現代社会のメンタル問題にメンタルの第一人者・見波利幸が鋭く切り込むメンタルコラム 第一回「上司が壊す職場」

上司のキャラクターの問題が1 / 3

職場で社員がメンタルヘルス不調に陥る場合、本人自身の問題はおよそ1 / 3程度ではないかと思っています。
本人自身の問題の中には、家族や家庭などのプライベート上の問題もあります。また、個人的な要因として、性格や行動パターン、コミュニケーションスキル、人間関係構築スキル、ストレス耐性が高い人低い人、認知の傾向、睡眠状況、運動習慣、仕事や職場への適応、キャリア上の問題など、挙げればきりがありませんが、一定の割合で個人的な側面で不調になる方は現実にいます。
一方、個人的な要因以外では、上司に原因があり、部下が不調になるケースはおよそ2 / 3程度の割合ではないかと思っています。その半分(全体の1 / 3)が単純に適切なマネジメントができない上司、その半分(全体の1 / 3)がその上司のキャラクター(特性)に原因があると思っています。

今回は、上司のキャラクターについて考えていきたいと思います。

上司の4つの特性

私は、今まで組織へのコンサルティングや個人へのカウンセリングを通して、部下の心を折る上司の特性は、おおよそ以下の4つに該当することが多いのではないかと感じています。

  1. 部下の感情がくみ取れない――機械型
  2. 職場には「敵と味方」しかいない――激情型
  3. 「自分は優秀」をアピールし続ける人々――自己愛型
  4. 部下は、自分の出世の道具――謀略型

少し具体的に見ていきましょう。

「機械型」上司

自分の興味ある業務だけをやりたがる傾向があり、部下のマネジメントに興味がなければ、完全な放任となります。プレイングマネージャーが自分の業績だけに情熱を傾けて、一切マネジメントしないこともあります。逆に、部下のマネジメントに興味があれば、すべての部下の行動を管理し、事細かに指示命令をすることになります。一切部下に裁量権を与えず、重箱の隅をつつくようなマネジメントをすることがあります。

「激情型」上司

部下を自分の好き嫌いで判断し、好きな部下は可愛がり、嫌いな部下には冷淡な対応ができてしまう上司です。可愛い部下も、一度嫌いになると、徹底して嫌がらせをするなど、急降下の人間関係が特長となります。また、感情の起伏も激しいので、他者のいる前で、大声で叱責することも頻繁にあります。

「自己愛型」上司

自己顕示欲が強く、称賛されることが職場で最大の目的になっている上司です。部下の手柄を自分のものにするのは当たり前、自分の責任で問題が起こっても、決して自省することなく、部下の責任にしてしまいます。勝手に大きな仕事を持って来て、無理矢理部下にやらせようとしたりするなど、顧客や他部署、自分の上司からよく思われることがやりがいになっています。

「謀略型」上司

決して感情的になることはなく、冷静に理論的に部下を追い詰めていきます。自分の目標達成のためなら手段は選ばず、部下が役に立たないと判断すれば、切り捨てることも平気です。また、部下の弱みを握ることに長けているので、その武器を使ったり、見せて脅したりすることが得意で、常に優位な立場で絶対服従させるマネジメントを取ります。

このようなキャラクターは、完全に1つだけに当てはまるというものではなく、いくつかを備えている複合型もあります。このようなキャラクターは感じずに上司の問題がある場合は、先ほど述べた残り1 / 3の「適切なマネジメントができない」上司かも知れません。
しかし、もしこのような特性を持った上司であった場合は、共通する対応があるのか、個別に効果的な対応は何かを知ることで、少しでも被害を軽減することができるかもしれません。
この上司の特性に切り込んだ書籍が、2018年1月に日経新聞出版社から「上司が壊す職場」というタイトルで発刊されました。興味のある方は是非お読み頂ければ幸いです。

見波 利幸(みなみ としゆき)

一般社団法人日本メンタルヘルス講師認定協会 代表理事(http://www.j-mot.or.jp/一般社団法人 日本メンタルヘルス講師認定協会のサイトへ

外資系コンピューターメーカーなどを経て、98年に野村総合研究所に入社。メンタルヘルスの黎明期よりいち早く1日研修を実施するなど日本のメンタルヘルス研修の草分け。講演や研修のほか、カウンセリングや職場復帰支援、カウンセラー養成の実技指導、さらに海外でのメンタルヘルス活動など活動領域は多岐にわたる。さらにテレビや新聞などさまざまなメディアからも取材が多い。2015年より日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事に就任し、メンタルヘルス講師の育成に尽力している。

著書
  • 「究極のモチベーション」(清流出版)
  • 「心を折る上司」(KADOKAWA)
  • 「上司が壊す職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「やめる勇気」(朝日新聞出版社)
  • 「心が折れる職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「劣化するシニア社員」(日本経済新聞出版社)
  • 「新型うつ」な人々(日本経済新聞出版社)
  • 「メンタルヘルス・マネジメント検定試験 I種・II種・III種 重要ポイント&問題集」(JMAM)など多数

コンテンツ一覧

  1. 上司が壊す職場
  2. 働き方改革の一歩先行く「副業・兼業」への提言
  3. マネジメントの「パラダイムシフト」の勧め
  4. 究極のストレス耐性を作る
  5. 心が折れる職場
  6. 心を折る上司
  7. 究極のモチベーション
  8. 「劣化するシニア社員」にならないために
  9. 若年層の不調「新型うつ」の職場での問題
  10. 究極の睡眠
  11. ストレスを極限まで減らす
  12. 幸せ力を高める「ファンタジー・ブルー」の勧め

Appendix 書籍紹介

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