全体講評

CANON PHOTO CONTEST 第46回 キヤノンフォトコンテスト

全体講評

今年で46回目を迎えたキヤノンフォトコンテスト。1万4000点を超える応募の中から、頂点に輝いたグランプリ作品をはじめ、準グランプリや各部門大賞・準大賞に選ばれた作品について、審査員の先生方に講評をいただきました。

被写体と深くかかわって個性が感じられる作品を

長倉 そんなに審査員をやっているわけではないのですが、通常は自由部門によい作品が集まると思っていました。でも、全体を通して、ネイチャー部門に強い作品が多かったですね。

水谷 ネイチャーには見るべき作品がいっぱいありましたが、それに比べてスポーツは、正直に言うと大いに不満が残ります。最近はカメラがよくなっているから、いいカメラと望遠レンズがあればそれなりの写真が撮れるけれど、そこに作者の主張が感じられないと面白くないんです。もちろん、中にはいい写真もありましたが、全体的に物足りなかったです。

テラウチ 僕は、いわゆる風景写真が少ないと感じました。おそらく同じような理由からだと思いますが、今は誰でも写真が撮れるので、きれいな写真が撮れても、「ここに行けば私も撮れる」と思われたら評価が下がると考えて、撮るのをためらっているんじゃないですか。大事なのは、その人の哲学とまでは言わなくても、プチ哲学を写真に込めることだと思うんです。

高橋 そういった意味では、上位に選ばれた作品は、その人でなければ撮れない、作者の思いが感じられる作品だったように思います。そういう作品がたくさん見られたことが、私はうれしく感じました。

齋藤 僕が感じたのは、祭りだと堂々と人を撮っているのに、祭り以外での人物写真は少ないことです。もっと、声をかけて、どんどん撮ってほしいですね。

長倉 今はデジタルカメラが主流になっているので、撮った写真をすぐに見せることができますよね。だから、「こんな風にきれいに撮れていますよ」って相手に見せながら、相手との壁を壊していかないと。

水谷 そう、もっと相手と深くかかわって、人間を掘り下げて撮らなければ、決してよい写真は生まれません。

テラウチ その通りですね。個性って、自分の中にあるものではなく、人と人との間に生まれるものともいわれていて、個性が感じられる写真は、相手と深くかかわらないと絶対に撮れないと思うんです。

高橋 その理論で言うと、私の場合はネイチャーですから、キノコと深くかかわって、キノコと私の間に個性が生まれるということですか(笑)。

長倉 でも、ちゃんとキノコに語りかけているでしょう?

高橋 確かに……、そうですね(笑)。

テラウチ そうなんです、どんな相手でも語りかけないと。それなのに深くかかわろうとしないから、誰でも撮れるような写真になってしまうんです。

齋藤 まあ、そうは言っても、今回1万4000以上の中から選ばれた上位作品は、しっかりと考えられていたと思いますよ。それぞれの分野で、力作と呼べる作品が最終的には残ったと。

長倉 そうですね。今回の上位作品のように、悔しいけれど、プロでも「これはすごいな」と思えるような作品がこれからどんどん増えていってくれれば、うれしいですね。


キヤノンフォトコンテスト

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