩スポットも豊富なサイクリストの聖地。
  • 写真:サイクリストにやさしい宿

    サイクリストにやさしい宿

    初心者でも走りやすい平坦なコースが人気の「つくば霞ヶ浦りんりんロード」(茨城県)。ナショナルサイクルルート選定を機に、「サイクリストにやさしい宿」の認定制度を設定。ルートの周辺には、自転車を敷地内や客室に保管できるなどの認定条件をクリアした宿が充実。
  • 写真:正しい着用で視野を広げる

    正しい着用で視野を広げる

    額のでっぱっている部分を触って目を動かしてみると、動かしやすいことに気付くだろう。ヘルメットを被る際に深く被ってしまったり、浅く被ってしまったりする場合があるかもしれないが、ヘルメットのパッド部分を額のでっぱり部分に当てて被ると視野が広がり、安全に走れるようになる。
  • 写真:購入前にさまざまな自転車を試乗

    購入前にさまざまな自転車を試乗

    ヨーロッパで高く評価されているスポーツサイクルブランド、MERIDA(メリダ)のサイクリング施設「MERIDA X BASE」。静岡県伊豆の国市にあるこの施設では、国内取扱車種の全てを最高のロケーションで体験できる。自分にぴったりの1台が見つかるはず。
堂城 賢(たかぎ まさる) さん
自転車ティーチング・プロ。高校から本格的に自転車を始め、北海道一周旅行を経験。その後マウンテンバイクの楽しさに目覚め、日本におけるマウンテンバイクレースのプロライダーとして18年間活躍。現在は長野県安曇野市で多くの生徒が受講するライディングスクール「やまめの学校」を主宰。著書に『自転車の教科書─身体の使い方編─』(小学館)など

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