"S"の記憶

126

会期 : 2018.7.11 - 2018.8.28

第126回展 安珠
「ビューティフル トゥモロウ ~少年少女の世界~」

第126回展 「ビューティフル トゥモロウ ~少年少女の世界~」

この写真展は、安珠氏の「少年少女の世界」の集大成です。
旧作品の「少年少女シリーズ」(1990年~1996年)から約120点、新作約15点を加え、それぞれのムービー作品を合わせて展示予定。旧作品の「サーカスの少年」「少女の行方」「hoshi no hito」「星をめぐる少年」「眠らない夢」を元に、デジタル化した当時の作品を新たにプリント。新作は、前ボケ部分を和紙にプリントした二重構造の作品や巨大プリント作品、「hoshi no hito」「星をめぐる少年」は「写真絵本」すべてを展示するなど、各作品に趣向を凝らした安珠氏ならではの「少年少女の写真世界」を余すところなく表現します。
旧作品では、ひとつのテーマを複数の写真で構築していましたが、新作では、一点で完結するコンセプチュアルな作品となっています。例えば、7歳と70歳のポートレートの「ジャネーの法則」、岡本太郎作「痛ましき腕」へのオマージュ作品として「Ribbon」、また「distance」では、幻想的な少年世界を創造したフランスの写真家ベルナール・フォコンが蒐集した少年のマネキンを被写体に、少女からの視点で撮影し、少年と少女の距離感を表現しています。口笛、リボン、ユニコーンなど、少年少女の世界に連なるモチーフが、安珠氏の作品では圧倒的な存在として立ち上がっています。
「過去に囚われず、今日を純粋に生きれば、明日の世界はより美しい」と安珠氏。「ビューティフル トゥモロウ」には、大人が忘れた少年少女にしか持ち得ない心情が反映されています。

作家メッセージ

「この世に永遠はない」と知ったのは、死に直面した10歳の頃だ。私が明日消えても窓の外は変わらず、時間が流れている。なのに生きていることが幼い私には、不可解だった。初めてのモデルの仕事で、写真が自分の命よりも長く生きると気づき、「一瞬の永遠」を残そうと思った。写真機で、不可解な心にピントを合わせる作業に夢中になった。

フランスの哲学者ジャネが「ジャネーの法則」で示す通り、我々より、少年少女の1日は遥かに長く、未来は永遠である。老人にとっても、その頃の記憶は昨日よりも鮮明であり続ける。だからこそ、美しい世界に気づく今日でいたい。少年少女のバイブル「星の王子さま」、「不思議の国のアリス」をモチーフにした旧作に加え、岡本太郎、ベルナール・フォコンへのオマージュ作品も制作した。

安珠

安珠(あんじゅ)

東京生まれ。
デザイナーのジバンシーにモデルとしてスカウトされ渡仏。パリを拠点に国際的に活躍。帰国後、写真家に転身。文章を織り交ぜた物語のある独自の写真世界を表現し、1990年にデビュー作「サーカスの少年」を出版。文筆や講演、審査や映像監督まで幅広く活躍。近年の作品展に、子どもの夢を集めた「Dream Linking☆つなぐ夢、千年忘れない」、中国自然遺産・張家界の「仙人の千年、蜻蛉の一時」、平安京に焦点を当てた「Invisible Kyoto-目に見えない平安京-」などがある。

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