対処方法
カラーキャリブレーションには、用紙共通キャリブレーションと用紙個別キャリブレーションの2つの調整タイプがあり、カラーキャリブレーション実行時にいずれか一方が選択されます。
選択される調整タイプは、カラーキャリブレーションを実行する用紙種類によって決まります。
- 用紙共通キャリブレーション
用紙共通キャリブレーションは、用紙の種類ごとにカラーキャリブレーションを実行する必要がないので、短時間で容易に複数の用紙種類を運用できるという特長があります。
用紙共通キャリブレーションに分類される用紙でカラーキャリブレーションが実行されると、用紙共通キャリブレーションが実行された用紙種類に対して、専用のキャリブレーション調整値が設定されます。
さらに、カラーキャリブレーションが実行されていない、すべての用紙種類のすべての印刷品位に対しても、キャリブレーション調整値が設定されます。

メモ
- ご使用の用紙がカラーキャリブレーションに対応していない場合は、調整タイプが用紙共通キャリブレーションの用紙でカラーキャリブレーションを実行すれば、ご使用の用紙に対してキャリブレーション調整値を設定することができます。
- カラーキャリブレーションが一度でも実行されていて、専用のキャリブレーション調整値が設定されている用紙種類に対しては、キャリブレーション調整値の上書きは実行されません。

- 用紙個別キャリブレーション
用紙個別キャリブレーションに分類される種類の用紙でカラーキャリブレーションが実行されると、カラーキャリブレーションが実行された用紙種類に対してのみキャリブレーション調整値が設定されます。

メモ
- 用紙個別キャリブレーションに分類される用紙を使用する場合でも、カラーキャリブレーションが一度も実行されておらず、専用のキャリブレーション調整値を持たない用紙種類は、用紙共通キャリブレーションが実行されるとキャリブレーション調整値が上書きされます。
- プリンタのセンサーによるカラーキャリブレーションで設定されたキャリブレーション調整値とオプションの測色ユニットによるカラーキャリブレーションで設定されたキャリブレーション調整値は異なるデータで管理されています。
そのため、プリンタのセンサーで用紙共通キャリブレーションが実行されても、測色ユニットにより設定されたキャリブレーション調整値は上書きされません。
用紙種類によっては、プリンタのセンサーおよび測色ユニットの両方でカラーキャリブレーションが実行でき、2種類のキャリブレーション調整値を持つことができます。
この場合、印刷時には、最後に実行したカラーキャリブレーションで設定されたキャリブレーション調整値が適用されます。
現在適用されているキャリブレーション調整値は、Color Calibration Management Consoleまたは操作パネルのメニューで確認できます。
確認方法 | 操作方法 | 表示内容 |
[Color Calibration Management Console]で確認する。 | [用紙の状態]ダイアログボックスを表示し、[種別]を参照します。 (「 キャリブレーションシート(Color Calibration Management Console) (iPF6400S/iPF8400S) 」参照) | ・[自動調整]:プリンタのセンサーで設定されたキャリブレーション調整値 ・[自動調整(高精度)]:測色ユニットで設定されたキャリブレーション調整値 |
操作パネルのメニューで確認する。 | [設定/調整メニュー]から、[印字調整]-[キャリブレーション]-[ 実行履歴]の順に選択し、[調整タイプ]を参照します。 | ・[共通キャリブ]:プリンタのセンサーで設定されたキャリブレーション調整値(用紙共通キャリブレーション) ・[個別キャリブ]:プリンタのセンサーで設定されたキャリブレーション調整値(用紙個別キャリブレーション) ・[個別キャリブ高精度/標]:測色ユニットで設定されたキャリブレーション調整値([パターンサイズ]が[標準]) ・[個別キャリブ高精度/大]:測色ユニットで設定されたキャリブレーション調整値([パターンサイズ]が[大きい]) |
- コンピュータで確認する場合は、Color Calibration Management Console の[キャリブレーション]シートを参照してください。
- プリンタで用紙情報を印刷する場合は、操作パネルのメニューで、[用紙詳細プリント]を選択してください。
[Calibration]欄に、つぎのように表示されます。
表示 | 意味 |
[Standard] | プリンタのセンサーを使ったカラーキャリブレーションへの対応 |
[High Precision] | 測色ユニットを使ったカラーキャリブレーションへの対応 |
[OK (Common)] | 用紙共通キャリブレーションが実行されます |
[OK (Unique)] | 用紙個別キャリブレーションが実行されます |
[N/A] | カラーキャリブレーションを実行できません |
[N/A (Colorimetry Only)] | カラーキャリブレーションを実行できませんが、測色データの取得に使用できます |

重要
- 操作パネルのメニューの[システム設定]の[用紙設定初期化]で[する]を選択すると、工場出荷時の設定値に戻ります。Media Configuration Tool により追加または更新した用紙の情報も消去されるため、Media Configuration Tool で情報を追加した用紙でカラーキャリブレーションを実行していた場合、すべての種類の用紙でカラーキャリブレーションが適用されなくなります。カラーキャリブレーションを適用させたい場合は、工場出荷時に設定されている用紙の種類の中でカラーキャリブレーションに対応している用紙を使用して、カラーキャリブレーションをやり直してください。