◎広角域でも、美しいボケ味を楽しめる。
絞りを開けて被写体に近づけば、広角域でも大口径ズームならではの背景をぼかした撮影が可能。9枚羽根の円形絞りとあいまって、美しいボケ味を楽しめます。
EF16-35mm F2.8L III USM、
1/200sec、F8、ISO100、WB:オート
EOS 5D Mark IV、EF16-35mm F2.8L III USM、1/200sec、F16、ISO400、WB:太陽光
撮影 中西 敏貴
EOS 5D Mark IV、EF16-35mm F2.8L III USM、25sec、F2.8、ISO6400、WB:マニュアル(3500K)
撮影 中西 敏貴
EOS 5Ds、EF16-35mm F2.8L III USM、1sec、F2.8、ISO200、WB:オート
撮影 佐藤 信太郎
独学で写真を学び、撮影のために北海道へ通い続ける。2012年、撮影拠点である美瑛町に移住。光を強く意識した風景作品に取り組む一方、自然の中に造形的な美を見出す表現にも挑む。各種メディアへの作品提供や執筆活動の傍ら、個人・団体の撮影講師としても活動中。
新しい広角ズームEF16-35mm F2.8L III USMをEOS 5D Mark IVに装着し撮影に向かう。私が常に狙っているのはどんよりと曇った空が突然割れ、スポットライトが風景を照らすような劇的なシーンだ。光の向きも順光だけでなく逆光で撮影することも多い。新しい16-35は光の向きに関わらず、コントラストの低下が極めて少なく、クリアでヌケもいい。フレア・ゴーストの発生についてもかなり厳しい条件で試してみたが、高次元で抑制されているので太陽を画面に取り込んだりと、逆光でも積極的に使いたくなった。
広角レンズで主要被写体に近づき背景をボカすといったシーンでは、F4よりも大口径F2.8で得られるボケ味が欲しいところ。地上の風景と星を組み合せて撮る場合にもF2.8の恩恵は絶大で、感度を低く設定できるうえ、ファインダー内が明るいので暗い撮影シーンでもピント合わせが比較的容易なのがいい。
美瑛町のひまわり畑では曇り空の下で撮影。画面の隅々まで精密に描けており、広角レンズの宿命ともいえる周辺画質の乱れも気にならない。安心して四隅に被写体を配置できるレンズだと確信した。
星空の撮影では、画面中心部から周辺部まで高解像なので、周辺部に配置した星も大きく流れることなくシャープに描写。極めてクリアな仕上がりの画になった。この新しい16-35はズーム全域、周辺部まで高画質なのでフレーミングに制約がなく、これから使用頻度が高くなるレンズだと思う。
もちろん、約3040万画素になったEOS 5D Mark IVともベストマッチ。フルサイズ高画素機の精密な描写にゆとりを持って対応するこのレンズは、これから私の写真表現をどこまで広げてくれるだろう。
EOS 5D Mark IV、EF16-35mm F2.8L III USM、1/200sec、F16、ISO400、WB:太陽光
EOS 5D Mark IV、EF16-35mm F2.8L III USM、25sec、F2.8、ISO6400、WB:マニュアル(3500K)
2002年フリーランス転身、東京の街並みや大都市の有機的な移ろい、人々の息吹などを独自の光と距離感で切り取る。東京を中心とする都市が持つ固有の雰囲気に惹きつけられて撮影した3つの作品シリーズ、「夜光」「非常階段東京」「東京|天空樹」を発表している。
東京の東部を中心にその土地が持つ固有の雰囲気を撮ってきた僕にとって、16-35mm F2.8は極めて使い勝手のいいズームだ。
とくに16mm側は、都市全体を捉えるのに適した画角で、II型のときからずっと使ってきた。夕景、夜景の撮影の場合、レンズは明るいに越したことはないが、F2.8のレンズはファインダーが明るく、ピントを合わせたい場所をしっかり確認しながら撮影できるのがいい。
この新しい16-35で驚いたのは、周辺全域が極めて高解像だということ。いままでだと画質が低下した画面周辺部でも、看板の文字、一本一本の線をクリアに描写する。従来のレンズとは比べ物にならない、凄い描写力だと思う。
