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トップ > 大人のたしなみ [Vol.10] 観葉植物を楽しもう
社会人たるもの、たしなみがあってこそデキる大人と感じさせる。ビジネスシーンでも、さまざまな分野の豆知識があればコミュニケーションが深まり、より良い結果につながることもあるだろう。第10回は、観葉植物の魅力について観葉植物専門店店主の中山裕二さんに話を聞いた。
昨今、自宅で過ごす時間が多くなり、手軽に室内外の雰囲気を変えてくれる存在として、観葉植物に注目が集まっています。中でも、リモート会議での「映え」を意識して、チラッと映り込ませるために観葉植物を取り入れる人が増えています。
観葉植物とは、文字通り葉を観賞するための植物のことです。葉が美しく幹肌がきれいなもの、葉の形や色などが特徴的で観賞価値が高い植物の総称で、種類も多く、室内でも気軽に楽しめるとして人気が高まっています。しかし、「育ててみたいけど難しそう」「枯らしてしまわないか心配」と考える人も少なくないでしょう。そこで、初めて観葉植物を育てるなら、丈夫な品種から選ぶのがお薦めです。お店の人に選んでもらうのもよいですし、自分で気に入ったものを探して、育て方を調べてみるのもよいでしょう。
観葉植物を育てるには、重要なことがいくつかあります。まず一つ目が「光」です。多くの人は、部屋のどこに置くのかを決めてから購入しているのではないでしょうか。観葉植物は暗い場所でもある程度は育ちますが、全く光が届かないと枯れてしまいます。本来は外で育つ生き物である植物は、室内でも明るい場所を好みます。室内で育てるときのベストな明るさはレースカーテンを通したくらい、または木漏れ日くらいの明るさです。暗い場所にしか置けないときは、クリップライトなどを設置して、光が当たるよう調整しましょう。
もう一つ重要なポイントがあります。それは「水やり」です。観葉植物を枯らしてしまう原因の多くは、水のやり方にあるのです。水は、土の表面が完全に乾いたタイミングで、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えましょう。そのくらい与えないと、下の根まで行き渡っているのかが分かりません。さらに土内の根から出た老廃物などを洗い流す効果もあります。
このとき注意したいのは、受け皿や鉢カバーなどを使用しているかどうかです。水やり後の水がここにたまると、老廃物などが入った水を吸い上げて菌が発生し、根腐れという病気の原因になってしまいます。病気を防ぐためにも、受け皿などには水をためないようにしましょう。また、水やりのサイクルは小さな鉢ほど短くなります。マメな管理が苦手なら、土が乾くのに時間がかかる大きな鉢の方が手間が少なくて済むのでお薦めです。
さらに、「寒さ」にも気をつけましょう。観葉植物は熱帯地方原産のものが多く、冬は室内に入れないと枯れてしまいます。ベランダで育てる場合は、日本原産やオーストラリア原産の植物、オリーブなど、寒さに強く直射日光を好むものがよいでしょう。ただし、室内より土の乾きが早くなるので、水やりの間隔には注意が必要です。
料理に使えるハーブなどをキッチンで育てるのもお薦めです。曇りガラスでも、窓があれば育ちます。また、ニンジンや大根、パイナップルなどのヘタを水に浸けておくと芽が伸びてきます。いつもは捨ててしまう部分を栽培するので、気軽に楽しむことができます。ぜひ試してみてください。