昆虫を撮るときは、その眼にピントを合わせるようにしています。なぜかというと、たとえば羽根にピントが合っただけで、全体がぼけたような写真になってしまうからです。開放で撮ると被写界深度が浅くなるので、なおさらそう見えてしまいます。
この作品はアゲハチョウが、飛び立つ瞬間を捉えたものです。1/8000秒の高速シャッターで、美しい羽根の羽ばたきをしっかりと止めることができました。被写体を際立たせるために、絞りは開放にして背景をぼかします。開放とはいえ、かなり速いシャッター速度なので、高感度性能も重要になってきます。EOS 7D Mark IIは、高感度もかなり使えるので、陽が落ちるまで安心して撮影できます。
AFは、飛翔している昆虫の場合、ゾーンAF(中央)ですね。
比較的狭い範囲で、じっくりとピントを合わせます。AFカスタム設定は、Case4。「速度変化に対する追従性」のみ+2にカスタマイズしています。飛翔中の昆虫はあちこちに方向を変えますが、この設定にしておくと、ピント抜けがほとんどありません。
蜜を吸っていたチョウは口を引っ込めると飛ぶ習性があるので、そのタイミングを狙い高速連続撮影でシャッターを切りはじめます。ちなみに「AIサーボAF1コマ目レリーズ」は、レリーズ優先に設定。貴重なシーンにシャッターが切れないのは、私にとっては致命的なんです。
今までマクロで撮るときは、EF100mm F2.8L マクロ IS USMを常用していました。今回はじめてマクロ撮影モードが付いたEF24−70mm F4L IS USMを使ってみて、その実力に脱帽しています。予想外に良かったのが、テレ側からマクロに切り替えたとき、撮影距離範囲が無限遠にならないことです。一定の範囲内でピントを合わせ続けられるので、遠くの背景にピンが抜けることがありません。これはかなり有効でした。昆虫をマクロで撮っている方には非常におすすめのレンズです。
オートパワーオフは「しない」に設定しています。突然のシャッターチャンスには、一瞬のタイムラグも許されません。
また記録メディアは、同じ銘柄、同一容量のCFカードのみです。SDカードと使い分けるよりも、同じものを入れ替えながら撮影することで、常にバッファ容量を確保でき、メディア交換のタイミングも同一にできますからね。
カメラの設定ではありませんが、ネックストラップの長さは短くしています。ストラップを首にかけたとき、ちょうど胸の下あたりにカメラが来るような長さです。こうすることで、ストラップを支点にして両手でカメラをホールドでき、マクロ撮影でのブレが大幅に軽減できるんですよ。ライブビュー画面もすごく見やすいですしね。
このカメラはシャッター音が小気味良く、撮っていてとても快適です。連写しながら、「何枚目にいい画が撮れたな」という感覚があります。そういうカタログスペックでは表せないところも好きですね。
突然のシャッターチャンスに備えるため、電源は常にONにしておく。
[被写体追従特性][速度変化に対する追従性][測距点乗り移り特性]という3つのパラメーターの設定を組み合わせた、6種類のプリセットを選択可能。シーンに応じて簡単に設定を使い分けることができます。
パラメーターの初期設定
パラメーターの初期設定
パラメーターの初期設定
パラメーターの初期設定
パラメーターの初期設定
パラメーターの初期設定
※スポット1点AF(任意選択)と1点AF(任意選択)時は「測距点乗り移り特性」が無効になります。