現代社会のメンタル問題にメンタルの第一人者・見波利幸が鋭く切り込むメンタルコラム 第七回「究極のモチベーション」

モチベーションを高めるには、たった一つだけすればいいわけではない

私は管理職の研修で、受講者からよくこのような質問をいただきます。「部下のモチベーションを高めるために何をすればいいですか?」。お気持ちはわかります。そのような質問が出るということは、日々部下のモチベーションを上げようとマネジメントに悩まれているからこそではないかと思います。
「部下のモチベーションなど、どうでもいい。言われたことだけやっていればいい」と思っている人からは、そのような質問自体起こらないと思います。
しかし、その質問に対して一言で、「こうです」というものはありません。たった一つのことだけすれば、モチベーションが上がり続けるものはないのです。

視点を変えて、世の中のモチベーション研修では、何が行われているのか。千差万別です。「コミュニケーションが良くなれば、モチベーションが上がる」と中身はコミュニケーション研修だったり、「人間関係が良くなれば、モチベーションが上がる」と人間関係に特化した内容であったり。あるいは、学術的なモチベーション論をひたすら学ぶものであったりと。勿論、中には素晴らしい内容のものもありますが、それを企業の研修企画者が探し出すことは、ほぼ不可能だと思いもいます。多分どれも似たように映ってしまい、違いがよくわからないという状況ではないかと思います。しかし、決定的に違いは存在します。

「目標」のないところには、すでにモチベーションは存在しません

私は、カウンセリングで「仕事に対するモチベーションがなく、全くやる気が起こりません。どうすればやる気が高まりますか?」と悩んでいるクライエントの方に出くわすことが少なくありません。
これは、先ほどの質問とも同じで一言で答えられるものではありませんが、逆にこの質問だけはしてみます。「あなたの人生の目標は何でしょうか?」と。ほとんどの方は、「いえ、特にありません」と答えます。しかし、原因はそこにあるのです。そもそもモチベーションとは、「目標を達成するための行動を起こさせる気持ち」なのですから。

結局は仕事の価値観が創造されていないということ。今の仕事や会社にいる意味を見失っているから起こることなのです。先ずは、今の会社で10年後や20年後にどうなりたいのか。どうなっていれば自分は幸せになるのかを知ることが必須です。しかし、これをいきなり考えても簡単にはたどり着きません。ステップを踏んで自分を見つめ直すことが必要です。

自分のモチベーションの源泉を知る具体的なステップ

詳細説明は文量の関係でお伝えできませんが、項目だけでもおおよその流れを挙げてみましょう。

  1. モチベーションを理解する(目標、認知、感情)
  2. 今の自分の現状のモチベーションを把握する(仕事のステージ、ワークエンゲージメント、プライベートでのフロー状態)
  3. 自分のキャリアアンカーを知る(捨てられない働き方)
  4. 自分の価値観(人生で何を大切にしているのか)
  5. 原体験(大切にしている思い出)
  6. 10年後、どうなっていると幸せになるのか(仕事の連動、仕事の価値観創造)
  7. 人生の目標(仕事とプライベート)を設定する
  8. マイルストーンを作る(節目の小目標)
  9. 直近のアクションプラン
  10. 目標達成のイメージ強化

これらの項目を1日かけて、じっくりと自分の大切なものを見つける作業をすることで、自分のモチベーションの源泉を見つけることができるようになります。モチベーションの源泉は、人それぞれ違います。自分の源泉に気づくことがすべての始まりなのです。

人は誰でもモチベーションを高めることができる

上述した内容は、私が行っている「モチベーション研修」の内容です。参加した受講者は、朝の最初の段階から、身を乗り出して真剣に聴き、1日を通して素直に今までを振り返ります。そして、自分の大切なものを知る喜びに触れ、幸せは向こうからやってくるものではなく、自分が作り上げるものだということを理解していきます。
これこそがモチベーションをコントロールするということであり、自分は幸せになることができるという将来への期待や希望も湧いてきます。
1日の研修を終えた時の受講者の希望に満ちた笑顔こそが、モチベーションの高まりそのものだといつも実感しています。そして、これからの職業人生の間、この意識がずっと続いていくのです。

本コラムでは、断片的なご紹介となりましたが、自分で究極のモチベーションが高められるようにまとめた書籍「究極のモチベーション」が清流出版より4月に発刊となりました。ご興味のある方は是非ご覧ください。

尚、コラムで紹介した研修プログラムにご興味のある方は、こちらもどうぞ。
「モチベーションアップ研修」はこちら!

見波 利幸(みなみ としゆき)

一般社団法人日本メンタルヘルス講師認定協会 代表理事(http://www.j-mot.or.jp/一般社団法人 日本メンタルヘルス講師認定協会のサイトへ

外資系コンピューターメーカーなどを経て、98年に野村総合研究所に入社。メンタルヘルスの黎明期よりいち早く1日研修を実施するなど日本のメンタルヘルス研修の草分け。講演や研修のほか、カウンセリングや職場復帰支援、カウンセラー養成の実技指導、さらに海外でのメンタルヘルス活動など活動領域は多岐にわたる。さらにテレビや新聞などさまざまなメディアからも取材が多い。2015年より日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事に就任し、メンタルヘルス講師の育成に尽力している。

著書
  • 「究極のモチベーション」(清流出版)
  • 「心を折る上司」(KADOKAWA)
  • 「上司が壊す職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「やめる勇気」(朝日新聞出版社)
  • 「心が折れる職場」(日本経済新聞出版社)
  • 「劣化するシニア社員」(日本経済新聞出版社)
  • 「新型うつ」な人々(日本経済新聞出版社)
  • 「メンタルヘルス・マネジメント検定試験 I種・II種・III種 重要ポイント&問題集」(JMAM)など多数

コンテンツ一覧

  1. 上司が壊す職場
  2. 働き方改革の一歩先行く「副業・兼業」への提言
  3. マネジメントの「パラダイムシフト」の勧め
  4. 究極のストレス耐性を作る
  5. 心が折れる職場
  6. 心を折る上司
  7. 究極のモチベーション
  8. 「劣化するシニア社員」にならないために
  9. 若年層の不調「新型うつ」の職場での問題
  10. 究極の睡眠
  11. ストレスを極限まで減らす
  12. 幸せ力を高める「ファンタジー・ブルー」の勧め

Appendix 書籍紹介

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