第54回キヤノンフォトコンテスト
動体部門

動体部門

ゴールド賞

『山が動く』
堀出 明広(三重県)

受賞者の声

受賞作は、数人の選手で1人の大男を持ち上げボールを奪う、ラグビーのラインアウトを撮影したものです。トライやゴールキックなどの花形的なプレーではなくとも、視点を変えることによって印象的なシーンとなりました。コロナ禍の激しい時代ですが、今まで以上に写真でしか得られない表現方法を探求し、その場の空気感や人間味を感じるスポーツ写真を撮り続けていきたいと思います。また、日頃から支えとなってくれている家族にあらためて感謝します。

講評:スローシャッターの妙 動体部門ゴールド賞作品

  • 前川
    動体部門のゴールド賞である『山が動く』は、最初見たとき、バレーボールなのかなと思ったんですよね。でも、よく見るとラグビーのワンシーンで、この作品のよさはスローシャッターを使って光の動きを巧みに表現しているところだと思うんです。
  • 佐藤
    スポーツ写真というと、どうしても速いシャッター速度で瞬間を切り撮るイメージがありますけれど、これは正反対の作品ですよね。スポーツ写真でも、このような表現ができるんだと、すごく勉強になりました。
  • 前川
    速い動きを表現するためにスローシャッターを用いる方法はありますが、何も考えずに撮ると雰囲気だけの写真になってしまって、作品として成立していないものが多いんですよね。その点、この作品は、光とシャッター速度をしっかりと計算して、素晴らしい表現になっていると思います。
  • 佐藤
    確かに、あまりにも前衛的すぎるとよく分からない写真になってしまいますが、スポーツの写真ということもギリギリ理解できますし、そのバランスがとても上手でしたね。
  • 榎並
    コンセプトがはっきりしていますよね。偶然撮れたのではなく、最初からこの表現を狙って写した作者の意図が感じられました。縦位置でこのように撮るのは難しいと思いますが、非常に動きもいいし、シャッター速度も的確です。何回かトライした中の一枚かもしれませんが、流れすぎず、止まりすぎず、最良のバランスだったと思います。あと、微かにストロボを焚いているんですかね?
  • 瀬戸
    たぶんストロボを使っているんじゃないですか?いわゆる日中シンクロですが、普通の使い方ではなく、まるで絵画のように写し出すために光をうまく使っているのだと思います。
  • 長根
    今回、動体部門では、乗り物やスポーツなど、動いている被写体を高速シャッターで写し止めたものが多かったんです。でも、やっぱり「動体」だから、写真から動きが感じられる要素も必要で、その中では、この作品が最も動きが感じられた一枚だと思います。皆さんがおっしゃるとおり、スローシャッターの使い方が絶妙で、素晴らしい秀作だと感じました。
  • 瀬戸
    この作品には、たくさんのヒントが隠されているような気がするんですよね。スポーツに限らず、例えば風で揺れる木々など、動くものを暗がりの中で光を当てて撮ることで面白い表現が生み出せる。そんな写真の可能性を教えてくれる作品だと思います。

シルバー賞

『一馬身に迫る』
木村 雅之(愛知県)
『夜汽車』
 網谷 秀幸(埼玉県)

ブロンズ賞

『瞬間(トキ)』
丸山 太(長野県)
『8017M姨捨入線』
土屋 勝範(東京都)
『蹴散らす』
もじゃ まさ(東京都)

佳作

『保存SLたち』
河副 一重(神奈川県)
『横浜Tube』
畑田 博文(埼玉県)
『新緑トンネル』
鈴木 啓公(東京都)
『時の流れ』
仁熊 正暉(神奈川県)
『帰巣』
竹尾 康男(宮崎県)