ニュースリリース

2006年3月20日

キヤノンギャラリー S
稲越功一写真展「遠い雲、中國」開催のご案内



キヤノン販売株式会社(社長:村瀬治男)は、キヤノン S タワー1階 キヤノンギャラリー Sにおいて、2006年4月6日より稲越功一写真展「遠い雲、中國」を開催します。併せて、4月15日に稲越氏ご本人によるギャラリートーク(作品解説)、また4月21日にはキヤノンホール Sにて、作家の立松和平氏を迎え、ゲスト対談「旅、中國、そして日本人の顔」を開催します。

この件に関するお問い合わせ先

キヤノン販売株式会社 キヤノンギャラリー S
TEL 03-6719-9021
キヤノン販売株式会社は、2006年4月1日、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(略称キヤノンMJ)へ社名を変更する予定です。



■期間

2006年4月6日(木)~5月16日(火)
10時~17時30分 (休館:日曜日・祝日) ただし4月21日(金)は20時まで開館
入場無料

■会場

キヤノン S タワー1階 キヤノンギャラリー S
(JR品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分)

■ご案内

十数年にわたって中国を旅しながら、中国の“今”を記録し続けてきた写真家、稲越功一氏。本展「遠い雲、中國」では、広大な中国大陸でも屈指の景勝地である桂林を中心に撮影された最新の写真を交えながら、これまでの作品を振り返ります。薄曇り空の下、悠久の大地をゆったりと蛇行する大河、平原で和やかに談笑する人々など、中国のありのままの姿を写し撮った作品約60点(カラー約50点、モノクローム約10点)をキヤノンの大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF」シリーズで出力することで、桂林ならではの壮大な自然を表現しました。

■プロフィール

稲越功一(いなこし こういち)
1970年、フリーランスの写真家として活動を開始。
1980年、講談社出版文化賞を受賞。
エディトリアルの撮影をする一方で、国内外を問わず多くの作品集を出版し、展覧会を開催するなど積極的な活動をしている。
主な作品集に、『男の肖像』(集英社)、『女の肖像』(文藝春秋)、『波の絵、波の話』(文:村上春樹 文藝春秋)、『Out of Season』(用美社)、『中村吉右衛門』(用美社)、『Ailleurs』(Contrejour)、『平成の女たち』(世界文化社)、『三大テノール日本公演公式写真集』(選択エージェンシー)、『アジア視線』(朝日出版社)、『野に遊ぶ魯山人』(梶川芳友共著 平凡社)など多数。
2005年、松尾芭蕉生誕360周年記念企画として、作品集『芭蕉の言葉』(佐佐木幸綱共著 淡交社)を出版、展覧会『芭蕉の風景』(和光ホール)を開催。
NHK「課外授業~ようこそ先輩~」(9月14日放映)に出演。NHK特選アーカイブス「新シルクロード~遥かなり長安~」(12月11日放映)にゲスト出演。

■稲越功一氏メッセージ

旅先で。

二〇〇五年十二月三十一日。
中国、広西チワン族自治区、三江からとうとんきょうに向かう。

長年の中国の旅も気分は松尾芭蕉の奥の細道の旅の時のようにゆっくり視つめる。
日本の盆栽の小枝を切るようにひとつひっとつ丁寧に風景を撮っていた。
今回の桂林を拠点に二週間の旅は、あいにく天候に恵まれず晴れた日は一日もなかった。
桂林から陽朔までの川下りも一日掛りで雨まじりの中を舟で下った。
時々、舟から降りて村を訪ねた。どの省の田舎にも共通しているのは、いまや田舎は子供と老人の村になりつつあることだ。
若者が都市に憧れるのは解るが、いまのままではいずれこの国の農業も日本の農業がそうであったように遠くに置き去りにされるかもしれない。

 雨走り 桂林の山 墨一色     功風

二〇〇六年一月一日。
中国、貴州省の肇興郷の村の宿にて柳 宗悦著『茶と美』を読む。

彼は日本の美の深さを誰よりも信じ強調していた。昭和の初め日本は西欧の方に眼が向きそれらを〈現代の眼〉として日本の美をおろそかにしていた時代があった。
伝統的な日本美に私たちはもっと自信をもって日本人の感情の豊かさを誇りに思うようにと言っている。
〈知る力〉よりも〈観る力〉がいかに重要かも説いている。

常に良いものを観て、触れることが眼の力を深めることでもあろう。
毎年、外国を旅して彼の地の本物を数多く見ると、より一層日本の四季の美しさを再確認することがある。
それぞれの季節の変りめの草花や樹々の葉の色つきに出会い私たちは心と眼を磨いてきた。そのことが私たちを直感力の優れた国民にしたのであろう。
柳は言う。禅的に言えば〈空手にして受取る〉見る眼と見られるものがひとつになる。とも言っている。
私もものを視つめている時、常にものたちにも観られているという意識でものたちをみるとおのずと見方も
違ってきて、ものの裏側まで見えてくる。

私が風景たちを見ている時に常に自分の心を真白にして平常な気持ですべてをみつめれば素直に周りの光景が眼に飛び込み風景の移りゆく間のようなものまで瞬時に撮れると私は思っている。

功風:稲越功一氏俳号

■ゲスト対談 立松和平 × 稲越功一

テーマ「旅、中國、そして日本人の顔」
日 時2006年4月21日(金) 18時30分~19時30分 入場無料
会 場キヤノン S タワー3階 キヤノンホール S
定 員先着270名 (事前申し込み制)
お申し込み以下のURLにて受け付けております。(締切:2006年4月18日)
canon.jp/event
お問い合わせキヤノン販売株式会社 ギャラリー推進グループ 講演会係
TEL03-6719-9021(10時~17時30分、日曜・祭日は休み)

対談当日のみ、キヤノンギャラリー S(写真展会場)を20時まで開館します。

■ギャラリートーク

内 容写真展「遠い雲、中國」の作品について、稲越氏が解説をします。
日 時2006年4月15日(土) 13時30分~14時30分 入場無料
会 場キヤノン S タワー1階 キヤノンギャラリー S

事前のお申し込みは不要です。

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