This is my life
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“This” is my life. それは、私の人生そのもの。「いつまでも在るものではなく、いつか消えゆくものだから」姫路市(野里商店街周辺)編“This” is my life. それは、私の人生そのもの。「いつまでも在るものではなく、いつか消えゆくものだから」姫路市(野里商店街周辺)編

見慣れた街も、見慣れた景色も、
カメラを持って出かける事で、シャッターを切る事で、
また違う印象を与えてくれて、
新しい発見、気付きの機会が生まれていく。
その思いをいろんな人に感じてもらいたくて
このイベントを始めました。
写真家 鈴木さや香とイベント参加者が巡った
見慣れたまちの景色を振り返ります。
今回の舞台は、
兵庫県の南西部、瀬戸内海に面した
播磨地方に位置する姫路。
日本で初めて世界遺産登録された姫路城など、
歴史的名所で有名な地域です。
今回は、江戸時代の町家が残る
野里のまちを巡りました。

VOICE 参加者の声

参加者作品 まどろむ時間

生活の中にカメラを。大切なものを見落とさないために

プロカメラマンの写真を見て感動し、私もこんな風に撮ってみたいと思ったのがきっかけで、去年から写真を撮りはじめました。写真を学ぶようになってからは、どうしても技術の向上ばかり意識していたのですが、鈴木さや香さんの「上手な写真ってなに?」「カメラと向き合っていますか?」という問いかけに、はっとしました。私が本当に大切にしたいのは、他人の評価よりも撮りたいという時の自分の気持ちです。さや香さんの言葉は、写真をはじめた時の感情を思い出させてくれました。もしかしたら、綺麗に撮ることを意識しすぎていたせいで、日々見落としてしまっているものがあるかもしれない。最近は風景を撮影することが多かったのですが、今回の撮影会をきっかけにいつも傍にいる子どもをもっと撮りたいと思うようになりました。写真を撮りにどこかに行くだけではなく、例えば家の中や近くの畑でも写真を撮ってみる。そんな風に生活の一部としてカメラを楽しんでいきたいと思います。

櫻井秀美さん

撮影者
櫻井秀美さん

参加者作品 消えゆく昭和

カメラが与えてくれた、誰かと繋がるきっかけ

父の遺品のカメラを見つけ、使い方が分からず2年半前に写真教室に入りました。撮影した野里商店街は、私が40年前に通学路として歩いていた道です。新しい建物が目立ちましたが、当時の面影も残っていました。街を撮影しながら歩いていると、商店街の方々が向こうから話しかけてきてくれました。カメラは、持っているだけで誰かと話すきっかけになるんだなと実感しました。その明るい声から、昔とは少し違う街の中でも変わらず元気に働く昭和の人のパワフルな力を感じ、その姿を残したくてシャッターを切りました。カメラを持つことで会話が生まれ、人や場所を知って愛情を持つようになる。やさしい眼差しでファインダーを覗くことができました。きっとその想いは写真に写っていると思っています。カメラを通して言葉を交わすと、いろんな周りの素材が見えてくる。スナップとはこういうことなのかと分かったような気がしました。

澤田憲志さん

撮影者
澤田憲志さん

参加者作品 しずかないろどり

残したいものが見えてくる。身近なものが特別に変わる瞬間

子どもが産まれた時に写真館で写真を撮ってもらって、こんなに可愛く撮れるのかと感動したのを今でも覚えています。だから当然、綺麗な写真を撮るためには知識は必要不可欠だと思っていました。でも、さや香さんが「オートでも十分。自分に合わせてカメラを使いましょう」と言ってくださって、気持ちが軽くなりました。商店街はとても穏やかな雰囲気で、その中で美しい色彩の暖簾や木々に目が留まりました。設定に気を遣わなくてもいいんだと分かると、自分がどんなものを残したいのかだんだんと分かってくるような感じがしました。普段は素通りしそうな場所や目を向けないところにも、こんなに素敵なものがある。それが写真を見る人に少しでも伝わったら嬉しいです。身近なところでもよく見てみると魅力に溢れていると気付いて、もっと地元である姫路を知りたいと思いました。

近藤宏美さん

撮影者
近藤宏美さん

参加者作品 いま、静かな時を生きる

写真が私に、新しい視点と出会いを連れてくる。

普段はドライフラワーを撮っているので、商店街の方と触れ合いながら撮影する体験はとても新鮮でした。途中訪れた築100年以上にもなる藍染屋さんは、最初はすべての時間が止まってしまっているかのような印象がありました。でも、カメラを覗いてみると、いきいきとした緑や真っ赤な雨どいを見つけて、時は止まっているのではなく、緩やかに流れている場所なんだと感じました。朽ちていく緑さえ美しく見えるような静かな時間の流れを、この3枚で表現しています。カメラを片手に持って歩くと、普段通り過ぎるだけでは発見できない、人やものとのいろんな出会いがありました。その時、その場でしか出会うことのできないものを感じたまま表現できるように、これからも写真を撮り続けていきたいです。

鴻和和美さん

撮影者
鴻和和美さん

COMMENT 富山、金沢、姫路3か所をめぐり伝えたかったこと

写真家 鈴木さや香 写真家 鈴木さや香

町そして写真は、どちらも「残そう」としなければ、残っていかないという共通点があります。町のどの部分をどうやって残していくのか、それは誰かに委ねる前に自分で思わなければ消えていってしまうものです。写真もそれは同じで、何とどう向き合って撮り、残すのか自分で考えなければなりません。そして一過性の熱のような想いは、セレクトやタイトルをつけ、自分自身の意思をはっきりとすることで、持続する考えやコンセプトへと変化していきます。自分とこの世界との距離が分かってきた時、きっと今まで見ていたものとは違う世界が開け、存在するものや、人や、時間を愛しく見つめることができるでしょう。写真はアウトプットする表現ですが、それにはインプットをどれだけ丁寧に、そして熱量を含んで積み重ねるかが重要なのです。今回がそのきっかけになってくれたらいいなと思いました。

Profile

東京造形大学卒。映像演出の葉方丹氏・写真家山岸伸氏に師事し独立。作品発表や写真文化を広める独自の活動を行う。鎌倉市観光協会のWebサイトで「かまくらかたおもい」を連載中。

PHOTO&TEXT写真家 鈴木さや香

大切なものは目に見えないのだろうか?

人に流れる時間は、町に流れる時間より忙しない。
佇んでいたものが形を無くしても
なにを失ったかも気づけないならば
悲しさすら感じられない。

町を撮り続けることは、
消えていくものを知ることでもある。
こころに広がる喪失感をしっかり受け止めた後に
光のような小さな喜びと出会う。

大切なものはきっと、
そんなときに写真に現れるのだろう。

今回の撮影会で使用したカメラはこちらです。

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