imageRUNNER ADVANCE 8205B 導入事例キヤノンマーケティングジャパン株式会社

キヤノンマーケティングジャパン株式会社(東京都)

複数の伝票と封筒を表裏二層構造の1枚に集約することで大幅な作業効率化を実現。
用紙廃棄量およびCO2排出量の削減にも貢献し、コスト削減とセキュリティー面に優れた環境ソリューションとして開発。

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伝票一体型ラベルでコスト削減とセキュリティー強化を実現

キヤノンマーケティングジャパンの国内物流を担当する流通支援本部では、出庫作業時の伝票が複数枚に分かれていたため、伝票の突き合わせ作業に時間がかかっていただけでなく、帳票の種類や出力枚数も多かった。

その解決策として、複数の伝票と納品書を封入する封筒を表裏二層構造の一枚に集約する「伝票一体型ラベル」を開発。作業工数の80%削減や個人情報流出リスクの撲滅を実現しただけでなく、伝票種類・枚数や廃棄物の削減によるCO2排出量削減にも貢献した。

この業務プロセスの開発・導入に至った背景と目的、効果について、同社 流通支援本部 流通計画課 石山広和氏と、物流業務委託先の住友倉庫 東京支店 浦安営業所 所長 青谷和人氏のお二人にお話を伺った。

キーパーソン

キヤノン商品の国内物流を担当する流通支援本部

おもな業務内容

キヤノンマーケティングジャパンの流通支援本部ではキヤノン商品の国内物流を担当しており、商品の入庫や在庫の管理、出庫、配送などを行っている。その拠点となる物流センターは札幌、仙台、東京、大阪、福岡の5カ所が設けられている。今回取材した東京物流センターでは、2007年から実際の物流作業を住友倉庫に委託。倉庫内での一連の出庫作業は同社が担当している。

本事例で焦点となっている「伝票」が活躍する出庫業務は、お客さまのご注文から出荷指示を受けるところから始まる。物流センターの端末室では出荷用の伝票を出力し、伝票の突き合わせを行い、その後庫内作業に伝票を引き渡す。庫内作業では商品をピッキングし、梱包や積み込みを行って出庫する。

膨大な伝票の突き合わせ作業によってタイムロスが発生

導入のきっかけと狙い

出庫に際し、「ピッキングリスト」「納品書」「送り状ラベル(荷札/受領書)」の3枚の伝票が必要になる。これまでは端末室でこの3枚が別々に出力されていたため、伝票の突き合わせ作業が必要だった。また出力枚数も大量なため、作業人員を確保する必要があった。

「作業時間の短縮を図るということが第一でした。(石山氏)」

また、突き合わせによって庫内作業が停滞する問題も発生していた。

「1日に1万件以上の伝票が出力されて、そのうち半分は突き合わせ作業が必要な路線便です。10人前後で伝票ナンバーの9桁を元に突き合わせをするのですが、件数が増える分だけ手作業によるエラーリスクや出荷作業の遅延リスクがつきまとっていました。(青谷氏)」

このほか今回の導入には、伝票の種類や枚数を削減して廃棄物を減らし、環境負荷を低減させる狙いもあった。

伝票一体型ラベルによる業務プロセスを構築

改善方法の概要

伝票3枚と商品に添付する封筒の合計4点を、表裏二層構造の1枚に集約し、伝票一体型ラベルによる業務プロセスを新たに構築した。

「伝票の内訳は、お客さまの手にわたる納品書、商品をお届けするための送り状ラベル(荷札/受領書)。そして庫内で商品の場所や数量を指示するピッキングリストです。それらが突き合わせする必要のない1枚になったわけですから、作業的にも大幅な効率化を達成し、廃棄物量としても大幅な削減を図ることができました。(石山氏)」

品質維持のため試行錯誤を重ねてミシン目や書式を決定

伝票の調整と工夫

開発時にはラベルの操作性を追求した。用紙会社とも連携を図って、ミシン目の形状や幅を変えるなどの工夫を凝らしている。

「当初、現場から伝票の改善要望をいただいてから、少しずつ検討を重ねて解決策を練ってきました。出力テストを行う過程で、両面印刷でミシン目の切り取りやすさやラベルのはがしやすさといった伝票機能品質を高めるために紙質の変更などを行いました。(石山氏)」

伝票の記載内容についても検討が行われ、項目の精査のほか、文字サイズやレイアウトなどが調整された。

伝票一体型ラベルと高速印刷に対応したプリンターを選定

ハードウェアを更新

プリンターの更新時期も重なったため、新しい用紙に対応でき業務に支障がない高速のプリンターを選定する必要があった。選定条件として挙げられたのは以下の点である。

これらの条件を満たす毎分105枚出力可能なimageRUNNER ADVANCE 8205B(iR-ADV 8205B)を導入した。

作業工数、CO2排出量の大幅削減と、出力パフォーマンスの向上

実際の削減効果

試行錯誤を重ねて導入した結果、当初の試算どおりの効果を上げることに成功した。

「突き合わせがなくなったので端末室での作業工数は約80%削減され、ヒューマンエラーのリスクはゼロになりました。現場ではラベルを折りこむ作業が増えていますが、すぐに慣れましたね。(青谷氏)」

また、今回は新型プリンターの導入時期にも重なったため伝票の出力速度も向上。毎分86枚から105枚に高速化され、一体型の厚い紙でも印刷スピードを低下させずに印刷することができた。結果として印刷時間を従来の2 / 3以下に短縮し、プリンター台数も3台から2台に集約することができた。

出力ソフトは既存のキヤノン製帳票システムimageWARE FormManager(iWFM)である。伝票1枚に対して1フォームという通常の機能ではなく、両面異なるフォームを組み合せる複合フォーム機能を利用した。

「伝票印刷の効率化は上流システムからも考えなくてはならないので、ハード(iR-ADV 8205B)やソフト(iWFM)が整っていたのは良い条件でした。(石山氏)」

また、環境面の導入効果も大きい。伝票で廃棄する部分は枠だけになったため廃棄量が大幅に削減された。これまでの納品封筒/ラベル紙/カット紙と伝票一体型ラベルのトータルの重さを比較したところ、廃棄用紙は約50%削減。流通支援本部からの出庫量年間300万件のうち、半分の150万件を伝票一体型ラベルに変更したとして、年間のCO2削減効果は約133トンにもなる。

伝票一体型ラベルの仕組みを活かした今後の展望

将来を見据えた取り組み

「ミシン目や紙質、あるいは抜本的にレイアウトを変えることで現場の操作性をもっと向上したいと思っています。スピードとしてはコンマ1秒の改善になるかもしれませんが、毎日全国で積み重ねると大きな改善になると思います。(石山氏)」

伝票一体型ラベルの仕組みは特許を申請している。その特殊な構造を活かし、納品書を取り出す際にあらわれる裏面部分に広告やメッセージを入れる新しいアイデアもある。今後は単なる伝票ではなく、情報通信ツールとして活用できる発展性も期待されている。

システム構成例
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