EOS 5D Mark III EF17-40mm F4L USM 1/60sec F6.3 ISO800
EOS 5D Mark II EF100mm F2.8L マクロ IS USM 1/80sec F5.0 ISO200
EOS 5D Mark III EF15mm F2.8 フィッシュアイ 1/100sec F6.3 ISO200
海の中は、光が均一のように見えて、実はいろいろなところに影があります。青い世界の中に色の世界があって、その後ろ側には"影"が潜んでいる。顔料は深い黒だけでなく、こうした海の中にちりばめられた黒をちゃんと拾ってくれるんです。だから立体感が出るし、他の色が際立つ。
自宅でプリントしてきた経験上、青は再現するのが難しい色です。でもPRO-10Sは、青のグラデーションをとても美しく描き出してくれました。海が持っているシャドーの深み、海がもっている青の階調表現は素晴らしいですね。赤の再現性もいい。これは、僕が海の中で見た色だと思いました。
明るいブルーを表現するには、今までは顔料では合わないと思っていたけれど、PRO-10Sでの出力を見て考えが変わりました。顔料のブルーには深い交わりがある。すごくリアル。僕が見ている海を伝えたいと思ったとき、現時点では顔料が最適だと気づきました。
水中愛好家のみなさんに伝えたいのは、顔料でプリントすると、作品の新しい可能性が見えてくるかもしれないということ。あなたが気づかなかった、あなたの写真の良さを再発見させてくれる。それくらい僕は、水中写真と顔料は相性がいいと思いました。
自然のリズムに寄り添う水中撮影を行う。日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2013 ネイチャー部門優秀賞など。写真集に『夢色の海』(PIE International)ほか多数。