第53回キヤノンフォトコンテスト
人物部門

人物部門

ゴールド賞

『総代さん』
藤原 茂夫(兵庫県)

受賞者の声

カメラマンに人気の総代さんをよりインパクトに仕上げた作品

ゴールド賞の知らせが、キヤノンフォトサークルのマンスリーフォトコンかと勘違いしていました。うれしい勘違いでした。この写真は、加西市の北条節句祭りで撮ったものです。チャップリン姿の総代さんがカメラマンに人気で、遠方からも撮りに来られます。多数いらっしゃる総代さんでも、華のある方はめったにいません。最初のプリントは、左の無表情の方をカットしてプリントしましたが、この方を入れることで、よりインパクトのある写真になりました。

講評:自然体の笑顔が魅力 人物部門ゴールド賞

  • 大石
    人物部門ゴールド賞の「総代さん」ですが、一番の魅力は5人の表情です。全身が写っているため顔が小さいものの、それぞれの笑顔がパッと目に飛び込んできますね。おそらく私がこの場にいきなり行っても、こんな表情は写せないでしょう。これほど魅力的な笑顔を引き出せる作者と、この方たちの関係が作品から滲み出ています。
  • 野口
    確かに、とても楽しそうですよね。どういう状況なのか、いつの時代か分かりづらいのですが、動きがあって、魅力的な人物写真だと感じました。
  • 米屋
    カメラを向けられて意識しているはずですが、5人ともカメラを見て笑っているわけでなく、とても自然な雰囲気がとらえられています。モノクロにしたことで、いつの時代か分からなくなり、少し古めかしい印象になっているのかもしれません。
  • GOTO
    本当にみなさん個性豊かで魅力ある表情をされていますね。一人ひとりを切り出しても作品として成立するような5人の笑顔が一枚に収まっていることで、それぞれの笑顔の印象がさらに強くなっているのでしょう。確かにモノクロにしたことで時代が分かりづらくなり、この場の説明的な部分も隠しているため、非常に効果的だったと思います。
  • 中西
    僕は、この人たちの若いころを見てみたいと感じました。20歳くらいの5人が揃っているところが想像できるような、そんな雰囲気がありますよね。また、この作品を見て、人は歳を重ねるごとに魅力が増していくということを教えてもらった気がします。
  • GOTO
    すごく多幸感がありますよね。ひょっとしたら同窓会なのでしょうか。だから若い気持ちが蘇って、こうした生き生きとした表情を見せてくれたのかもしれないと思って……。
  • 米屋
    同窓会だったら、「総代さん」というタイトルは付けないのでは?
  • 大石
    ただ、きっと旧知の仲ではありますよね。「総代さん」というタイトルではなく、もっと第三者に伝わるものの方がよかったかもしれません。
  • GOTO
    そうですね。もう少し何か読み取れればよかったですね。
  • 大石
    この作品に限らす、タイトルは非常に大事で、せっかく自分が撮ったものなので、その狙いが伝わるような工夫が必要ですね。

シルバー賞

『年輪』
岩本 宏子(徳島県)
『卒業の日』
餘野 照彦(大分県)

ブロンズ賞

『ママッ、ママー』
神田 豊(福岡県)
『髪かざり』
土岡 雅宏(広島県)
『吹雪く日』
村上 𠮷秋(岩手県)

佳作

『躍動』
荒木 忠義(広島県)
『やんちゃな子』
竹尾 康男(宮崎県)
『お爺ちゃん』
黒澤 亮太郎(東京都)
『日傘の女』
天戸 秋義(大阪府)
『カフェの来訪者』
井上 弥子(愛知県)