キヤノン販売グループでは、顧客との関係強化と連結経営体制づくりを2大テーマとして、2000年1月より「グループ販売構造改革」に取り組んでいます。その一環として今年5月には販売子会社の統合再編*も発表しました。「C21」はこれら一連の改革をIT活用の側面から推進・支援するものです。
「C21」は、グループ再編の仕組みとしてのERPと顧客対応力強化の仕組みとしてのCRM、さらにキヤノン製品の供給最適化の仕組みとしてのSCMを同時に立ち上げることを企図。このため、ERP/CRMがシームレスにつながり、グループ各社で利用できるパッケージとして、Oracle EBS 11iを採用しました。またSCMはマニュジスティックス社のNetWORKSソリューションを採用しました。
キヤノン販売グループ品川本社ビル**の完成に合わせて2003年5月にまずキヤノン販売で本稼動を開始した後、販売系グループ8社***約320拠点に順次展開予定です。
累計投資額は約100億円。利用人員はセールス・サービス・本社・企画・業務部門を含めて約11,000人。また、1ヵ月あたり受発注処理量は150万件超、取扱品目数は80万点(内商品30万点)、アカウント数は100万事業所を想定しています。非製造業でのERP/CRM統合情報システムとしては、例のない規模となります。
導入効果としては、顧客ごとの機器やシステムの稼動・保守履歴情報などを組織的に蓄積することで、サービス品質の向上や、顧客状況に合わせた的確なソリューション提案が可能になり、収益向上が期待できます。また、グループ全体でEコマースやモバイル、統合コールセンターを活用することで、業務の生産性が向上します。これらにより、2004年から2006年の3年間で、約400億円相当の経費削減と70億円の在庫削減効果を見込んでいます。
システム構築は、日本オラクル、新日鉄ソリューションズ、キヤノン販売およびキヤノンソフトウェアの各社によって行いました。
なお、キヤノン販売グループではITサービス領域を収益の柱に育てていく方針で、ソリューションビジネスの強化に注力しています。その一環としてCRMおよびERPパッケージについても、キヤノン販売とキヤノンソフトウェアを中心に、今回のシステム構築で培ったノウハウを今後のビジネスに生かしていく考えです。
* | 2002年5月17日発表。キヤノンシステムアンドサポート、キヤノン・エヌ・ティー・シー(販売部門)、キヤノンビーエム札幌、青森キヤノンビジネスマシーンズ,秋田キヤノンビーエムが統合し、2003年春に新しい販売会社が発足する予定。 |
** | 東京都港区港南に現在建設中。キヤノン販売の新本社と同時にグループ本社機能を持つ。 |
*** | キヤノンシステムアンドサポート、茨城キヤノン事務機販売、キヤノンビーエム埼玉、キヤノンビーエム東京、キヤノンビーエム神奈川、キヤノンビーエム大阪、キヤノン・スーパーコンピューティング・エスアイ、キヤノントレーディングの8社。 |