夢のような受賞の朗報に感激しております。ニホンザルをテーマに撮り続けて、今年で10年目。作品は世界で唯一、温泉に入るサルで有名な地獄谷野猿公苑で撮影しました。季節は早春、桜の開花便りがチラホラ聞こえても一年の三分の一が雪に覆われるこの地では、まだ冬から抜け出せません。突然降り出した雪に一頭のサルは何度も立ち上がって雪粒を取ろうとしていました。まるで、雪乞いのように見えた瞬間でした。受賞を励みに、今後も撮影を続けていきたいです。
第55回キヤノンフォトコンテスト
自然部門

自然部門
ゴールド賞
『雪乞い』
郝 麗敏(埼玉県)
郝 麗敏(埼玉県)

受賞者の声

講評:インパクトのある表情をとらえた自然部門ゴールド賞作品
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豊田自然部門ゴールド賞の「雪乞い」は、グランプリに推したほど好きな作品でした。おそらく温泉に入っているサルだと思いますが、雪が降っているシチュエーションが最高ですよね。その中でサルのアクションがタイトルにあるように降雪をお願いしているように見えますし、よくこの瞬間を逃さずに撮ったと感心しました。
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長倉自然光だと思いますが、その光を効果的に使いながら、顔の周囲を焼き込んだことで表情が浮かび上がっています。まるで人間が劇場で絶叫しているような感じが出ていて、雪のボケ具合がすごくきれいなので、この場の臨場感も伝わってきます。
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高橋サルの表情のインパクトがすごいですね。こんなに大きな口を開けて手を伸ばすシーンがあるのかという感じですが、よくその瞬間を写し止めました。光がサルに当たって浮かび上がっているのもよく、冬らしい寒さも写真からしっかりと伝わってきます。
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古賀サルの表情が本当に人間のようで、子どもを見ているような感覚になります。サルだからマスクをしなくていいという羨ましさもありつつ、自然は昔と変わらない営みがあるということも感じました。雪の中ですごく寒かったと思いますが。その中で自然と向き合った作者の想いが伝わる作品です。
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浅田サルの動きが激しい瞬間だと思うので、よくぶれることなくこの瞬間を写し止めたと感じました。また、プリントの仕上げ方が上手で、少しトリミングしているんですよね。その画角の中でサルの動きだけでなく、雪の散りばめ方もきれいに収まっています。
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かくた動物の写真って、こちらからポーズをお願いすることができないから、粘って瞬間を待つしかないですよね。そうした中でこの瞬間を写し止めたことが素晴らしく、たまたま撮れたのではないという説得力のある力強さもあります。雪が降るなど天候が悪いと撮影に出かけるのを躊躇してしまう方もいると思いますが、その中で撮影に出掛けた作者の努力が実った一枚だと思います。
シルバー賞
『悲しき勝者』
早川 勝夫/Sho Hayakawa(宮城県)
早川 勝夫/Sho Hayakawa(宮城県)

『ダツの叫び』
林 恭子(岡山県)
林 恭子(岡山県)

ブロンズ賞
『The Little King』
野中 美樹(愛知県)
野中 美樹(愛知県)

『お見事!!』
夕田 盛利(茨城県)
夕田 盛利(茨城県)

『四季彩々』
津森 富貴子(山口県)
津森 富貴子(山口県)

佳作
『夜明の吊し雲』
渡辺英基(山梨県)
渡辺英基(山梨県)

『冬の窓辺』
石原 宇之助(静岡県)
石原 宇之助(静岡県)

『風神』
田渕 寛(大阪府)
田渕 寛(大阪府)

『ファミリー』
外勢 肇(愛知県)
外勢 肇(愛知県)

『賜りしもの』
山内 理香子(東京都)
山内 理香子(東京都)
