This is my life
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"This" is my life. それは、私の人生そのもの。「カメラを持って歩くと見慣れた景色が違って見える」Vol.1 富山市 岩瀬"This" is my life. それは、私の人生そのもの。「カメラを持って歩くと見慣れた景色が違って見える」Vol.1 富山市 岩瀬

PHOTO&TEXT
写真家 鈴木さや香

私は町の何を見ているだろう
日々の中で埋もれてしまう景色や思いはないだろうか。

なんとなくカメラとレンズを通してみれば
はっきりと分かる、今日と明日が
いつも同じとは限らないという事。

そして、思い知らされる
町を写して残るのは、ただの記録ではない。
その場所をどう残していきたいのかという
自分の願い、そしてこころの記憶なのだ。

見慣れた街も、見慣れた景色も、カメラを持って出かける事で、シャッターを切る事で、また違う印象を与えてくれて、新しい発見、気付きの機会を与えてくれる。その思いをいろんな人に感じてもらいたくて、今回は富山の写真部の方と富山・岩瀬をフィールドに、カメラを持って出かけてきました。

EVENT REPORT

“ネコの目”を借りるように、しゃがんで道端の花を撮影する参加者。カメラがなければ存在に気付かなかったかも。

ガラス工房や陶芸工房など、富山の職人技を引き継ぐ若いアーティストたちがアトリエを構える岩瀬。明治時代の建物を活かし、修復してつくられたまちなみには、観光地と暮らす場所のちょうど中間のような、穏やかで静かな空気が流れています。大通りを歩いて気付いたのは、竹のすだれでつくられた格子の建具「スムシコ」。中からは外が見え、外からは中が見えない構造で、とても涼し気です。昔の知恵を活かして残す、そんな取り組みが積極的に行われているまちなのです。また北前船の港町として栄えたこのまちは、海のすぐそば。まちと海が両方撮れるこの岩瀬をAMAZING TOYAMA 写真部のみんなと、写真家の鈴木さや香さんと一緒に巡りました。

「スムシコ」の格子が使われた陶芸作家の釋永岳(しゃくなが)さんのアトリエ前で、写真を選んだりカメラを操作したり、楽しむ参加者たち。

あいにくの梅雨空も、「曇りなら曇り、雨なら雨にしか撮れない写真がありますよ」と鈴木さん。梅雨が楽しめるのは、写真好きの特権かもしれません。

鈴木さんに撮影方法を教わる参加者。お豆腐屋さんの窓ガラスの映り込みを撮影。

「ものの佇まいをしっかり観察して、何を感じたか考えてみましょう。そうすれば、空間を切りとるべきか、一部を切りとるべきか、見えてくるはずです」。そんなアドバイスに、メンバーたちは真剣な顔つきに。旅先でお土産を買いに来ただけなら、こんなにじっくり観察することはないかもしれません。カメラを構えて、ガラスや陶芸の繊細な色合いや、造形がつくり出す光や影と向き合うことは、作品を深く鑑賞することと同じ。静かなシャッター音だけが、空間に響き渡りました。残りの時間は、思い思いに好きなものを撮影しに分かれます。「写真は場所の記録ではなく、気持ちの記録」。そんな鈴木さんの言葉を思い出して、心に響くものを探しに向かうメンバーたち。出会った人に声をかけて、仲良くなって撮らせてもらう人もいれば、道端に咲くあじさいや草花など小さな被写体をマクロレンズでのぞく人も。「何を撮っていいかわからないときは、誰かの目を借りましょう。子どもの目や、ネコの目、鳥の目を想像してみては?」バリアングル液晶モニターを使いながら鈴木さんのアドバイスを実践。しゃがんだり、上から見下ろしたり。目線を変えるだけで、いつも見る景色が全く違って見えるから不思議です。「いつも撮らないものを撮るきっかけになりました!」と最後に各々が3枚選んだ写真は、同じ場所、時間に撮影したものでも、感じたことはバラバラ。みんなで撮影することの楽しさを改めて感じた1日になったようです。この日の撮影をきっかけに、富山のまちの見え方や撮るものが、変わってくるかもしれません。

“ネコの目”を借りるように、しゃがんで道端の花を撮影する参加者。カメラがなければ存在に気付かなかったかも。
「スムシコ」の格子が使われた陶芸作家の釋永岳(しゃくなが)さんのアトリエ前で、写真を選んだりカメラを操作したり、楽しむ参加者たち。
鈴木さんに撮影方法を教わる参加者。お豆腐屋さんの窓ガラスの映り込みを撮影。

参加して頂いた方の
お写真のご紹介

【撮影者】
倉谷さち子さん
「電車と花」
【撮影者】
澤田修平さん
「マイグラスを求めて」
【撮影者】
山本奈央美さん
「港町」
【撮影者】
片山リナさん
「さわってみたい!」

INTRODUCTION

AMAZING TOYAMA 写真部
2015年に結成された、富山県富山市で活動する133人の写真部。毎月1回の撮影会や講評などさまざまなかたちで写真を学んでいます。モットーは心を捉える写真を通じて、自分たちの暮らす富山市の魅力を再発見し、より多くの人に発信すること。今回は写真部の中から14名と一緒にまち歩きを楽しみました。
富山市岩瀬
富山駅北口から富山ライトレールに乗って終点の岩瀬浜駅まで約25分。岩瀬は江戸時代初期から日本海を行き来する北前船の港町として栄えてきたまち。廻船問屋の森家(国指定重要文化財)などの建築物や岩瀬諏訪神社などカメラ散歩にぴったりのエリアです。
写真家 鈴木さや香
Profile
東京造形大学卒。映像演出の葉方丹氏・写真家山岸伸氏に師事し独立。作品発表や写真文化を広める独自の活動を行う。鎌倉市観光協会のWebサイトで「かまくらかたおもい」を連載中。
今回の撮影会で使用したカメラはこちらです。

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