ニュースリリース
2015年4月13日
キヤノン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンライフケアソリューションズ株式会社

世界初の白内障向け画像処理を搭載
無散瞳型デジタル眼底カメラ“CR-2 AF”を発売

  • デジタル眼底カメラにおいて。2015年4月6日現在。(キヤノン調べ)

キヤノンは、無散瞳型デジタル眼底カメラの新製品として、白内障向け画像処理を搭載し、より鮮明な眼底画像を表示できる“CR-2 AF”を2015年4月16日より発売します。

  • CR-2 AF
  • CR-2 AF 使用イメージ

発売情報

CR-2 AF

価格
320万円(税別)
発売日
2015年4月16日
  • 国内市場では、キヤノンマーケティングジャパングループの医療事業の中核企業であるキヤノンライフケアソリューションズ株式会社が、主体となって販売します。

おもな特長

“CR-2 AF”は、赤外光で観察するため散瞳剤(瞳孔を開く点眼剤)を使用せず、45°のカラー眼底写真が撮影できる無散瞳型デジタル眼底カメラの新製品で、専用のデジタル一眼レフカメラの搭載で高画質と小型軽量化を両立した「CR-2」(2010年12月発売)の後継機種です。今回の新製品は、世界初となる白内障向け画像処理や、キヤノン初となるコントラスト強調機能を搭載することで、より鮮明な画像が撮影できます。また、高速のオートフォーカス、オートショットなどのオート機能を搭載し、簡単な操作で高画質な眼底画像を撮影することができます。健診施設を中心に、眼科クリニックや一般病院での導入を想定しています。

白内障向け画像処理とコントラスト強調機能を搭載、より鮮明な画像を表示

白内障向け画像処理は、白内障など中間透光体の混濁により不明瞭で眼底の状態が分かりにくい画像に対し、視神経乳頭や網膜の血管をより見やすくします。コントラスト強調機能は、血管とその周囲の「明るさ」と「赤み」の差を強調することで、血管の輪郭を際立たせることができ、より鮮明な画像で眼底の状態を確認することができます。

眼底撮影を容易にするオート機能を搭載

観察時の前眼部観察から眼底観察への自動切り替え機能、焦点を自動で合わせるオートフォーカス機能、適正な位置とタイミングで撮影を自動的に行うオートショット機能を新たに搭載しています。さらに、従来機種にも搭載している観察・撮影時の被検眼に応じた露出を自動で調整するAE機能を加えたオート機能で撮影をサポートし、より簡単に高画質な眼底画像を取得できます。これらのオート機能により検査時間を短縮でき、被検者の負担を減らします。

眼底カメラの市場動向

画像処理や通信など、デジタル技術が急激な進歩を遂げる中、正確で迅速な処置が求められる医療機関においては、患者の医療データを効率良く一元管理できる電子カルテや、ネットワークを介した遠隔診断システムの導入など、さまざまな分野においてデジタル化が進んでいます。
眼底カメラもデジタル化が進展しており、医療機関からはデジタルならではの利便性と高画質の両立が強く求められています。(キヤノン調べ)

眼底検査の目的と眼底カメラの用途

眼底とは、目の奥の網膜や血管などがある部位のことで、全身の中で唯一、直接血管を見ることができます。眼底カメラは、眼底血管の走行状態や出血の有無、網膜の状態など眼底画像の記録に広く用いられ、多岐にわたる眼科疾患の診断に役立っています。さらに、眼底の診察結果から全身の血管の状態を推測し、高血圧や動脈硬化の進行、糖尿病などの全身疾患を発見する手掛かりを得ることができるため、生活習慣病健診にも活用されています。
先進諸国での失明原因の上位は、加齢黄斑変性、緑内障、糖尿病網膜症です。加齢黄斑変性と緑内障は、加齢とともに発症の可能性が高くなります。今後、老齢人口が増加する中で、これらの疾病の早期発見のために、眼底カメラを活用する機会はさらに増えるものと予想されます。
また、糖尿病患者についても、国内だけで糖尿病が疑われる人の推計は約2,050万人であり、糖尿病の合併症の一つである網膜症の検査において、眼底カメラがますます注目されています。

  • 厚生労働省「平成24年国民健康・栄養調査」33ページに記載の、「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計の合計数。