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トップ > 大人のたしなみ [Vol.9] DIYを楽しもう

社会人たるもの、たしなみがあってこそデキる大人と感じさせる。ビジネスシーンでも、さまざまな分野の豆知識があればコミュニケーションが深まり、より良い結果につながることもあるだろう。第9回は、DIYの魅力についてDIYアドバイザーの山田芳照さんに話を聞いた。

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  • 大人のたしなみ
  • 2020.12.01

[Vol.9] DIYを楽しもう

近年、日本でもブームになっているDIYですが、その発祥はイギリスといわれています。第2次世界大戦後、破壊されたロンドンの街を自分たちで復興しようと修復に取り組んだことが始まりとされています。DIYはそのときのスローガン「Do It Yourself」の略語です。専門業者に頼らず、自分でできることは自分でやるというDIYの精神は、国境を越えてアメリカに伝わり、趣味的なカルチャーへと変化していきました。やがて、ホームセンターの成長を背景に日本にも広がり、今ではすっかり定着しています。

DIYというと、以前はテーブルや棚といった家具を自作する「もの作り」のイメージでしたが、ここ数年は「空間づくり」が主流となっています。空間を好みのテイストで統一し、自分の世界観をつくり上げることができる。それがDIYの大きな魅力といえるでしょう。例えば、家具を個々に集めていたら、テイストや色味、高さなどがバラバラで統一感のない部屋になってしまったという経験がある人は少なくないでしょう。そんなときプロに任せずに、自分で色を変えたり、高さをそろえたりすれば、コストも抑えることができます。その分を材料費に投じることもできるので材料の質にこだわったり、既製品にはないオリジナリティーを演出したりすることも可能です。そして、何といっても自分で作る醍醐味(だいごみ)や完成させたときの達成感を味わうことができます。

  • 写真:張ってはがせる壁紙で楽々イメージチェンジ

    張ってはがせる壁紙で楽々イメージチェンジ

    初心者には難しそうな壁紙の張り替えも、壁紙屋本舗の「はがせるシール壁紙」なら手間要らず。シールのように壁に張ることができ、下地を傷めずきれいにはがせるので、位置調整が手軽にでき、原状回復が求められる賃貸の模様替えも可能。家具や小物のリメークにも。
  • 写真:ヘッドを交換するだけ基本作業を1台で

    ヘッドを交換するだけ基本作業を1台で

    電動工具はDIYの必需品。最初にそろえたいのはねじ締め・穴開け用のドリル、曲線切りに活躍するジグソー、仕上げに使うサンダー、直線切りの丸ノコ。全てそろえるのは大変だと感じる方には、本体ひとつでヘッド部分を付け替えればこれらの工具が利用できるブラック・アンド・デッカー「マルチエボ」がお薦め。
  • 写真:簡単アジャスターで空間を自在に活用

    簡単アジャスターで空間を自在に活用

    賃貸でもDIYを気軽に楽しめる便利パーツがある。例えば、LABRICO(ラブリコ)の突っ張りキャップ「2×4アジャスター」は、工具要らずで壁や床を傷つけることなく2×4材を天井と床に固定できる。他のパーツと組み合わせて棚や間仕切りを作るなど、アレンジは自由自在。
  • 写真:親子で作るのも楽しい! クリスマスの装飾

    親子で作るのも楽しい! クリスマスの装飾

    工夫次第でクリスマス飾りも簡単に手作りできる。例えば、木材をペイントするだけで雪だるまのオブジェに。また、ペイントした板に防虫網用の小さなネット釘を何本も打ち、イルミネーションライトとひも、ドライフラワーでデコレーションすればすてきなライトが完成。

メリットも多いDIYですが、初心者の場合、楽しく続けるための鍵となるのが、「最初の一歩で挫折しない」ことです。いきなり本棚を作るといった大掛かりなことは失敗しやすく、挫折しやすいものです。まずは、小物にペンキを塗る、組み立て家具を組み立ててみるなど、技術がなくても完成できるものから着手しましょう。

それがクリアできたら、次は「壁のペンキ塗り」がお薦め。室内用塗料なら壁紙の上からでも塗れますし、万が一失敗しても塗り直したり、その上に壁紙を張ったりとリカバリーが可能です。しかも、壁の周りを養生し、ローラーで塗るだけという比較的簡単な作業で、空間の印象がガラリと変わります。これが成功すれば、連鎖的に次も何かをリメークしたり、手作りしたりしたくなるでしょう。このようにステップアップしていくことが、DIYを楽しむコツといえます。

そしてもう一つのポイントが、DIYに欠かせない工具を正しく使えるようになることです。そのためには、ホームセンターなどの体験教室に参加し、実際に工具を使ってみるのも近道になります。

昨今のリモートワークの広がりとともに、自宅の空間を見直す人が増え、DIYニーズがさらに高まっています。インターネットには家具の作り方などの動画が多数アップされ、ホームセンターや専門店には使いやすい工具や材料が豊富にそろい、DIYに取り組みやすい環境ができています。ぜひ、これを機に自分好みの空間づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

  • 写真:自宅に居ながら専門家に学ぶ

    自宅に居ながら専門家に学ぶ

    工具の使い方や作業手順などの基礎は専門家から学びたいもの。山田芳照さんが講師を務めるBen Franklin Crafts Japanの「リモートワークショップキット」なら、「作業台にもなるワークチェア」などを購入するとマンツーマン&ライブで製作指導も受けられる。
    https://benfranklincrafts-shop.com/products/list?category_id=21
  • 写真:面倒な計測も一瞬で

    面倒な計測も一瞬で

    DIYに欠かせないのは「測る」作業。特に壁紙を張る場合はメジャーで壁を測り、面積を出す必要があるが誤差が生まれることも。そこで、BOSCH(ボッシュ)のレーザー距離計「ZAMO3」が活躍。レーザーを対象物に当てるだけで、素早く正確に2点間の距離が測定できる。
  • 写真:塗るだけでアイアン風に

    塗るだけでアイアン風に

    木や紙、段ボール、塩ビパイプも塗るだけで鉄のような質感に仕上がるターナー色彩の「アイアンペイント」。「マルチプライマー」で下塗りすれば金属やガラスにも使用できる。今ある家具をアイアン風にしたり、ビンテージ感があるインテリアを作ったりするときに。
    デザイン・制作:ターナーDIYアンバサダー 柳美菜子
  • 写真:初心者でも使いやすい集成材

    初心者でも使いやすい集成材

    初めて家具を作る場合の素材は、木材を貼り合わせた集成材がお薦め。さまざまな厚さや大きさが販売されているので、必要とするサイズが手に入りやすい。多くのホームセンターでは購入時に好きな寸法にカットしてくれるサービスを行っているので利用してみよう。
山田芳照 さん
DIY情報サイト「DIYCITY」の運営をはじめ、DIYアドバイザーとしてNHK教育テレビ『住まい自分流』の講師を務めたほか、DIYをテーマにしたテレビ番組の講師・監修・企画制作、ホームセンターでの社員研修やDIY教室の企画運営など、業界活性化に向けた活動を幅広く行う。『これ一冊ではじめる! 庭づくりのためのDIY』(ナツメ社)など著書も多数

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