私の愛すべきもの #03 今 写真・小澤 太一

子どもが生まれてから、
目の前の一瞬一瞬が愛しく、
かけがえのない時間だと
思うようになった。
窓から射し込む光、
髪を揺らす風、
まっすぐな笑い声。
意識しないと〝今〟は、
ただ通り過ぎていく。

1 人生の主役。

よろこんで
主役をゆずろう。

自分の人生は、
自分が主役だと思ってた。
この子が生まれるまでは。
いつしか、
この小さく愛しい命を守り、
支えることが、
私の幸せになっていた。

自分の誕生日より
うれしい誕生日が
あったこと。

自分も、
たくさんの人に
愛されて
大きくなったこと。

キミは望んでないかもね。

この小さい命は
たくさんのことに
気づかせてくれる。

キミの大切な今を、
一緒に過ごさせてくれて
ありがとう。

2 “今”を刻む。

今、この瞬間も
どんどん大きく
なっていく。

一日は本当にあっという間に
過ぎていく。
想像以上に大変で、
想像以上に愛しいこの日々が、
ずっとは続かないこと。
そして、二度と戻ってこないこと。
わかってる。わかってるから、
シャッターを切る。

キミの“初めて” を
いちばん近くで
見守れる幸せ。

慌ただしい毎日に潜む
宝物のような一瞬を、
逃したくない。
忘れたくない。

だから、今、
残したい。

でも、そんなに急いで
成長しないでいいからね。

なんでもない
特別な今を
残しておく。

3 写真はラブレター。

キミがいる。それだけで
幸せになれる人がいる。

親が子どもにしてあげられることは、
多くないのかもしれない。
でも写真は、
その数少ないことのひとつ。
言葉では伝えきれない愛を詰め込んだ、
ママとパパからのラブレター。
大きくなったキミは、
どんな顔して見てくれるのかな。

人生は楽しいこと
ばかりじゃない。

たくさん愛された記憶が
いつか力になるように。

キミの幸せを願いながら
今日もシャッターを切る。

言葉にできない感情も、
写真なら写せる気がする。

ありのままのキミを
受け止めたいから
フルサイズ。

PROFILE

小澤 太一Taichi Kozawa
1975年名古屋生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、河野英喜氏のアシスタントを経て独立。雑誌や広告を中心とした人物撮影が活動のメイン。写真雑誌での執筆や撮影会の講師・講演など、活動の範囲は多岐に渡る。ライフワークは「世界中の子どもたちの撮影」で、写真展も多数開催している。主な写真集に『ナウル日和』『レソト日和』など。日本写真家協会会員。
  • #01 時間 写真・鶴巻 育子
  • #02 暮らし 写真・鈴木 さや香
  • coming soon
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