ニュースリリース
2015年10月14日
キヤノン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンライフケアソリューションズ株式会社

OCTと眼底カメラ画像の統合・管理を実現するソフトウエア
“眼科ソフトウェアプラットフォーム RX”を発売

  • Optical Coherence Tomography(光干渉断層計)のことで、網膜の断面図を見ることができます。

キヤノンは、自社製OCTおよび眼底カメラから得られた画像を統合的に管理し、断層画像と眼底画像の比較・閲覧を直感的な操作で行うことのできるソフトウエア“眼科ソフトウェアプラットフォーム RX”を2015年10月29日より発売します。眼科クリニックや一般病院、健診施設での利用を想定しています。

レポート画面例

発売情報

眼科ソフトウェアプラットフォーム RX
(認証番号:227ABBZX00088000)

価格
オープン価格
発売日
2015年10月29日

おもな特長

OCTと眼底カメラの検査データを統合的に管理・閲覧

新製品は、キヤノン製のOCTおよび眼底カメラで撮影した同一患者の検査データ(眼底画像・断層像・網膜層の厚さマップなどの解析結果)の表示を一覧にしたり重ねたりして統合的に管理できるソフトウエアです。両機器の検査データを同時に閲覧することができるほか、瞬時に検索や表示、比較参照することが可能です。OCT検査と眼底検査の内容を同じ操作で閲覧できるため、検査や読影効率が向上します。
また、オプションのソフトウエアとして用意している、データをネットワークサーバーで一元管理する「RX Server」と、データをサーバーから閲覧する「RX Viewer」を用いて、院内に置いたサーバーからPCにデータを呼び出し、撮影場所から離れている診察室や読影室から検査内容を閲覧・解析することが可能です。さらに、ファイリング・ソフトウエアや電子カルテなどとの連携が可能なため、既存のシステムを入れ替えることなく導入が可能です。

健診ワークフローにも適した機能と操作性

OCTと眼底カメラを組み合わせて健診を行うことで、眼底カメラだけでは捉えきれない眼疾患の判定や診断のサポートを簡単に実施可能で、眼疾患の早期発見が期待できます。新製品は、OCTや眼底カメラでの撮影や読影がしやすい環境を提供することで、眼科だけでなく、短時間での検査や読影が求められる健診でのワークフローにも適応しています。

なお、10月22日から25日まで、名古屋国際会議場で開催される「第69回日本臨床眼科学会」で併設する器械展示会のキヤノンブースにて、新製品のデモを実施する予定です。

  • 国内市場では、キヤノンマーケティングジャパングループの医療事業の中核企業であるキヤノンライフケアソリューションズ株式会社が、主体となって販売します。

OCTと眼底カメラの市場動向

先進諸国での失明原因の上位は、加齢黄斑変性、緑内障、糖尿病網膜症です。加齢黄斑変性と緑内障は、加齢とともに発症の可能性が高くなります。今後、老齢人口が増加する中で、これらの疾病の早期発見のために、OCTおよび眼底カメラを活用する機会はさらに増えるものと予想されます。
また、糖尿病患者についても、糖尿病が疑われる人の推計は国内だけでも約2,050万人であり、糖尿病の合併症の一つである網膜症の検査において、眼底カメラとOCTがますます注目されています。

  • 厚生労働省『平成24年国民健康・栄養調査』33ページに記載の、「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計の合計数。

OCTと眼底カメラの用途

眼科市場におけるOCT装置は、黄斑や視神経乳頭など網膜の断層を検査するもので、眼底および眼底断層像を観察・撮影・記録し、より質の高い診断をサポートします。OCTの登場により、これまで確認できなかった疾患の詳細まで判別できるようになり、現在では日常診療においても、診断・治療方針の決定など効果判定になくてはならないものになっています。
また、眼底とは、目の奥の網膜や血管などがある部位のことで、全身の中で唯一、直接血管を見ることができます。眼底カメラは、眼底血管の走行状態や出血の有無、網膜の状態など眼底画像の記録に広く用いられ、多岐にわたる眼科疾患の診断に役立っています。さらに、眼底の診察結果から全身の血管の状態を推測し、高血圧や動脈硬化の進行、糖尿病などの全身疾患を発見する手掛かりを得ることができるため、生活習慣病健診にも活用されています。