耐久性・堅牢性の技術

遮熱塗料

伝統の「白レンズ」による“熱”に対する挑戦は、新たなステージを迎えた。これまでキヤノンは、炎天下のシビアな環境でも優れた光学性能を安定して得ることができるレンズを提供するべく、黒よりも熱を反射させやすい白を鏡筒に採用してきた。その歴史は、一眼レフカメラ専用レンズとしては、1976年に大口径望遠レンズ「FD600mm F4.5 S.S.C.」「FD800mm F5.6 S.S.C.」に採用したことに始まる※。この「白レンズ」をさらに進化させるべく、温度に対する信頼性を上げるために取り組んだことの一つが、遮熱塗料の自社開発である。塗料の成分そのものを変更し、その配合比率を変えるなどの試行錯誤により、太陽光に含まれる赤外線の反射率を高め、塗膜および被塗物の温度上昇を抑える新技術を開発。これにより炎天下における信頼性をより確かにする「白レンズ」を可能とした。

遮熱塗料は、赤外線反射型顔料を使用することで太陽光(赤外線)の反射率を高めている。従来は、カーボンブラックの黒と酸化チタンの白で色を調整していたが、カーボンブラックが赤外線を大きく吸収するため反射率の向上に制限があった。新開発の遮熱塗料では、カーボンブラックの代わりに赤外線反射型顔料で調色するため反射率を高めることが可能となった。また、シリカを被覆した酸化チタンの採用により、優れたUV耐候性を発揮している。引っかきや摺動のキズへの耐性も高く、これまでの“白” のイメージを変えない発色も追求。「白レンズ」の新時代到来を予感させるこの遮熱塗料を、「EF400mm F2.8L IS III USM」「EF600mm F4L IS III USM」に初採用している。

※一眼レフカメラ専用レンズとして。レンズとしては、1960年に発売した放送用カメラ用超望遠レンズ「TV2000mm F11」で採用。

従来の白塗料

遮熱塗料