現代社会のメンタル問題にメンタルの第一人者・見波利幸が鋭く切り込むメンタルコラム 第三回「マネジメントの『パラダイムシフト』の勧め」

現行のマネジメント上の問題

今、企業の中では「管理職になることが出世」という考えが一般的になっている。管理職になると部下へのマネジメントや育成などの業務が新たに発生する。新たなキャリアチェンジになるのだが、多くの場合今までの業務の傍らにマネジメントを行っている。中にはマネジメントを放棄して今までのプレイヤーに徹する人もいる。多くはプレイングマネージャーとして、双方にエネルギーを注いでいる方が大半だろう。そこで大きな問題が発生する。

会社の低迷が始まる

今までのエネルギーを中途半端に双方へ注ぐことで、会社は発展できずに衰退が始まる。会社の成長に大きくきくブレーキがかかるおもな2つを紹介したい。

1.今までの専門性の停滞
今までプレイヤーとして専門性を高めた人材がマネジメントに就くことで、多くの時間をそがれ、それ以上の専門性が身につかず、組織として専門性に裏付けされた発展ができずに企業の衰退に向かうことになる。
高度な専門性こそが「新たなビジネスモデル」や「新事業」、あるいは「事業戦略」などを作ったり、「特許出願」を目指したりすることができる。すぐれた能力のある人が第一線を退き、マネジメントに就くことで、このような会社内の高度な専門家がいなくなることを意味する。
2.マネジメントスキル不足の管理者を生むシステム
現場で成果を上げられた人が管理職に就くという考え方は、それだけ環境適応性も高く、知的能力、ヒューマンスキルも高いと類推され、昇格していく。しかし、管理職になって経験とともにマネジメントスキルも高まるという考え方では、今のビジネスのスピードに追い付かない。
マネジメントスキルが伴わない状態で、部下指導することで部下を追い詰めてしまい、いくら経っても部下が成長しないということが起こっている。また、自己流のマネジメントを猛進し、ただの精神論しか語れない上司も数多く存在する。

最大の付加価値を生む「昇進システム」の2軸化

今までの、「出世は管理職になる」という考え方を変える必要がある。そこで筆者が提案したいのが、出世の2軸である。専門性をとことん突き進む「業務専門性」と部下を育て適切なマネジメントだけに注力する「マネジメントの専門性」の2軸の昇進システムである。
突き進んだトップのどちらが偉いというものではない。業務専門性を極めた社員も、マネジメントの専門性が高い部長もどちらも偉いのである。双方が連携を図り、その部門の業績最大化をはかるための組織に変更することである。

「真のイノベーション」が起こる

今、日本の企業経営者は、こぞって「自社を改革していかなければならない」、「イノベーションが必要だ」などと唱えている。しかし、職位が下がるごとにその情熱が薄らいでいくのが常である。部長、課長、主任、一般社員に行くほどに目の前の仕事が精いっぱいで、それどころではないと思っている。
幹部社員以外では、イノベーションなどは上層部が考え、実行することで、自分には関係ないとさえ考えている。勿論、それでは何も進まない。社長による年頭所感や一斉メールだけでは、何も変わらない。
しかし、5%の社員は本気にいつでも考えている。それは、意識があるからだ。自分の専門性が高く、頭の中にはぼんやりでも、新たな事業やビジネスモデル、事業戦略などのアイディアの種が常に自分のアンテナに引っかかっている。だから意識が高いのである。
全社で5%ということは、職場単位では1人程度である。これが2人でもいれば、会話がもたれ、ブラッシュアップされ、下位層をけん引し、リーダーシップが図れていく。これが、イノベーションが起こる仕組みである。

そのためには、真に効果のある研修が必要となる

なりたい10年後、20年後の姿を考え、自分のキャリアを見つめ、自分が大切にしているものを知ることが必須だ。そこから、自分は専門性を極限まで高めたいのか、質の高いマネジメントを目指すのかが見えてくる。
自分のなりたい姿が分かっている人だけが、極限のモチベーションとなり、自分の成果を最大限高め、組織貢献できる人材となる。筆者は20年かけて、このプログラム「ミッションマネジメント研修」を開発した。2日間の研修を終えた受講者の目の輝きは今まで出会ったことのない輝きを放っている。

見波 利幸(みなみ としゆき)

一般社団法人日本メンタルヘルス講師認定協会 代表理事(http://www.j-mot.or.jp/一般社団法人 日本メンタルヘルス講師認定協会のサイトへ

外資系コンピューターメーカーなどを経て、98年に野村総合研究所に入社。メンタルヘルスの黎明期よりいち早く1日研修を実施するなど日本のメンタルヘルス研修の草分け。講演や研修のほか、カウンセリングや職場復帰支援、カウンセラー養成の実技指導、さらに海外でのメンタルヘルス活動など活動領域は多岐にわたる。さらにテレビや新聞などさまざまなメディアからも取材が多い。2015年より日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事に就任し、メンタルヘルス講師の育成に尽力している。

著書
  • 「究極のモチベーション」(清流出版)
  • 「心を折る上司」(KADOKAWA)
  • 「上司が壊す職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「やめる勇気」(朝日新聞出版社)
  • 「心が折れる職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「劣化するシニア社員」(日本経済新聞出版社)
  • 「新型うつ」な人々(日本経済新聞出版社)
  • 「メンタルヘルス・マネジメント検定試験 I種・II種・III種 重要ポイント&問題集」(JMAM)など多数

コンテンツ一覧

  1. 上司が壊す職場
  2. 働き方改革の一歩先行く「副業・兼業」への提言
  3. マネジメントの「パラダイムシフト」の勧め
  4. 究極のストレス耐性を作る
  5. 心が折れる職場
  6. 心を折る上司
  7. 究極のモチベーション
  8. 「劣化するシニア社員」にならないために
  9. 若年層の不調「新型うつ」の職場での問題
  10. 究極の睡眠
  11. ストレスを極限まで減らす
  12. 幸せ力を高める「ファンタジー・ブルー」の勧め

Appendix 書籍紹介

今なら見波利幸のメンタルコラムプレゼント 無料 大好評の「見波利幸のメンタルコラム」を1冊にまとめました。PDFにて無料ダウンロードできます。

メンタルヘルス対策に関するサービスのご相談・お問い合せ

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 HR業務ソリューション企画課

メンタルヘルス対策に関するサービスのご相談・お問い合せ

電話でのお問い合せ:03-6719-9553

このページのトップへ