グランプリ

CANON PHOTO CONTEST 第47回 キヤノンフォトコンテスト

グランプリ


The Water Fall
山本さちこ(東京都)

受賞者の声

山本さちこ

これまで私は、風景写真は当日の状況で良し悪しが決まると思いこみ、ただがむしゃらにあらゆる地へ撮影に行っていました。けれど、当日の運で 左右されるなら作品性とは何なのかという葛藤が生まれました。そんなとき、米津光先生のワークショップに参加することができ、作品とは状況をとらえることではなく被写体を自分の世界へ引き込むことなのだと知ったのです。
今まで多くの人と出会い、支えられ、応援してもらいながら好きなことに取り組めたことが、何よりも幸運でした。グランプリに選んでいただき、ありがとうございました。

講評: 組み方の妙が感じられたグランプリ作品

西宮 今年のグランプリ作品である『The Water Fall』は、造形的にすこぶる優れており、滝の流れ落ちる水のテクスチャーを、しっかりバリエーションを付けながら表現しているのが素晴らしいですね。

ハービー 滝をモチーフにして、非常に繊細に水のラインを描いています。周囲を暗くして、抽象的な表現を狙った点に作者のセンスを感じました。

西宮 滝というものを全部水だけで表現し、写真的な象徴性もあるところがいいんですよね。

ハービー 組み方も上手ですよ。真ん中に直線のラインを強調したものを配し、その左右に水のしぶきや曲線といった動きが感じられるものを構成したことで、安定性も生まれています。

嶋田 本当に気持ちのよい作品ですね。僕は、この作者は演出家としても優れた方だと感じました。撮る前にしっかりとイメージを持ち、組み合わせまでを考えた上で撮影しているように思えたんです。

今岡 水の流れのフォームや、線や空白のとらえ方、水と光による透明感が、何とも美しい作品です。プリントの仕上がりもよかったですね。一枚一枚を丁寧にとらえて組み合わせられ、そのロジックを物づくりにおける真摯な姿勢と受けとめました。注ぎ込まれたものとその相乗効果が、作品に表れていると思います。

熱田 モノクロで表現した点もいいですよね。すごく柔らかくプリントして、水の流れの中にグラデーションをきっちり出しているところに技術の高さを感じました。これを見ていたら、銀塩時代に一生懸命に焼いていたころのことを思い出しました。本当に黒の締まりがいいんですよね。

西宮 これ、驚くほど理詰めですよ。直線と柔らかいカーブを組み合わせて、デザイン的に見せている。タイトルもよくて、このまま海外のコンテストに応募しても十分に通用する、立派な作品だと思います。


キヤノンフォトコンテスト

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