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トップ > 大人のたしなみ [Vol.5] グランピングを楽しもう

社会人たるもの、たしなみがあってこそデキる大人と感じさせる。ビジネスシーンでも、さまざまな分野の豆知識があればコミュニケーションが深まり、より良い結果につながることもあるだろう。第5回は、グランピングの魅力について、専門サイトを運営している和田亜希子さんに話を聞いた。

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  • 大人のたしなみ
  • 2019.09.01

[Vol.5] グランピングを楽しもう

「手軽にアウトドアを体験したい」「いつもとは一味違うバケーションを」――そんな人たちの間で今大きな注目を集めているのが「グランピング」です。「グラマラス」と「キャンピング」を組み合わせた造語で、ヨーロッパ貴族が豪華な天幕や家具を持ち込んで行ったサファリ狩猟ツアーが起源ともいわれています。ぜいたくなアウトドアの楽しみ方として欧米でブームとなった後、日本では2015年ごろから施設が誕生し始めました。都心から出掛けやすい場所にある施設も多く、乗馬やカヌーが楽しめる大規模施設から、数組限定の隠れ家的な施設までタイプはさまざま。料金は食事込みで1人1万5千円以上のところが多く、温泉旅館やリゾートホテル並みですが、キャンプとはどんな違いがあるのでしょうか。

まず、宿泊する居住空間はコテージやコンテナハウスなどもあり、大型コットンテントに限りません。おしゃれな木製シェルフ、チェアなども用意され、ミニ冷蔵庫や空調などの家電製品が完備されているところも多く、ホテルのような充実設備でアウトドアとは思えない快適な環境です。

さらに食事も楽しみの一つ。食材の準備は不要で、スタッフが用意してくれた屋外のテーブル席に座れば、すぐに地元のこだわり食材を使用したBBQや、専属シェフによるディナーコースが堪能できる施設もあります。また、大型施設では、さまざまなアクティビティも企画されています。例えば親子での薫製作りや、火打ち石を使ったたき火も楽しめるブッシュクラフト体験など、幅広い年代が楽しめる工夫を凝らしています。

  • 写真:大型テント内はまるで高級ホテル

    大型テント内はまるで高級ホテル

    長崎県五島列島・福江島の「Nordisk Village Goto Islands」に立ち並ぶのは、北欧アウトドアブランド、ノルディスクの大型コットンテント。保温性と透湿性に優れたコットン素材のため、夏も冬も快適。ゲルのような形をしたテント内は天井も高く、冷蔵庫や暖房も完備されている。
  • 写真:森の中で頂くジビエ料理

    森の中で頂くジビエ料理

    日本初のグランピングリゾート「星のや富士」(山梨県)では、地元ベテラン猟師から狩猟肉について学び、解体なども体験できる狩猟体験ツアーが人気(2019年は10月4日〜12月20日の毎週金曜日に開催)。夜は森の中に作られた屋外ダイニングで、鹿肉や猪肉を使った四季折々の狩猟肉ディナーを頂くことができる。
  • 写真:オールインクルーシブで遊び尽くす

    オールインクルーシブで遊び尽くす

    滋賀県米原市の大型グランピング施設「GLAMP ELEMENT(グランエレメント)」は、中央の大きな池を囲むようにテントやウッドキャビンが並び、全ての部屋が専用カヌー付き。施設内のバーやカフェラウンジでの飲食も利用し放題のオールインクルーシブとなっている。
  • 写真: 1日1組、山の斜面に立つ大型テント

    1日1組、山の斜面に立つ大型テント

    東京・あきる野市の山の斜面にぽつんと立つ秘境感満載の「WOODLAND BOTHY(ウッドランド ボシー)」は、1日1組限定。完全貸切で広いウッドデッキから大自然を満喫することができる。ディナーでは秋川牛など地元食材をふんだんに使った料理を専属シェフが振る舞う。

お手軽かつ快適にアウトドアを体験――これがグランピング最大の魅力でしょう。空前のアウトドアブームの中、キャンプに興味を持つ人も増えていますが、道具をそろえて食材を調達し、テント設営に料理の支度……と考えると少々腰が重くなってしまうもの。そんなとき、手ぶらで行って準備も後片付けもせず、自然の中でぜいたくな時間だけを満喫することができます。また、遠くまで足を延ばさずとも、都心のビルの屋上などに、日帰りできるグランピング風の施設もあります。BBQを楽しんだ後、テントでゆっくりくつろぎながら会話をするだけでも雰囲気を味わえます。

リゾートホテルとは一味違う体験を求める人にも、グランピングの非日常感は新鮮。緑豊かな自然がストレスを発散し心身をリフレッシュ、新たな週末の過ごし方としても定着しつつあります。

これからの季節は特に、初心者にはお薦めです。暖房設備も完備しているグランピング施設は通年営業しているところが大半です。紅葉シーズンは美しい自然の中で過ごし、冬はたき火や薪ストーブなどを楽しみながら、寒くなったら室内の快適空間で過ごすこともできます。こうした施設情報はインターネットでも収集できます。Instagramで「グランピング」と検索すると、全国各地でグランピングを楽しむ人たちのすてきなシーンが公開されています。これらも参考にしながら、グランピングデビューしてみてはいかがでしょうか。

  • 写真:農園リゾートで野菜収穫体験も

    農園リゾートで野菜収穫体験も

    関東で屈指の人気を誇る千葉県香取市の「THE FARM」は、広大な敷地を誇る農園リゾート。ウッドデッキ付き大型テントが並ぶエリアのほか、農場や温泉施設なども。四季折々の旬の野菜の収穫体験は家族連れにも大人気。BBQでは新鮮な採れたて野菜のおいしさが味わえる。
  • 写真:森の中に浮遊するテント

    森の中に浮遊するテント

    非日常感を味わえること間違いなし。球体テントが森の木々の間に浮かぶのは、静岡県沼津市の泊まれる公園「INN THE PARK(イン・ザ・パーク)」。テント内にはベッド2台が設置され、寝転びながら天窓からの森の景色や浮遊感を楽しめる。夜、これらの球体テントがライトアップされた光景も幻想的だ。
  • 写真:水辺で過ごす極上の休日

    水辺で過ごす極上の休日

    日本のグランピングの先駆けともなった「伊勢志摩エバーグレイズ」(三重県)は、フロリダにある国立公園をコンセプトとしたアメリカンアウトドアリゾート。水辺に面したデッキからカヌーを漕ぎ出せるキャビンをはじめ、遊牧民の移動式住居をモチーフにしたテントなど、バリエーション豊富な宿泊施設が用意されている。
  • 写真:スノーピークが手掛ける高原グランピング

    スノーピークが手掛ける高原グランピング

    人気のアウトドアブランド、スノーピークがプロデュースし2019年夏にオープンしたばかりの「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN」(長野県)が位置するのは白馬・八方尾根の麓で標高1200mの北尾根高原。一面の紅葉や銀世界など、他では味わえない自然とダイナミックな眺望を楽しめる。
和田亜希子 さん
関東および近接エリアのグランピング施設を紹介する専門サイト「東京&関東グランピング情報館」を運営し、各地施設を実際に体験してはレポートを公開している。他に「台湾温泉ガイド」「小型バイクで走る日本一周沿岸ツーリング」など、ニッチテーマのサイトも多数運営する

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