また、F2.8という明るさはシャッタースピードを稼げるので、撮影の幅がかなり広がると思う。僕は撮影のとき必ず三脚を立てるので、手ブレの心配はあまりないが、被写体ブレを起こしそうな状況でこの明るさは極めて有利。例えば夜景撮影の場合、月が画面に入ることがある。月の動きは意外と速く、シャッタースピードが遅いと、丸くならず楕円になってしまう。また、風の強い日は夜空もきれいで作品撮りに絶好のタイミングだが、三脚を立てていても強風でカメラが動き、ブレてしまうことがある。しかしシャッタースピードを速くできると、風が止んだ一瞬を使って撮影できる。その意味でこの広角ズームは、撮影条件が悪くなればなるほど威力を発揮するレンズだと思う。
試しに開放F2.8と、F4まで絞って撮影した場合と、両方撮ってみたが、その差はほとんど気にならなかった。カメラが高画素時代を迎えているので、この16-35のような高解像なレンズは、ますます必要になってくる。画面周辺部のディテールまでシャープに写せて、しかも、色収差も感じさせない。だから、RAWで撮って、思い通りに現像できる。ノイズが気になる夜景撮影でも、画面の隅々までくっきり鮮明に描写してくれる。写真家の創造意欲を刺激する広角ズームだと思う。
EOS 5Ds、EF16-35mm F2.8L III USM、1sec、F2.8、ISO200、WB:オート
大口径ガラスモールド両面非球面レンズ2枚、研削非球面レンズ1枚の効果的な配置により、歪曲収差/像面湾曲/非点収差を抑制。UDレンズ2枚の採用で、色収差を極小に抑制。画面中心から周辺まで、ズーム全域での高画質化を実現しています。
◎広角域でも、美しいボケ味を楽しめる。
絞りを開けて被写体に近づけば、広角域でも大口径ズームならではの背景をぼかした撮影が可能。9枚羽根の円形絞りとあいまって、美しいボケ味を楽しめます。
EF16-35mm F2.8L III USM、
1/200sec、F8、ISO100、WB:オート
◎速いシャッター速度で撮影できる。
暗い環境下での風景撮影や室内撮影など、ISO感度を上げずにシャッター速度を上げたいシーンにはF2.8の明るさはアドバンテージ。動体撮影など、被写体を止めて撮影したいときにも、速いシャッター速度は効果的です。
EF16-35mm F2.8L III USM、
10sec、F2.8、ISO6400、WB:マニュアル(4000K)
◎ファインダーが明るく、被写体を見やすい。
開放F値が明るいと、光学ファインダー内が明るく見えるので、薄暗いシーンでも被写体が見やすく、ピント合わせも容易。快適な撮影が行えます。
最新の光学系の採用により、歪曲収差をはじめ、諸収差を極小に抑制することに成功。ズーム全域で、絞り開放から高い解像性能を発揮することができます。従来モデルと比べ、画面中心から周辺部まで、さらなる高画質化を実現しています。
UDレンズ2枚を効果的に配置することにより、広角レンズで発生しやすい倍率色収差の発生を極小に抑制することに成功。被写体境界部に色にじみの少ない、高解像・高コントラストな先鋭画質を実現しています。
ASCとSWCを第1・第2レンズの2枚に採用し、ゴーストやフレアの発生を大幅に抑制。この2つのコーティングを同時に採用しているEFレンズは、EF16-35mm F2.8L III USMの他には、EF11-24mm F4L USMと、TS-E50mm F2.8L マクロのみ。Lレンズにふさわしい高画質を実現しています。
汚れが付着しやすいレンズ前面、後面にフッ素コーティングを採用。油分や水をはじきやすく、レンズに付着した油分なども溶剤を使わずに乾いた布などで簡単に拭き取ることが可能です。
ズーム全域で最短撮影距離は0.28m。最大撮影倍率は16mm側で0.12倍、35mm側で0.25倍。広角ズームでありながら、被写体に接近した撮影が行えます。
メカ構造を見直すことで、耐振動・耐衝撃性、耐久性を強化。また、水やホコリのレンズ内部への侵入を防ぐため、マウント部、スイッチパネル部、ズームリング部、フォーカスリング部に防塵・防滴構造を採用しています。
希望小売価格 328,900円(ケース・フード付き、税込) 商品コード:0573C001 JANコード:4549292-037722
○APS-Cデジタル一眼レフ装着時の画角:25-56mm相当(35mm判換算) ○レンズ構成:11群16枚 ○撮影距離範囲:0.28m~∞ ○最大撮影倍率:0.25倍 ○フィルター径:82mm ○最大径×長さ:φ88.5×127.5mm ○質量:約790g ○同梱アクセサリー:レンズフードEW-88D、レンズキャップ E-82 Ⅱ、レンズケースLP1222