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トップ > 大人のたしなみ [Vol.10] 観葉植物を楽しもう

社会人たるもの、たしなみがあってこそデキる大人と感じさせる。ビジネスシーンでも、さまざまな分野の豆知識があればコミュニケーションが深まり、より良い結果につながることもあるだろう。第10回は、観葉植物の魅力について観葉植物専門店店主の中山裕二さんに話を聞いた。

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  • 大人のたしなみ
  • 2021.03.01

[Vol.10] 観葉植物を楽しもう

昨今、自宅で過ごす時間が多くなり、手軽に室内外の雰囲気を変えてくれる存在として、観葉植物に注目が集まっています。中でも、リモート会議での「映え」を意識して、チラッと映り込ませるために観葉植物を取り入れる人が増えています。

観葉植物とは、文字通り葉を観賞するための植物のことです。葉が美しく幹肌がきれいなもの、葉の形や色などが特徴的で観賞価値が高い植物の総称で、種類も多く、室内でも気軽に楽しめるとして人気が高まっています。しかし、「育ててみたいけど難しそう」「枯らしてしまわないか心配」と考える人も少なくないでしょう。そこで、初めて観葉植物を育てるなら、丈夫な品種から選ぶのがお薦めです。お店の人に選んでもらうのもよいですし、自分で気に入ったものを探して、育て方を調べてみるのもよいでしょう。

  • 写真:多くのお店にある品種は初心者でも育てやすい

    多くのお店にある品種は初心者でも育てやすい

    多くのお店で取り扱っている普及種は、それだけ管理の手間がかからず丈夫で育てやすいということ。パキラ、モンステラ、ドラセナ、ポトスなどがその代表だ。樹形などは一つひとつ違い、同じものが二つとないので、自分好みの形をじっくりと吟味して探すと満足度も高くなる。
  • 写真:2021年のトレンドは吊り下げて観賞

    2021年のトレンドは吊り下げて観賞

    最近のトレンドは、ズバリ吊り下げて観賞する植物。リモート会議では背中越しに天井からチラリと垂れ下がるように演出するだけで、一気におしゃれな室内に早変わり。水やりが少なくて済む品種はあるものの、部屋の上部には暖かい空気が滞留しやすいので、乾燥に強い観葉植物をセレクトするのがポイント。
  • 写真:花台を活用し存在感や季節感を演出

    花台を活用し存在感や季節感を演出

    背丈が低いタイプや下に枝垂れるタイプの観葉植物を育てる場合、花台を使用するとより効果的な演出ができる。そのまま床に置くよりも存在感がグッと増し、視界にも入りやすい。花台の植物を入れ替えれば季節ごとの演出も可能で、部屋の模様替えの一部としても活用できる。
  • 植物の種類分類

    表:植物の種類分類

観葉植物を育てるには、重要なことがいくつかあります。まず一つ目が「光」です。多くの人は、部屋のどこに置くのかを決めてから購入しているのではないでしょうか。観葉植物は暗い場所でもある程度は育ちますが、全く光が届かないと枯れてしまいます。本来は外で育つ生き物である植物は、室内でも明るい場所を好みます。室内で育てるときのベストな明るさはレースカーテンを通したくらい、または木漏れ日くらいの明るさです。暗い場所にしか置けないときは、クリップライトなどを設置して、光が当たるよう調整しましょう。

もう一つ重要なポイントがあります。それは「水やり」です。観葉植物を枯らしてしまう原因の多くは、水のやり方にあるのです。水は、土の表面が完全に乾いたタイミングで、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えましょう。そのくらい与えないと、下の根まで行き渡っているのかが分かりません。さらに土内の根から出た老廃物などを洗い流す効果もあります。

このとき注意したいのは、受け皿や鉢カバーなどを使用しているかどうかです。水やり後の水がここにたまると、老廃物などが入った水を吸い上げて菌が発生し、根腐れという病気の原因になってしまいます。病気を防ぐためにも、受け皿などには水をためないようにしましょう。また、水やりのサイクルは小さな鉢ほど短くなります。マメな管理が苦手なら、土が乾くのに時間がかかる大きな鉢の方が手間が少なくて済むのでお薦めです。

さらに、「寒さ」にも気をつけましょう。観葉植物は熱帯地方原産のものが多く、冬は室内に入れないと枯れてしまいます。ベランダで育てる場合は、日本原産やオーストラリア原産の植物、オリーブなど、寒さに強く直射日光を好むものがよいでしょう。ただし、室内より土の乾きが早くなるので、水やりの間隔には注意が必要です。

料理に使えるハーブなどをキッチンで育てるのもお薦めです。曇りガラスでも、窓があれば育ちます。また、ニンジンや大根、パイナップルなどのヘタを水に浸けておくと芽が伸びてきます。いつもは捨ててしまう部分を栽培するので、気軽に楽しむことができます。ぜひ試してみてください。

  • 写真:育てやすくなる便利グッズ

    育てやすくなる便利グッズ

    「サスティー」(左)は土が湿ると色が変わるチェッカー。色が戻ったら水のやりどき。「ペンタガーデン」(中)は砂漠の緑化用に開発された肥料。光が足りない場合も光合成を補助してくれる。「ベラボン」(右)は、ヤシの殻を細かく砕いた人工培養土。清潔で軽く、使用後は燃えるゴミとして処分可能。
  • 心と体を癒やしてくれる観葉植物の効果

    表:観葉植物の効果
  • 写真:ちょっと変わった植物

    ちょっと変わった植物

    エアプランツ(左上)は寒暖差のある高山地帯で見られる植物。土に生えず、樹上に着生して育つ。朝露で葉にまとわりついた水分を吸収する。多肉植物(右下)は砂漠や乾燥地帯に自生し、葉や茎などに水分を蓄えられる。乾燥に強く、サボテンもこの仲間。
  • 写真:植物園や温室の植物は圧巻

    植物園や温室の植物は圧巻

    植物園などでは、日本にいながら熱帯のジャングルを彷彿とさせる光景を見られる。子どもが乗れるほど大きなオオオニバスなど、実物をその目で見たら、植物への興味がますます湧いてきて、観賞するのが楽しくなること請け合い。
中山裕二 さん
観葉植物、多肉植物、エアプランツなど全般にわたり取り扱う専門店「GREEN JAM」を運営。第一園芸、プロトリーフを経て独立。生産者こだわりの産地を実際に訪れ、良質な観葉植物を仕入れて提供している。植物の再生メンテナンスや園芸相談業務も行う。

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