現代社会のメンタル問題にメンタルの第一人者・見波利幸が鋭く切り込むメンタルコラム 第十二回「幸せ力を高める『ファンタジー・ブルー』の勧め」

メンタルに良い休養の取り方

休養とは、体と精神にエネルギーを補充すること。休養の取り方次第で、休日明けの気分や仕事に対する意欲まで大きく変わってきます。メンタルの強い人と弱い人では、休日の過ごし方はもちろん、休日に対する意識がそもそも違っていることが多いのです。

メンタルの強い人の休養の特徴
  • 休日に対する意識:好きなことをして楽しみたい
  • 休日の過ごし方:旅行、買い物、趣味、運動、自然に親しむなど好きなことをする
  • 休日明けの気分:体力や気力が満ち溢れ、「この1週間頑張りたい」と思う
メンタルの弱い人の休養の特徴
  • 休日に対する意識:休日は疲れを取りたい
  • 休日の過ごし方:ネットやゲームなどで部屋でゴロゴロし、時間がただ過ぎていく
  • 休日明けの気分:「また仕事が始まるのか」と憂うつな気持ち

体を休めることがエネルギーを補充できると思いがちですが、実は逆なのです。何もできないほど体が疲れているのであれば、もちろん休ませることは必要ですが、むしろ精神的なエネルギーを補充するために積極的に好きなことをすることをお勧めします。
また、ストレスを軽減させるためには、部屋でゴロゴロするのではなく、適度な運動をすることでストレス物質が消費され、質の高い睡眠にもつながります。

メンタルに強い人の究極的な休養の取り方

幸せなひと時を過ごし、現実に戻るときの一抹の淋しさを感じる「ファンタジー・ブルー」(筆者が命名)が起こるほどの体験を定期的にすることをお勧めします。
ブルーというと、マリッジブルーやマタニティブルーなど、マイナスイメージを受ける方が多いと思いますが、ファンタジー・ブルーはむしろポジティブな概念です。

次のようなものがイメージしやすいと思います。

ファンタジー・ブルーの3要素

ファンタジー・ブルーを感じるほどの幸せなひと時を過ごすことが、生活の中では大切なのではないかと思います。それには重要な3つがあります。

  1. できるだけ日常を離れた異空間を体験する
  2. 好きな人と一緒に過ごす
  3. 好きなことをする、熱中する、没頭する

好きな人と過ごす、好きなことをする、感動する、嬉しい、楽しい、相手への感謝の気持ちを持つことで、脳内ホルモンのオキシトシンやエンドルフィンなどが分泌されるので、幸福感や安心感が得られ、癒し効果も抜群です。さらに相手に対しての愛情や信頼感が高まることになります。
このような幸せを感じることが仕事に対しての意欲、日々の生活の充実につながります。

淋しい気分を味わうことも効果的

好きな人、大切な人などかけがえのない人と一緒に楽しいひと時を過ごすことは、幸せを感じ、仕事への張り合いも強く感じられるようになれます。逆に、そのような大切な人としばらく離れてみるというのもお勧めです。
私は、ファンタジー・ブルーを感じるために、家族とともに海外旅行へよく出かけます。しかし、たった一人で旅行に行くことも多々あります。それは、かけがえのない人たちの存在を再認識し、大切な人をより愛おしく、感謝の気持ちを高めるためでもあります。

今も日本を離れ、一人で20日間ほど海外で過ごして本コラムを執筆しています。海外渡航前までは、家族に対しても何かと不満やストレスを感じていたものの、こうして一人で過ごしていると、嫌な面はどんどん消えていき、愛おしさしか感じなくなります。1日でも早く会いたいと思うようになります。これは、先ほどのファンタジー・ブルーとほぼ同じ効果なのです。

本コラムでは、ファンタジー・ブルーを簡単にご紹介しましたが、何が心を軽くするかという観点でまとめた書籍「やめる勇気」が朝日新聞出版社より出版されています。ご興味のある方は是非ご覧ください。

見波 利幸(みなみ としゆき)

一般社団法人日本メンタルヘルス講師認定協会 代表理事(http://www.j-mot.or.jp/一般社団法人 日本メンタルヘルス講師認定協会のサイトへ

外資系コンピューターメーカーなどを経て、98年に野村総合研究所に入社。メンタルヘルスの黎明期よりいち早く1日研修を実施するなど日本のメンタルヘルス研修の草分け。講演や研修のほか、カウンセリングや職場復帰支援、カウンセラー養成の実技指導、さらに海外でのメンタルヘルス活動など活動領域は多岐にわたる。さらにテレビや新聞などさまざまなメディアからも取材が多い。2015年より日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事に就任し、メンタルヘルス講師の育成に尽力している。

著書
  • 「究極のモチベーション」(清流出版)
  • 「心を折る上司」(KADOKAWA)
  • 「上司が壊す職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「やめる勇気」(朝日新聞出版社)
  • 「心が折れる職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「劣化するシニア社員」(日本経済新聞出版社)
  • 「新型うつ」な人々(日本経済新聞出版社)
  • 「メンタルヘルス・マネジメント検定試験 I種・II種・III種 重要ポイント&問題集」(JMAM)など多数

コンテンツ一覧

  1. 上司が壊す職場
  2. 働き方改革の一歩先行く「副業・兼業」への提言
  3. マネジメントの「パラダイムシフト」の勧め
  4. 究極のストレス耐性を作る
  5. 心が折れる職場
  6. 心を折る上司
  7. 究極のモチベーション
  8. 「劣化するシニア社員」にならないために
  9. 若年層の不調「新型うつ」の職場での問題
  10. 究極の睡眠
  11. ストレスを極限まで減らす
  12. 幸せ力を高める「ファンタジー・ブルー」の勧め

Appendix 書籍紹介

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