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Date:2020.12.01
若者の「マイスペース/マイタイム」、求める価値って? 若者の「マイスペース/マイタイム」、求める価値って?

若者たちは、どのような空間でどのような時間を過ごしているのでしょうか?
第2回ワークショップでは、モノの所有・消費において
「自分の生活や時間がどう変わるか」を大事にしている様子が垣間見えましたが、
第4回では「自分」に主権があるような空間・時間(マイスペース/マイタイム)の実態と、
そこでの気持ちについて向き合いました。

時代の変化やコロナ禍の影響も受けながら変わる暮らしのなかで、
「空間・時間」に対する価値観がどう変化しているのかレポートしました。

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学生にはワークショップ前に課題に取り組んでもらい、その過程で気づいた空間や時間に対する価値観についてディスカッションしました! 学生にはワークショップ前に課題に取り組んでもらい、その過程で気づいた空間や時間に対する価値観についてディスカッションしました!
事前課題事前課題

①暮らしのなかで「マイスペース」だと思える場所と、そこでのこだわりや、好きなポイントを教えてください。 ②暮らしのなかで「マイタイム」だと思える時間と、そこでのこだわりや、ポイントを教えてください。 ③今のマイスペース/タイムには「不足していることや、本当はこうなら良いのにと思うこと」を教えてください。

マイスペース

マイタイム

マイスペース

マイタイム

自分一人だと誘惑に負けてしまい、スマホを見たりだらけてしまう。そのため公共空間が持っている「サボりづらい雰囲気」や人の目を活用する。

コロナ禍で外に出かけることが少なくなったため、外出する際は高揚感が高まる。 ともすると怠けてしまう日常の朝は、意識的に自分の気持ちを高める工夫をする。 *「Get Ready With Me」の略。美容・ファッション系動画のジャンルの1つ。

コロナ禍でオンライン化した授業。すぐ隣にあるベッドに逃げず、なんとか集中しつづけるためにデスク周りを整える。

大事なのは便利さ(メイクのしやすさ)や「人にどう見られるか」よりも、その時の気分や「自分で自分に自信をもてるか」。

公共空間でも「決まった場所」があると気持ちが落ち着くし、繰り返し使っているうちに思い出が溜まっていく感じがする。

テスト前、通学中など、その時に応じた音楽を無意識に選んで、気持ちを制御している。

同時に色々なことをするのが当たり前の日常。目的が明確な場所でひとつのことに集中すると充実感があり、元気が出る。

情報処理能力の高い若者達にとっては、マルチタスクでのながら作業は当たり前。限られた時間がより充実し満足感が高まるのはもちろん、1つの作業に没頭しすぎないことで適度な集中状態をつくれる。

少しネガティブな気分でも許されるような空間が家の外にも見つかると嬉しい。

心配性の自分を知っているから思い切り早めに行動するなど、時間への主導権を握り、気持ちの余裕をつくるように振る舞う。

心や生活が荒れ模様になってしまう時、それを整えてくれる言葉やアイテムを身近に置いておく。

良いことも悪いことも何でも話せる友達との時間が1番のストレス発散で大切な時間。

家の外では周りの目があるため、きっちりしないといけないと考えてしまう。そのため、家の中ではオフモードでとことんだらけてリラックスする。

脱力できるような映像や、何度も見てオチや好きなシーンが分かっている映像は、情報に追われる圧から解放され、幸せを感じる。

情報が溢れる日常だからこそ、1つのことに集中したり無心になれる状態を空間によってつくりたい。

自分に関係のない非日常的なストーリーのドラマやアニメを観ると、現実の感情から離れられる。

人への気づかいや目線を気にすることも多い日々。布団のなかにいる時は、自分勝手に、安らかに眠れるような場所をつくる。

癖のように触れてしまうスマホから距離を置いて無心になったり、考え事をできる時間は大事。

今の世代の若者にとってのマイスペース/マイタイム 今の世代の若者にとってのマイスペース/マイタイム

「気持ちや気分との接点」にある空間や時間 「気持ちや気分との接点」にある空間や時間

気分がリラックスする空間、自分と向き合い鼓舞する時間など、気持ちをコントロールする上で空間と時間が心との接点になっている。

マルチタスクが当たり前だからこそ マルチタスクが当たり前だからこそ

映像を見ながら、音楽を聞きながら、といった“ながら”が当たり前の生活。そうして気持ちや集中力をコントロールする一方で、あえてシングルタスクや無心の状態をつくり出す工夫も見られる。

「自分自身の意志」を大事に 「自分自身の意志」を大事に

選択肢の多い時代だからこそ、その選択肢を“私らしく”どう使いこなすか、を常に考えながら行動に移している。周りではなく、あくまでも「自分がどうか」がポイント。

「ご自愛する」「自分のご機嫌は自分でとる」そんな言葉を若者達から聞くことが増えましたが、今回のワークショップを通じて改めて、若者達が自分の空間や時間を拠り所としながら、自身の気持ちをコントロールするために様々な工夫を凝らしていることがよく分かりました。

情報と選択肢に溢れ、それゆえの悩みやストレスも少なくない時代ですが、若者達はそうした状況を仕方がないものとして受け入れているようです。

自分自身に向き合うことを通じて、自分の癖・感情・意志を知ること。その上で、空間やモノ、様々なコンテンツが自分に及ぼす影響を意識して、自身の気持ちにアクセスしコントロールする術を磨いていく。若者達のマイスペース/マイタイムの背景には、現代の環境を生き抜き、楽しもうとする姿勢がありました。
行きつけのバーにあこがれる若者たち 行きつけのバーにあこがれる若者たち

どの世代の若者たちも「行きつけのバー」には憧れを抱くもの。今回のワークショップでも「行きつけのバー」を見つけたいという意見が多くでました。
一昔前の世代は、そういった店を知っていると「かっこいい」など、ステータスになるという感覚に近かったのかもしれませんが、今の世代の若者は自分のマイスペースとしてそういった居場所が欲しいように感じました。
そこには「行きつけ」に集まる“人”とその“空間”によって、自宅や自分のコミュニティとは違う価値があるかもという期待がありそうです。
他人のように客観的でもなく友達ほど親密でもない、良い意味で無責任でゆるい繋がりと、受け止めてくれる場所に憧れているのかもしれません。

第4回 ワークショップ
開催日
2020年12月1日
テーマ
若者の「マイスペース/マイタイム」、求める価値って?
課題
① 暮らしのなかで「マイスペース」だと思える場所と、そこでのこだわりや、好きなポイントを教えてください。
② 暮らしのなかで「マイタイム」だと思える時間と、そこでのこだわりや、ポイントを教えてください。
③ 今のマイスペース/タイムには「不足していることや、本当はこうなら良いのにと思うこと」を教えてください。
形式
個別発表とグループディスカッション
開催場所
オンライン(ZOOM)
調査対象
大学生10名

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