This is my life

“This” is my life. 「カメラをきっかけに人と出会いもっとまちが好きになる」福島県郡山市周辺 “This” is my life. 「カメラをきっかけに人と出会いもっとまちが好きになる」福島県郡山市周辺

写真家の鈴木さや香さんと一緒に、あなたの街へ伺います。
今回訪れたのは、福島県郡山市。
福島県の中央に位置する郡山はかつての宿場町。
商人や職人のまちとして栄えました。
今回は結成したばかりの郡山写真部と一緒に地元の商店街や
歴史ある酒蔵などを巡りました。
お店を営む方々にお話を訊いたり、交流したりしながら、
「人の気配」をキーワードに撮影していきます。
場所でも、物でも、そこに気配が感じられることを意識して
まちを巡りました。

郡山写真部郡山写真部2018年9月に福島県郡山市民が集まり発足した写真部。約30名程度の部員が「♯郡山写真部」のハッシュタグをつけてSNS上で写真を発信しています。中には、instagramのフォロアーが1,000名以上の部員も。いつもは郡山市の自然や風景を中心に撮影している部員が、今回は街のスナップに挑戦しました!

郡山市 産業観光部 観光課観光係 荒川美里さん 郡山市 産業観光部 観光課観光係 荒川美里さん

郡山写真部をスタートした思い郡山市には、観光パンフレットに掲載しきれない魅力が数多くあります。街の隠れた魅力を発掘し市内外の人に知ってもらいたいという思いから、2018年、この郡山写真部をスタートさせました。写真が持つあたたかさや迫力は、ときに文字よりも強い力を持つと考えています。郡山写真部には「市民目線で見るおすすめの郡山」を切り取り、ひとりでも多くの方に郡山の魅力を知ってもらえる事を期待しています。今回は街歩きをしながらの撮影ということで、郡山写真部と地元商店、お互いを知り合える良い機会となりました。地元の皆さんには、日常の当たり前の風景がカメラを通すことでとても新鮮にうつることへの驚きを感じていただくとともに、自分たちの生活が街の魅力アップにつながることを気付いていただけたように思えました。写真部と地元の皆さんと双方でこれからも郡山市を盛り上げていただければと思います。

参加者の声 参加者の声

参加者作品 静かな空間で…
参加者作品 静かな空間で…
撮影者 鈴木るなさん

街の写真に「人の気配」を入れながら、
ストーリー性を表現したい

近代的な建物があり、自然も多く、さらには酒造や工芸品などの歴史ある伝統も受け継いでいる郡山。撮影会をしながら、こんなに多様な顔をもっている街は意外と少ないのではないかなと思いました。撮影中は店員さんの温かさや街の色鮮やかさに驚き、カメラを持って出かけると、ものの見方が変わるなと実感しました。写真を通して、もっと郡山を知って伝えていきたいと思いました。今回の写真は、「人の手が加わっているものや、そこで働く人がいなければ写らないもの」が強調されている写真を選びました。人の気配・温度感が少しでも伝わったら嬉しいです。郡山写真部として街なかを歩くと、これまで何度も見てきた景色に対して「この風景を写真に残したい」「この色合いすてきだな」と感じることが多くなりました。これからも、今回のように風景や街並みなどの中に「人の気配」を入れてみながら、「ストーリー性」を表現できたらなと思います。

撮影者 鈴木るなさん
参加者作品 250年の歴史
参加者作品 250年の歴史
撮影者 三本木裕二さん

郡山の伝統をカメラで残す
生まれ育つ街の未だ知らない魅力

普段は車での移動が多いですが、今回の撮影会で街歩きをすると「こんな所に古くから店があったんだ」と小さな発見があり、幼少から住むこの街にもまだまだ自分の知らない街の魅力があるのだと再発見する機会になりました。今回選んだ写真は、創業250年の歴史ある笹の川酒造。工場見学では、受け継がれる技術と工場の歴史を肌で感じる事ができました。この写真では、伝統を守る人たちの姿を撮影できたらと思い、右側に大きく余白を取って時間を感じるように写しました。福島の「今」を残すために、これまで自然風景を中心に写真を撮っていましたが、今後は街の風景ももっと写していきたいです。郡山写真部のメンバーと写真を共有することは、自分と異なる視点を知ることでもあります。これからもたくさん学びながら写真を撮っていきたいと思います。

