川原和之
Kazuyuki Kawahara
@kazuyukikawahara
作業療法士
- EOS RP使用以前のカメラフィルムカメラ、他社製ミラーレスカメラ
- 撮影ジャンル人物・スナップ
- 一眼歴10年
家族の暮らしや日々の営みを、写真に記録し続けている川原和之さん。そのカメラ歴は少年時代に始まり、父親になられた今でもお子さんの成長を撮りつづけています。その写真から感じるのは、川原さんの優しげなまなざし。どの写真からもご家族を見守る人柄が伝わってきます。そのあたたかさは、高齢者や障害を持つ方のリハビリテーションを支える作業療法士というお仕事にも通じるものがあります。そんな川原さんには「写真はフィルムで撮るもの」という強いこだわりがあったそう。しかし、お子さんが大きくなるにつれ、カメラに求めるものにも変化が生まれ、そのポリシーが変わりつつあるといいます。フルサイズミラーレスのEOS RPは、川原さんにどのように映ったのでしょうか。
家族というテーマで
写真を撮り続ける理由。
写真を始めたのは就職で地元に戻ってきたころ。仕事が休みになるたび実家に立ち寄り、祖父母の何気ない姿を撮っているうちに、写真の奥深さにハマりました。その後、祖父が大病を患ったのをきっかけに、もっと丁寧に写真と向き合いたいとう気持ちがうまれ、一眼フィルムカメラを購入したんです。当時は撮りっぱなしの「レンズ付きフィルム」が気軽に買える時代で、設定なしでパシャパシャ撮るのがポピュラーだったんですが、私は時間をかけて祖父母を撮っていました。私は両親が共働きの家庭で育ったので、日中はほとんど親がおらず、私の面倒を見てくれたのは祖父母だったんです。学校から帰ると夜寝るまでいつもいっしょ。いろんな意味で家族を意識することが多かった少年時代でしたね。私の写真が「家族の日常」をテーマにしているのも、そういう体験が今もなお生き続けているのかもしれません。

子どもの誕生そして成長。
撮影スタイルにも変化が生まれた。
学生時代からずっと使っていたのは35mmフィルムカメラです。でも娘が生まれてからは、それまで以上にきちんと家族を撮りたいと思うようになり、中判フィルムカメラを購入していっしょに使い始めました。一枚一枚じっくり撮るのが性に合っているので、中判フィルムカメラはまさに自分のスタイルにぴったり。赤ちゃんのころはそれほど動き回らないこともあり、しばらくは中判カメラをメインに撮影していました。ところが子どもが成長すると次第に動きについていかなければなりません。そうするとシャッターきる回数も多くなっていきます。また、写真をSNSにアップしたり、家族と共有したいなど、撮影スタイルと使うカメラにズレが出てきたんです。

カメラは生活になじむ
日用品であってほしい。
私が写真を撮るのは、ほとんどがありふれた日常のひとコマ。朝起きて着替えているとき、歯を磨いているとき、絵本を読み聞かせしているときなど、何気ない瞬間がほとんどです。とはいえ、何でもかんでもシャッターをきるのではなく、撮りたいのは、ふとした表情の変化や子どもの心の動きみたいなもの。だから常に家族のしぐさを観察しています(笑)。私がそれに気づいたとき、手の届くところにカメラがあることが理想ですね。RPはフルサイズにしてはコンパクトに仕上がっていると聞いていましたが、実際触れてみてその小ささと軽さは想像以上で驚きました。この身近さは、道具というより“日用品”といった感じ。他のフルサイズみたいな「撮るぞ」という意気込みを周囲に与えるのではなく、さりげなくキレイな写真が残せる。EOS RPは暮らしの中のカメラのポジションとしては最高ですね。

フルサイズのEOS RPは、
光と影の表現が巧み。
EOS RPでさっそく子どもを撮ってみました。瞳の中に光が反射している感じや、髪の毛の一本一本が光っているのをきちんと表現できているところが印象的ですね。私はあえて逆光ぎみで子どもを撮ることが多いんですが、明るいからといって飛んでしまうこともなく、自然光の中で肌の質感や立体感がちゃんと描けているのは、さすがフルサイズだなと感心しました。室内で撮ると暗い場所と明るい場所が必ずあるじゃないですか。そこがそれぞれ雰囲気良く描けているのは、日常をリアルに写し取れているような気がしますね。この描写力はフィルムカメラに近いものを感じます。今まで私は「写真はフィルムであるべき」というフィルム至上主義でしたが、EOS RPはそんな私の価値観に一石を投じたような気がします。



被写体との距離感に感じた、
新たな写真の楽しさ。
EOS RPで使ったレンズは35mmの単焦点で、距離感がこれまたいい。今まで使っていた中判カメラと50mmレンズの組み合わせだとは思ったように被写体に寄れず、意識的に子どもから離れて撮っていたので、それがそのまま自分の作風みたいになってしまった。そういう意味で35mmレンズのグッと寄れる感じは、かなり新鮮でしたね。手をつないでいても撮れる距離感でありながら、風景もちゃんと入れ込むことができる。これからカメラを買って家族を撮ろうと考えている方には、EOS RPと35mmレンズがぴったりの組み合わせだと思いますよ。これひとつでいろんな雰囲気の写真が残すことができます。私は今回EOS RPに出会えて、フルサイズのカメラが特別なものじゃなく、ずいぶん身近なものになったことを実感しました。撮りたいときにすぐシャッターが押せるこのカメラなら、今まで撮れなかった表情やしぐさも見逃さず残せるんじゃないかとワクワクしています。

#01 金澤ダイスケ Daisuke Kanazawa
ミュージシャン(フジファブリック)
- EOS RP使用以前のカメラCanon EOS 5D MarkⅡ
- 撮影ジャンル人物・スナップ
- 一眼歴10年
#02 きなこ Kinako
主婦(男児のママ)
- EOS RP使用以前のカメラCanon EOS 6D Mark II
- 撮影ジャンル子供・スナップ
- 一眼歴7年
#03 実香 Mika
カメラガールズ
- EOS RP使用以前のカメラCanon EOS Kiss X8i
- 撮影ジャンル子供・スナップ
- 一眼歴3年
#04 中本早紀 Saki Nakamoto
東京カメラ部10選2018
- EOS RP使用以前のカメラCanon EOS 80D
- 撮影ジャンル風景
- 一眼歴3年
#05 布川愛子 Aiko Fukawa
イラストレーター
- EOS RP使用以前のカメラスマートフォン
- 撮影ジャンル人物・動物・スナップ
- 一眼歴なし
#06 ちょりんた Chorinta
カメラガールズ
- EOS RP使用以前のカメラCanon EOS Kiss X7i
- 撮影ジャンル人物・スナップ・風景
- 一眼歴6年
#07 古屋智英 Motohide Furuya
インテリアデザイナー/ショップオーナー
- EOS RP使用以前のカメラCanon EOS 6D
- 撮影ジャンルスナップ
- 一眼歴10年
#08 チェルシー舞花 Chelseamaika
モデル
(武蔵野美術大学映像学科写真表現コース卒業)
- EOS RP使用以前のカメラ他社製 一眼レフカメラ
- 撮影ジャンル人物・スナップ
- 一眼歴10年
#09 木塚國力 Kunio Kizuka
自家焙煎珈琲屋「パノラマ珈琲」店主
- EOS RP使用以前のカメラ他社製一眼レフカメラ
- 撮影ジャンル人物・スナップ・風景
- 一眼歴9年