キヤノンギャラリー南 俊夫 写真展:アホウドリ復活への挑戦 ~小笠原で行われたこと~

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絶滅の恐れのある国の特別天然記念物アホウドリを存続させるため、公益財団法人 山階(やましな)鳥類研究所では、2008年から小笠原諸島の聟島(むこじま)において「小笠原へのアホウドリ再導入プロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトは、火山島である伊豆鳥島からヒナを移送し人手で育て、安全な繁殖地を形成するという試みで、アホウドリ科としては世界初の取り組みです。

本展は、このプロジェクトの軌跡を、小笠原諸島の自然を撮影し続けている南俊夫氏の写真で紹介するものです。また、6日はトークイベントも開催し、多くの方々に生物多様性について考えるきっかけを提供したいと考えています。

なお本活動には、アホウドリを驚かさないよう300m離れた場所から足環を調査するために、キヤノンの超望遠レンズとデジタルカメラが2013年より活用されています。

開催日程 会場
2018年10月2日(火)~10月29日(月) キヤノンオープンギャラリー1(品川)
  • 2018年10月6日(土)13時30分~キヤノンホール Sにてトークイベントを開催します。

展示内容

小笠原諸島にある聟島から巣立ったアホウドリが、この地に舞い戻り、そのヒナが2016年に誕生しています。アホウドリと小笠原再導入プロジェクトに寄り添い、その様子を撮り続けた南俊夫氏による写真約30点が、この10年の奇跡的な成果を伝えます。

本展では、キヤノンのデジタル一眼レフカメラで撮影した写真を、大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントして展示します。

トークイベント開催のご案内

展示作品をまじえ、「小笠原へのアホウドリ再導入プロジェクト」について写真家の南俊夫氏とともに、プロジェクトリーダーで山階鳥類研究所の出口智広氏、NHKエンタープライズの香川史郎氏が語ります。

写真家・南俊夫氏からのメッセージ

父島に住んでいる私が、アホウドリの飼育プロジェクトに参加したのは2011年。2月から5月末までの間、聟島でキャンプ生活をしながら、ヒナの飼育に携わりました。そして、その経験をもとに、翌年は飼育をしながら撮影をする許可をいただきました。このプロジェクトを1冊の本にまとめて、多くの人に知ってもらいたい、という思いからです。毎日、ヒナの飼育をしながら、ヒナの成長をカメラに収めました。最初は本を作るための記録として撮っていた写真ですが、いつしかファインダーを覗く思いは、我が子の成長を見守るような想いへと変わってゆきました。苦労の多いキャンプ生活の中で、ヒナの愛らしさにどんなに癒やされたことでしょうか。そして、素晴らしいことに、今では育てたヒナが大きく成長した姿を撮ることができています。写真家として、こんなにも幸運なことはありません。写真展では、みなさんにもヒナの親になった気持ちになって成長の過程を見ていただけたら幸いです。

山階鳥類研究所 保全研究室室長・出口智広氏からのメッセージ

一生の大半を大海原で過ごすため、多くの人にとってなじみの薄い海鳥は、驚くべき速度で数を減らしており、この60年の間で、その7割が地球上から姿を消したと言われています。そして、彼らを脅かすおもな原因は繁殖地にあります。

私たちは、アホウドリの将来的な存続を目指し、噴火などの懸念のない繁殖地を取り戻すため、小笠原諸島の聟島(むこじま)に運んだ幼いヒナを、巣立ちまで育てる試みを2008年から5年間行いました。アホウドリは晩婚な鳥のため、その歩みはゆっくりですが、年10-20羽が現在集まり、その中から2つがいが繁殖をはじめました。私たちは、小笠原村の方々とともに、これからもアホウドリを大切に守っていきます。

素晴らしい写真を撮影してくださった南俊夫さん、本写真展の機会をいただいたキヤノンの皆さんには、心から感謝申し上げます。

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