撮影者 三本木裕二さん
参加者作品 主(ぬし)
参加者作品 主(ぬし)
撮影者 成田裕幸さん

人の歴史があふれる場所で、
自分が感じた思いを写真に込める

鈴木さや香先生は「写真を撮ることは愛情を持って考察すること」だと教えてくださいました。いつか無くなるものでも、そのもの自体が持つメッセージを写真に込めれば、写真が存在する限りそれを伝え続けることができる。今回郡山の街をじっくりと眺めながらゆっくりと歩いてみると、きれいに整備されて一見没個性のようにも見える郡山の街の中にも歴史や魅力が端々で垣間見えていたように思いました。今回撮影した写真は、以前は旅館を営み、今は民芸品を扱うお店「和久屋」で撮影したものです。歴史を感じさせる場所には、なんとなく「主(ぬし)」のような存在を感じることがよくあります。お店の奥の梁に飾られていた二体の天狗のお面が目に留まり、主を擬人化した表現をしようと思いました。店主の方にその天狗のお面を顔に当てていただくようお願いして、存在感のある主の「姿」が表現できたと感じております。

撮影者 成田裕幸さん
参加者作品 町を彩る花屋さんと看板犬
参加者作品 町を彩る花屋さんと看板犬
撮影者 前川友香さん

カメラで出会えた仲間たちが
街を見る風景を変えてくれた

今回お邪魔させていただいたお店でカメラを向けてみると、みなさん郡山の街を愛しているのだと表情から伝わって来ました。遠い場所にある絶景ではなくても、身近にあるお店ごとにそれぞれの色彩があり、ふだん生活している街にも素敵な色が溢れているのだなと気付くことができました。この2枚の写真は、花を買いに来た人の幸せな気持ちが伝わる店内と、それをいつも見届けているわんちゃんの写真を組み合わせて、花屋さんでしか撮れない「人の気配」を表してみました。郡山写真部に入り、今回のようにカメラをきっかけにして一緒に撮影に行ったり情報交換したりできる仲間が増えたことが何より嬉しいですし、写真家の方から学ぶと写真の見方も大きく変わり、街のちょっとした風景でも興味を持って見られるようになりました。

撮影者 前川友香さん

PHOTO&TEXT写真家 鈴木さや香

「気配のゆくえ」
長い歴史で人ひとりが町に関わるのは一瞬。
けれども 人は人と結び結ばれ つながり
そして いつか消えたとしても
積み重なった景色の中で 気配として残る。
たとえ目に見えない部分だとしても
写真とはそれを知らずにも捉えることができる
どうしようもなく、あたたかい文化なのでしょう。

INTRODUCTION紹介

郡山駅周辺はやま通りの商店街では、看板犬がかわいい「花の店おおこし」などのお店を巡り、天明3年(1783年)創業で元旅館だった「民芸くらふと 和久屋」でお話を伺ったあとは、笹の川酒造へ。見学後に素敵な文房具屋「No.3+」にも立ちよりました。集合写真は郡山市開成館で撮影しました。

写真家 鈴木さや香Profile
東京造形大学卒。映像演出の葉方丹氏・写真家山岸伸氏に師事し独立。作品発表や写真文化を広める独自の活動を行う。鎌倉市観光協会のWebサイトで「かまくらかたおもい」を連載中。

ARCHIVE街の記憶

  • 「いつまでも在るものではなく、いつか消えゆくものだから」 姫路市(野里商店街周辺)編
今回の撮影会で使用したカメラはこちらです。

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