流通・サービスを支えるマーケティングをもっと細やかに
来店客の行動分析から実現する小売業の未来

人口減少によるマーケットの縮小や、価値観の急激な変化、eコマースの台頭など、小売りを取り巻く環境は日々変化しています。消費者のニーズを把握するにはコストと時間がかかり、企業はスピード感をもって店舗を最適化することに苦心しています。より正確で細やかな消費者の動向を迅速に知ることが、業界全体に今求められる課題なのです。

POSデータだけでは掴みきれない来店客動向

少子高齢化による人口減少、そして価値観の多様化で、「モノが売れない時代」といわれて久しい現代。その中で小売業は生き残りをかけて、他社との差別化を図り、売上向上のためのさまざまな施策を講じています。現在そのベースになっているのがPOSデータです。最重要の指標として、科目別、商品別、時間帯別など詳細に売り上げを分析し、仕入れの適正化や店舗でのマーケティング施策を立案してきました。
例えば、アパレル業界ではPOSデータを基に売れ筋商品や陳列場所なども含めてデータを集め、店頭での施策を見直しています。一方で、POSデータだけでは、来店はしたものの、商品の購入にまで至らなかった人の分析はできません。そこで店舗スタッフの感覚やマーチャンダイザーの経験や勘に頼る形で、販促施策を立ててきたのです。
しかし、そのやり方では、昨今の目まぐるしく移り変わる消費者の好みや意識に対応しきれないのが実情です。そのため、商品を購入しなかった人まで含めて来店客全体を見える化し分析することで、最適な販促施策をスピーディーに実施。店舗での売上拡大につなげていくことが課題となっています。

購入者、非購入者の属性をつかみ、行動を分析

そのための仕組みとして、今大きな注目を集めているのが映像による来店客分析です。店内に設置したネットワークカメラと映像管理ソフトウエアを組み合わることで、来店客をカウントし、より正確な来店者分析が可能になると同時に、今まで得ることができなかった非購入者の人数も掴むことができるようになっています。
さらに、一歩踏み込んで、撮影した映像から来店者の性別や年齢層などの属性を可視化することもできます。非購入者も含めた人数や属性情報とPOSデータの情報を照合させることで、来店者の行動分析が可能になります。時間帯ごとの来店客の動向を素早く掴むことで、商品の陳列やPOPの制作、店員の配置まで販促施策に反映し、購入率の向上につなげることもできるのです。
例えば、キヤノンやアクシスコミュニケーションズ社の幅広いネットワークカメラ製品群、さらにマイルストーンシステムズ社のビデオ管理ソフトウエア「Milestone XProtect®」や人数カウント可能な「People Counter」などの多様な画像解析ソフトウエアを活用することで、店舗での効率的な販促と売上拡大に向けた展開が実現します。

映像の活用で、売上拡大と店舗運営効率化を実現

今後、映像の解析技術がさらに進めば、来店客の行動パターンや、嗜好を読み解くことが可能になり、興味を示した商品に関する情報をデジタルサイネージで表示して購買を促したり、購買履歴と紐づけてセール情報やクーポンを発行して来店につなげたりと、One to Oneマーケティングも可能になります。
また、来店客のニーズを細かく知ることで、不要な在庫を減らすと同時に、売れ筋商品の販売だけでなく、顧客を呼び寄せることができる「引きのある商品」を効果的に使って、集客力のアップとブランディングにもつなげられます。
さらに、人手不足で店舗スタッフの確保も難しい中、効率よく店舗を運営するためにもすでに映像が活用されています。例として、全国各地に多数の店舗を展開する大手小売業などでは、各店の陳列や商品などを統一させ、ネットワークカメラで撮影した各店内の映像を最小限のスタッフでチェックすることで、効率的な運営を行っているケースもあります。
映像による個人認証と決済システムを紐づけた、無人店舗の実験も始まっています。個人情報保護など課題もありますが、これからの小売業を支えるのは、映像解析の技術だともいえるでしょう。

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