X線吸収分光装置QuantumLeap分析事例

原子電子レベルのミクロな構造を分析することは、対象物の根本的性質を解明していく最も有効なアプローチの一つです。中でもX線吸収分光法は電子状態や局所構造を解析する手法として、触媒や電池材料などの研究開発において必要不可欠な存在となっています。

幅広いエネルギー領域の吸収測定が必要なX線吸収分光法は強力な連続エネルギーの光源が必要なため、放射光施設で使われる高輝度X線源がX線吸収分光法の飛躍的な発展に寄与してきました。

Sigray社では独自の技術によりX線源の高輝度化を実現。こちらのX線源を載せることで、ラボ向けX線吸収分光装置「QuantumLeap」が誕生しました。ラボ機を所有することで計画的に何度でも測定が可能です。また、測定環境を自由自在に構築できるため、ドライルーム内での測定やOperando測定等、幅広い分析にも対応可能です。

Sigray社のX線吸収分光装置“QuantumLeap”の高速XAFSにより、電池、材料科学、触媒といった幅広い分野で、シンクロトロン並みのXAFS分析を行うことが出来ます。

【周期表】X線吸収分光装置 QuantumLeapで測定可能な元素

事例一覧

電池

材料科学

触媒

分析事例

電池

対象試料:酸化鉄

酸化鉄
酸化鉄

酸化鉄は、二次電池の正極材料、顔料、インク、塗装、研磨剤、磁気メディアとして利用されています。元素の価数が大きいほどXANESスペクトルのピーク位置は、エネルギーの高い側にシフトするため、元素の価数を求めることが出来ます。ここでは、Fe2O3(III)のほうが、Fe3O4(II,III)より高エネルギー側にあります。

XANESスペクトルをフィンガープリント(指紋)測定することにより、数分間で、元素の酸化数や配位構造の情報が得られます。また、EXAFSスペクトルをフィンガープリント測定することにより、数分間で、原子間距離や配位数の情報が得られます。

鉄のXANESフィンガープリンティング測定
(カーボンナノチューブ)
鉄のXANESフィンガープリンティング測定(カーボンナノチューブ)
鉄のEXFASフィンガープリンティング測定
(カーボンナノチューブ)
鉄のEXFASフィンガープリンティング測定(カーボンナノチューブ)

対象試料:リン酸鉄リチウム

燃料電池のカソード材料LiFePO4のFeの吸収端XANES測定
燃料電池のカソード材料LiFePO4のFeの吸収端XANES測定

燃料電池は、水の電気分解の原理を利用して、水素と酸素を化学反応させて電気を発生させます。燃料電池の正極材上で酸素と水が共存することにより酸化が促進され、性能低下が起こります。燃料電池の性能劣化評価のために、正極材の触媒劣化メカニズムを解析することは重要です。燃料電池の正極材料LiFePO4の鉄のXANES測定により、中古品が新品より酸化されて、高エネルギー側にシフトしていることがわかります。


対象試料:リチウムイオン電池のカソード材料

リチウムイオン電池のカソード材料のXANES測定
リチウムイオン電池のカソード材料のXANES測定01
分光結晶
Ge(400)
X線源ターゲット材
W
電圧
20KV
電力
300W
測定時間
15分
リチウムイオン電池のカソード材料のXANES測定02
分光結晶
Ge(400)
X線源ターゲット材
Mo
電圧
20KV
電力
200W
測定時間
37分

リチウムイオン電池は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池です。リチウムイオン電池の正極材として、マンガン酸リチウム(LiMn2O3)やニッケル酸リチウム(LiNiO2)があります。ここでは、酸化マンガン(III)と酸化ニッケル(II)のXANESスペクトルを示します。放射光での測定データと一致していることが分かります。


対象試料:レドックス・フロー電池のバナジウム

レドックス・フロー電池のバナジウムのXANES測定
レドックス・フロー電池のバナジウムのXANES測定

レドックス・フロー電池は、二次電池の一種で、イオンの酸化還元反応を溶液のポンプ循環により進行させて、充電と放電を行います。イオンの酸化還元反応では、バナジウムなどのイオンを利用します。ここでは、価数の異なるバナジウム、酸化バナジウム(III)、酸化バナジウム(IV,V)、酸化バナジウム(V)のXANESスペクトルを示します。


材料科学

対象試料:酸化亜鉛

酸化亜鉛(ナノ粒子)のXANES測定
酸化亜鉛(ナノ粒子)のXANES測定
酸化亜鉛(ナノ粒子)のEXAFS測定
酸化亜鉛(ナノ粒子)のEXAFS測定

酸化亜鉛ナノ粒子は、ゴム、白色顔料、電子部品、化粧品、日焼け止め、医薬品として利用されます。ここでは、サンプルの2カ所のデータ比較のため、酸化亜鉛のXANESとEXAFSスペクトルを測定しました。ナノ粒子の製造によるばらつきは小さいことがわかりました。


触媒

対象試料:メタバナジン酸アンモニウム

メタバナジン酸アンモニウムのXANES測定
メタバナジン酸アンモニウムのXANES測定

アクリル樹脂の原料であるアクリル酸は、プロピレンを原料として製造します。工業的な合成法として、金属触媒により酸化させます。ここでは、メタバナジン酸アンモニウムのXANESスペクトルを示します。放射光での測定データと一致していることが分かります。サンプルの2カ所のスペクトルは、大きな違いはありませんでした。


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